今からもう10年前ぐらいの話になろうか。
いくつかの競輪場で「素人脚自慢」なるものが行われていて、我が地元の京王閣でもレースの合間に素人がバンクを走っていた。
私も一回ぐらいはやってみたかったが残念ながら縁がなくただ見ていただけ、その日は確か決勝みたいな感じだったと思う。
素人達がスタート、そしてそれからだいぶ遅れて一人の女性ライダーがスタートした。
どうなるのかなと見ていたがかなりあった差が瞬く間に詰まっていく。
素人達を軽く捲った女性が颯爽と①着でゴール、素人ではないのは明らかだがいったい何者なのか。
レースを終えて「お立ち台」に上がったその女性は
今やガールズケイリンのスーパースターである石井寛子選手(以下文中選手名敬称略)、私が最初に見た寛子のレースは素人相手だったのである(笑)。
その時はまだガールズケイリンのガの字もない状況、エキシビジョンは始まっていたかもしれないが日本では自転車競技自体がマイナーななかで特に女性が「自転車で食える」という環境はなかった。
寛子でさえ今では考えられないような扱い、私は地元にこんなすごい選手がいたのかと初めて知ったと同時に、素人相手のお遊びではなくもっと活躍できる場所がたくさんあればいいのになと思った。
時は流れ元号も変わり、今年8月には寛子の通算獲得賞金が1億円を突破したという。
2012年にスタートしたガールズケイリンは大成功、今ではトップクラスは軽く年に1000万円は稼いでそれでもグランプリに出られるかは分からない。
この数字自体は他の種目と比べてしまうと取り立てて驚くようなものではないかもしれない。
しかし文字通りゼロからのスタートで頑張ってきて通算1億とか年に1000万という選手が出てきたことはその数字以上に感慨深い。
最初に見た時は素人と走っていた寛子のような選手に活躍の場ができたのは本当によかったと思う。
すでに完全に定着したガールズケイリン、少なくともこれから選手を目指す人達にとってはそれなりに夢がある世界になってきたと思うし、更なる発展も十分に考えられる。
未だに一生懸命廃止を訴えている化石のような輩も少なくないようだが、どこからどう見ても明らかに成功しているものを廃止する理由がどこにあるのか。
個人の好き嫌いは自由だが現実を認識するべきだ。
それではガールズグランプリへ、予想の前に各選手の短評を掲載しておきたい。
12/28
立川11Rガールズグランプリ
①梅川 風子 112東京○
②小林 優香 106福岡◎
③児玉 碧衣 108福岡▲
④石井 寛子 104東京
⑤石井 貴子 106千葉△
⑥佐藤 水菜 114神奈川
⑦奥井 迪 106東京
①梅川 風子
昨年のグランプリはただ回ってきただけになってしまったが今年は大きく成長、捲り主体の勝てるレースを覚えてきた。
後半は逆に味をしめて見過ぎてしまうケースも散見されたがトータルの中身は濃い。
新設のフレッシュクイーンに加えて昨年は「勝ってしまった」印象のトライアルも今年は完璧なレースで児玉を撃破して連覇を達成した。
スピードとパワーが高いレベルで揃っておりバランスのいい選手、前回のような動きもできるのだから私が常々掲げているガールズの大レースを好走する条件に完全に合致している。
地元で絶好の①番車、奥井や佐藤水菜もいるので昨年のようなグダグダなレースにはならないだろうからチャンスは大きい。
②小林 優香
言わずと知れた「絶対女王」、五輪を目指してナショナルチーム入りしてからさらにパワーアップして身体も素人の私が見ても明らかに分かるぐらい引き締まってきた。
今年のガールズケイリンをリードしてきた児玉との同門対決は最大の見どころ、勝った方が「真の女王」となる。
瞬発力では児玉に譲るがスピードの持続力とパワーは飛び抜けた存在、踏み出しでは苦しいかなと思われる場面でも必ず伸びてくるし車群も全く気にしないのは車券を買っている側としては実に頼もしい。
