いやいやお見事、もう参りましたとしか言いようがない。
ガールズグランプリは児玉碧衣が豪快に捲って圧勝、同レース初となる連覇を達成した。
初手で⑦奥井廸→④石井寛子→①梅川風子→②小林優香→⑥佐藤水菜→③児玉→⑤石井貴子(千葉)という隊列になるが、これだといかにも奥井に突っ張られるのでそもそも逃げる気はない他派は誰も動けなくなる。
奥井は最近はこういうレースもやっているしここに入るとスピード・瞬発力はやや見劣るのでそれをカバーするには最初から前に出て自分のタイミングでジワリと駆けていくのもひとつの作戦、決してこれが悪かったというわけではないが結果としてレースの動きがなくなってしまいどの選手も「誰か仕掛けてよ」と昨年同様またまたお見合いが始まってしまった。
当然のごとく初手の隊列のまま打鐘、車間を大きく切っていた梅川が最終ホームで詰めていくが後ろをアテにしてチラチラと振り返るだけでまだ動かない。
焦れた水菜がやや車を外に出したところを児玉は見逃さずこれを掬って1車追い上げ、2角過ぎに業を煮やした優香が捲ろうとすると梅川もスパート、しかしこれもほぼ同時に踏み込んだその後ろの児玉が圧倒的な瞬発力であっという間にこの両者を飲み込んでしまう。
この時に狭くなった梅川と寛子が落車(児玉・優香が審議)、いつもは踏み出しは怪しくても必ず最後は伸びてくる優香だが今日はあっさり児玉の軍門に降ってしまい、むしろどんどん差が開いてしまう。
児玉は後続を突き離して圧勝、後方に置かれてしまったが落車を避けて伸びてきた貴子が最後は死に体になった優香を交わして②着となり、優香は後ろからも抜かれてまさかの③着に敗れた。
児玉はいささか拍子抜けするぐらいの圧倒的な強さで連覇、得意の瞬発力勝負になったにせよ優香・梅川を全く問題にしない踏み出しの加速力はちょっと飛び抜けている。
そもそも男子選手と比べれば総じて踏める距離も短いうえにラインもないのだからどうしたって緩いペースからのヨーイドンが多くなるのがガールズケイリン、こちらの方がスタンダードなのであってこのような展開になるのは常に考えておかなければならない。
これまでガールズ特別レースがそうなりにくかったのは徹底先行の奥井が展開の中心にいてそれなりのペースを作り出していたからで、それに期待していたわけだが奥井だってもうただ逃げればいいという選手ではないのだからそうそう暴走気味になるわけがない。
決して児玉の能力を評価していなかったわけではないが、私としては真逆の質のレースを想定していたわけで「買いたいのはここまで」とした印をつけた4選手のうち3選手で収まっているとはいえこれは惨敗と言わざるを得ない。
ガールズ特別レースのこれまでの能書きを木っ端微塵に粉砕されてしまったような歴史的勝利、久々にシャシャリ出てきて無様な浦島太郎になってしまった私もこれからまた新たに分析していく必要がある。
児玉選手、おめでとう‼︎
特に優香に大舞台の直接対決で完勝した意味は大きく、名実共にガールズケイリンの女王としてしばらくは君臨しそうだ。
貴子は児玉に標準、初手からマークしていたが児玉が水菜を内から捌いた時に水菜に間に入られてしまった。
児玉はこういう動きはこれまであまりなかったというか必要なかったので、貴子としても意外な動きだったかもしれない。
児玉ジカなら最後方でも意味があるがこれだとただの後方、このメンバーでこの位置ではいかにも苦しい。
結果的にはアクシデントを避けてから②着まで届いてやはり大レースでは車券からはずせない存在だが、勝ち負けという点からすると今回は優勝争いには加われず拾っただけになってしまった。
優香は案外弾けず、いつも踏み出しは怪しいので極端な瞬発力勝負になった場合はちょっと心配だったし実際ヨーイドンになったのも敗因のひとつとしては挙げられるだろうが、それにしても今日はらしくなかったし展開云々ではなく完敗だ。
能力は申し上げるまでもないのでやはり臨戦過程なのだろうか、屋外のバンクを走るのは久々でしかもこう寒くては少なからず影響があったのかもしれない。