もちろん有力、極端な瞬発力勝負になってしまうと立ち遅れる場面もあるかもしれないがこれが全く走らないのはちょっと考えづらい。
③児玉 碧衣
昨年のグランプリは勝つべくして勝ったレース、ついに念願の頂点に立った。
今年も大車輪の活躍でこのレースの結果に関わらずMVPはこの選手しかいない。
ただしここで連覇を達成できるかとなるとそう簡単ではなさそうだ。
はっきり申し上げて昨年は勝ってくださいの大凡戦、他の選手が児玉が動くまで待っているようなレースになってしまったが、奥井がいる今回は少なくともそのようなレースには絶対ならない。
このクラスのレースに関してはまともに仕掛けてしまった時は全て差されているのが現実、これは児玉でなくてもそうなるだろうし激流に巻き込まれずにいかに自慢の瞬発力を発揮できるかがカギとなる。
④石井 寛子
今年はドリームレースで児玉を撃破、先ほど書いたように通算獲得賞金も1億円を突破した。
とにかく自転車に乗っている姿そのものが実に絵になるし(今回は違うが)①番車がこれほど似合う選手もいない。
加瀬加奈子が「男道」ならこちらはいかにも女王様という雰囲気(笑)、初期のガールズケイリンにおいてその貢献度は絶大だ。
ダンプ加藤(恵)ら慕ってくる若い選手も多いようで、やはりその華麗な走りに憧れるのだろう。
トータルの数字はもちろん素晴らしいが課題は今回のようなメンバーでどう立ち回るか、ほとんどマッチレースのようなやる事が決まっているレースでは滅法強い一方で混戦になると尽く脆さを露呈している。
今年は一発勝負のドリームこそ制したがサマーナイトとトライアルは大惨敗、グランプリもドリームレースもサマーナイトも実際に勝っているのだから「勝負弱い」というのとは違うが、接近戦の揉まれ弱さというのはちょっと気になる。
⑤石井 貴子
今年はサマーナイトで優勝、逃げた梅川の番手から発進して見事児玉の捲りを退けた。
トライアルでは優香マークから肉薄、相変わらずこういう大舞台では頼りになる存在で普段の開催では予選で暴走気味のレースもあるが、決勝や大きなレースではいつもしっかり勝負してくる。
接近戦にも極めて強く何でもできるタイプ、しかしここは立ち回りがなかなか難しい。
これは寛子にも言えるがこういうレースでは基本的に追い込み主体、誰々の後ろにいれば大丈夫というレースならやる事はひとつで簡単だがそういうメンバーではないだけにセンスと一瞬の判断力が問われる。
児玉にしろ優香にしろまともに飛び出すのは考えにくく、ただこれらをマークするだけでは着はともかく勝ち切るとなると難しいので出方が注目される。
⑥佐藤 水菜
まず114期(ガールズ7期)生でこの舞台に立つこと自体が見事のひと言、大舞台でのヒットはなくても普段の開催でしっかり賞金を積み上げてきた。
普段のヨーイドンの瞬発力勝負が主流のガールズケイリンにおいてもちろんスピードもあるが持久力が勝ったちょっと異色とも言える存在で粘っこい競走をする。
そのため騙されてしまう選手が多数(笑)、一見手応えが怪しいので後ろの選手が先に仕掛けるとそこから踏みなおしたり、いったん捲られても実はまだ全然脚を使っていないので差し返して勝つようなレースも多い。
あとはスピードと瞬発力がトップクラスでどの程度通用するかだが、トライアルでもほとんど見せ場なく惨敗しているようにこのメンバーに入ってしまうとかなり苦しいと言わざるを得ない。
実績からはこのメンバーで強く推せる材料は乏しいが、かなりの消耗戦になれば浮上の余地もあるか。
⑦奥井 迪
ガールズ特別レースは総合力を問われる消耗戦が定番、その敷居の高さがあったのはこの選手が常にレースを支配してきたからだ。
ガラッと質が変わってしまった昨年のグランプリを見て改めてこの選手の存在の大きさを認識させられた。
今年は小林莉子との大激戦を制して僅差で最後のイスをゲット、再びこの舞台に戻ってきた。
地元で悲願の初タイトルがグランプリなら最高に絵になるが、やはりこのメンバーでまともに逃げて押し切るとなると難易度が高過ぎる。
普段の開催では駆け方も工夫したり捲りも併用するなど色々やってはいるが、捲りはモコモコという感じだしやはり先行した方が持ち味が生きるタイプでオーソドックスに主導権を取ってくると思われる。
同期の優香・貴子とともにガールズケイリンのレベルを飛躍的に上げた立役者の一人、それだけにこちらも何とかタイトルを獲らせてあげたい選手だが、今までのレースを見る限りここに入ると決め手不足でかなりうまく運べても勝ち切るシーンまでは考えづらい。
☆結論
やはり②優香の総合力を評価、消耗戦にしたい⑦奥井や⑥佐藤がそれなりのペースを作り出して昨年のようなヨーイドンだけのレースにはまずならないし、室内でスピードバンクの小倉から冬場の重い立川バンクに変わりより優香のパワーが生きるはずだ。
どんな展開からでも最後はグイグイ伸びてくるのがこの選手、久々に「指定席」の女王の座に就く。
相手筆頭は①梅川、こちらも何でもできそうだしそれなりに場数も踏んできて今ならここに入っても見劣りしない。
同格戦こそ枠利は生きるしうまく脚をためての一発まで期待の大本線とする。
③児玉はそもそも私が掲げる条件には合致していない選手、だから昨年のグランプリを除いてはこれまで一度も本命をつけていないはずだ。
機動力はもちろん最上位ランクだし今年の大活躍に敬意を表して印は回しておくが、またこれまでの傾向に戻ると見ているのだから連覇されたらゴメンナサイ、参りましたぐらいの気持ちでいる。
あとはやはり⑤貴子、サマーナイトはかなりうまくいった印象で正直ここで勝ち切るまではどうかと思っているが車券からははずせない。
前回のトライアルを見る限り買いたいのはここまで、これだけのメンバーなのだから③着以内と考えれば目移りして際限ないので割り切っていかないといけない。
三連単
②=①→③⑤
②→③→①⑤
②→⑤→①③
ここからは通常のガールズ開催、すっかり車券が当たらず死に体だ(笑)。
ついこないだまで絶好調だったなどと言ったところでこれでは誰も信じない(笑)。
まずはレース回顧から、今日は前橋と小倉で決勝が行われた。
前橋では太田美穂が今日も前受け、昨日美穂に突っ張られて惨敗した高木佑真が今日こそはと打鐘で一気に飛び出したが4番手になった美穂がこれをねじ伏せて完全優勝を飾った。
初手から美穂マークの小坂が②着、逃げた高木が③着に粘り込んだ。
美穂は三日間文句なしの内容で久々の完全V、今回のメンバーでは明らかに機動力上位の存在でここはしっかり勝っておきたかったが順当に結果を出した。
近況は上位陣不在の開催が続いたとはいえなかなかの好内容、レース運びに幅も出てきて来年はさらに期待したい。
小坂は相変わらずそつのない立ち回りでしっかり初手から美穂マーク、欲を言えば美穂が昨日同様突っ張ってくれればわずかながらチャンスもあったかもしれないが捲りに回られては差すまでは難しい。
高木は今日は何としても主導権という競走で大健闘、瞬発力はないがその代わり持久力はよく今日のように形を作れればかなり粘れる。
もったいなかったのは朋恵、初手で高木後位だったのに打鐘で高木が上がっていった時に併せて踏みこんだ奈良岡に入られてしまったのが余計で、前の奈良岡が発進しようとして高木に併された時にはもう美穂が横まで来ていたが奈良岡が邪魔になって何もできなかった。
結局美穂→小坂に完全に出られてから踏む形、最後は猛追も逃げた高木を捕らえられず④着に終わった。
今日は失敗だがこれはもう力をつけているのは明らか、またチャンスはあるだろう。
あと一般戦の日野未来は大喝!たまにいい脚を使うが今回は全くレースになっていなかった。
小倉では山口→高橋智香の3番手から内村が好回転で捲るも外並走からその後位を奪取した高橋梨香が見事に内村を差し切った。