残念だが気持ちを切り替えて来年は東京五輪でも頑張ってほしいし、もちろんガールズケイリンでもまたいいレースを見せてほしい。
水菜は5番手にいたのが中途半端に車を外に出したところを児玉に掬われて1車後退、結果的に児玉の後ろになったことで児玉の捲りを追走しようとするが結局突き離されてしまった。
トライアルでもスピード・瞬発力不足を露呈していたぐらいだからこのメンバーで後方になってヨーイドンの展開ではいいわけがない。
明らかに持久力タイプでもう少し厳しい流れでレースをしたかったし、そのためのひとつの作戦としてこの選手が早めに仕掛けてくると予想していた人も少なくないはずだ。
しかしこの選手は何がなんでも先行というタイプでもなくそもそも普段のコメントからして「自在」とか「前々」とかで「自力」ですらない(笑)のだから、どちらがいい悪いではないが奥井あたりとはだいぶ違ってあくまでも流れのなかで手段のひとつとして先行もという感じなので、これは認識しておいた方がいい。
今回は回ってきただけみたいになってしまったがこの舞台を走ったこと自体が貴重な経験、デビューからこれまでは極めて順調だしまだまだ先がある選手だ。
奥井にはもっと厳しい流れを作り出してほしかったがこれは私個人の願望でしかなく、勝つための手段のひとつとして前受けの作戦を選択したのは理解できるしこればかりは仕方ない。
実際作戦としては決して悪くないが、結局こういうメンバーだと今日のように引きつけ過ぎてもキレ負けして自身の持ち味が生きないし、ハイペースはハイペースで後続にも脚を使わせられるが自身も消耗してしまうので加減が実に難しい。
普段楽々逃げ切っているのは力の差がだいぶある組み合わせだからでガールズ特別レースを逃げて勝つのは至難の業、例えば脇本雄太や新田祐大だってグランプリのようなメンバーのレースで単騎でまともに先行したらまず厳しいはずで、奥井がやろうとしているのはそういう難しい事なのである。
何とかタイトルを獲らせてあげたい選手だが年齢的にも残されたチャンスは多くないはず、グランプリはもちろんガールズコレクションもいったん脱落するとその舞台に返り咲くのは極めて困難だ。
寛子・梅川は無念の落車(ともに再乗)、初手で寛子→梅川となると(おそらく)お互いをアテにしてグダグダになってしまった昨年のグランプリが思い出されるが、今年はその前に奥井が入ったことにより意味合いが全然違ってくる。
奥井がそのまま逃げてくれる可能性が極めて高いのだからこれはもう両者ともに明らかにいい形、十分勝負圏内だっただけに残念だ。
これもレースのうち、ガールズケイリンは下位クラスだと明らかなボーンヘッドの落車も少なくないのでそのような類には激怒するが、勝負した結果の落車は仕方ないと思う。
ガールズ普通開催は松戸初日、加瀬加奈子が往年の男道先行で魅せれば断然の主役と目される鈴木美教もしっかり人気に応えて役割を果たした。
6Rは④篠崎が前受けで③加瀬は4番手、その後ろに①関口と⑤中村が並走で打鐘となる。
加瀬が踏み込むとこれは脚力差で中村が踏み勝つが今度は篠崎が待ち構えていてさらに加瀬後位は並走、これは篠崎が踏み勝って中村は篠崎の後ろにいた②野口諭実可の外に浮いて苦しくなる。
前は完全に一騎打ち、あっさり番手を奪取した篠崎に絶好の展開に思われたが加瀬が力強く押し切った。
篠崎が②着、中村は大ピンチも辛うじて③着でしのいだ。
加瀬は出産で休んでいたのがウソのよう(笑)、ここへきてまた先行が増えてきており休む前より動きはむしろ軽快だ。
前回豊橋では中村に差されて決勝②着も細田愛未を翻弄、近況はベテラン健在を大いにアピールしている。
篠崎は組み立てとしてはもう完璧、それだけに差し切ってほしかったが相変わらずでよくも悪くも持ち味を十二分に発揮した(笑)。
33は明らかに得意だし計算できる選手だがとにかく決め手をなんとかしてほしい。
中村は加瀬後位に標準も篠崎に飛びつかれて外に浮く大ピンチ、前とは離れてしまったものの諭実可に踏み勝って辛うじて③着は確保した。
関口には踏み勝ったが同等の力がある篠崎の外で並走となるとなかなか苦しい。
普通なら飛んでしまう展開でむしろよく③着でしのいだなという印象だ。
グッチや関口も含めさすがに一期生中心のレースは変なことをしないので概ね想定内の展開、それだけにきっちり的中しておきたかったが…(笑)。
新人は大きな変わり身に期待できる一方でどうしても経験不足が出てしまうのでそういうのと比べるとやはり安心して見ていられる。
7Rは打鐘で⑤石井貴子(東京)と④鈴木樹里の先行争い、それをさらに美教が一気に叩いていく。
樹里を退けた貴子も再度突っ張って抵抗するが美教がこれを力でねじ伏せて快勝、マークした成田が②着で貴子も③着に粘った。
美教は順当勝ち、ここはもう内容がどう展開がどうではなく①着を3つ並べるしかない。
デビュー時は器用に俊敏に動けているように見えたが相手関係もあり、本来地脚タイプのようでトップクラスで走るにつれてやや瞬発力不足を感じるようになってきた。
しかし十分に通用する戦力は持ち合わせているのでまた来年以降は大きな舞台に返り咲きたい。
成田は走ってみないと分からないところもあるが今日はまともなレース、グランプリ選手の貴子(千葉)に飛びついて差し切ってしまう脚があるのだから追走する分にはまず問題ない。
もっと前でやり合ってくれれば面白かったが逆転まではならず、スパッとキレるタイプではないのでこういう33の速い展開は不得手と思われるがまずは上々だ。
貴子は前を取って突っ張っていくのは得意な形、樹里を退けてからさらに美教に抵抗してかなり粘っている。
こちらも持久力タイプ、グランプリの奥井もそうだがヨーイドンになってしまうとあまりよくないのでそれをカバーすべく最初から前にいようという作戦だ。
樹里はレース運びがまだまだ、中途半端に消耗してしまった。
取手では完全優勝したようにスピード・瞬発力はいいものがあるが力を出し切れずに終わってしまうレースも多い。
12/29
松戸6Rガールズ予選2
①鈴木 樹里 116愛知△
②石井 貴子 104東京▲
③野口 諭実可 102大分
④藤谷 はるな 110茨城
⑤加瀬 加奈子 102新潟○
⑥関口 美穂 102埼玉
⑦成田 可菜絵 112大阪◎
間違いなく出入りが激しくなるので⑦成田の捲り一発に期待、お世辞にもレースが上手とは言えないし⑦番車でアテにはならないが脚力的には魅力がある。
一応初日強い内容の⑤加瀬が本線、好枠得た②貴子や①樹里も立ち回りひとつだ。
三連単
⑦→①②⑤
12/29
松戸7Rガールズ予選2
①鈴木 美教 112静岡◎
②出口 倫子 116長崎○
③島田 優里 108奈良
④中村 由香里 102東京△
⑤佐々木 恵理 110愛知
⑥篠崎 新純 102千葉▲
⑦菅田 賀子 104宮城
もちろん①美教、相手も普通なら⑥篠崎と④中村になるがここはひとつ間違えると両者とも③着以下がある。
それは美教が前を取った場合、その展開だと後方勢は明らかに厳しくなるので枠なりに追走できれば②出口が恵まれて流れ込みも。
①→④=⑥はおそらく配当的に絞って買うのでなければ意味がないのであえて嫌って美教が前受けから突っ張ってくれる展開に期待して出口の絡みを買ってみたい。
その場合はさらに極端に③島田の③着も入れておきたい。
三連単
①→②→③④⑥
①→④⑥→②
なお全員単騎というヤンググランプリについては割愛、どの選手もしっかり勝負してくれぐれも変な暴走だけはやめていただきたい。
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僧侶
松戸
6R:6関口を三着で手広く。
7R:3島田を三着で1鈴木と6篠崎の首位争い。
穴狙いなので怖がらずにどこまで買えるかですが。先に(苦笑)
よろしくお願いいたします。