内村は惜敗の②着、③着には伏兵の比嘉が入って三連系の車券は好配当になった。
梨香はレースの読みが冴えてしてやったりの快勝、山口が上がった時に一緒に上がらず内村一本に決め撃ったのがものの見事に決まった。
勝負所であっさり踏み勝ったのでさほど消耗せずに番手を確保、こうなれば決め手は鋭い。
普段のレース運びは酷評することも少なくないが今日に関しては恐れ入りましたとしか言いようがない。
内村は脚をためて勝負したがそもそも航続距離は短いタイプ、結果的にはあれでもまだ早かったわけで決め手ある梨香があっさり踏み勝って単独の番手になってしまったのも痛かった。
立ち回りは上手で裏開催クラスなら大きく崩れることはないだろうが力勝負に走るとやや線が細く感じる。
比嘉は踏み勝った梨香を追走、このところはややチグハグで今日は久々の決勝になったが確定板を確保した。
勝負圏内という意味ではもう少し前目で運べるようになると優勝争いもできるようになるだろう。
山口は二日目は見事だったがあれはうまくいきすぎた印象、捲りの方がいいタイプだろうしちょっとまともに駆けすぎた。
案外だったのは智香、山口の番手をスンナリ回ったが内村のスピードがよかったにせよ何もできなかった。
力をつけているのは間違いないが今回は①着の初日も含め最近のなかでは動きがやや重苦しく過信は禁物だった。
ガールズケイリンは松戸ナイターがスタート、昨年はグランプリを走っていた鈴木美教は真裏を走るのは悔しいだろう。
もちろんここは大本命だが出産から復帰して早くも大暴れの加瀬加奈子と前回豊橋でその加瀬を差し切って優勝を飾った中村由香里のレジェンドコンビや33得意で地元の篠崎新純もいて油断はできない。
12/28
松戸6Rガールズ予選1
①関口 美穂 102埼玉△
②野口 諭実可 102大分
③加瀬 加奈子 102新潟○
④篠崎 新純 102千葉◎
⑤中村 由香里 102東京▲
⑥島田 優里 108奈良
⑦出口 倫子 116長崎
102期(ガールズ1期)生ばかりのレース(笑)、年々飛躍的にレベルが上がっていくなかでどんどん生存競争も激化していくが、さすがにそれを乗り越えてきた1期生は軒並みレースは上手だ。
④篠崎は今年3回優勝、なかでも武雄で山原さくらと児玉をまとめて面倒見てしまったのは驚いた。
前々のレースが基本なので元々33は大得意、依然決め手は課題だが今年は①着も増えており、最後に地元でもう1回優勝を追加したい。
③加瀬はもう凄いのひと言、出産から復帰してさすがに当初こそ重苦しかったがここへきて迫力を取り戻しつつある。
向日町で復帰後初優勝を飾ると続く西武園→豊橋でも存在感十分の走り、また先行が増えてきているのだから恐れ入る。
この選手の生き様そのものが後に続く選手達にとってどれほど心強いか、この選手もやはりスーパースターだ。
⑤中村も豊橋で加瀬の先行から久々の優勝、まるで加瀬に元気をもらったかのようで初期からのファンには胸熱の展開になった。
こちらもまだまだ健在、相変わらずレース巧者で実にしぶとい。
三つ巴だがここは地の利と33向きの俊敏な立ち回りができる篠崎中心、あとは篠崎が前受けすれば恵まれそうな①関口を押さえる。
三連単
④→③⑤→①③⑤
12/28
松戸7Rガールズ予選1
①成田 可菜絵 112大阪○
②菅田 賀子 104宮城
③藤谷 はるな 110茨城
④鈴木 樹里 116愛知▲
⑤石井 貴子 104東京△
⑥佐々木 恵理 110愛知
⑦鈴木 美教 112静岡◎
グランプリに連続出場はならなかった⑦美教だがその後はきっちり6連勝、前回高知では売り出し中の吉岡詩織を一蹴して格の違いを見せつけた。
今回も負けられない組み合わせ、完全優勝がノルマだろう。
相手はまず①成田、脚力という点ではかなりいいものがあり、貴子(千葉)に予選で連勝するなどいつ優勝しても驚かないレベルにある。
しかしいかんせんレース運びは下手、日替わり弁当で先行したかと思えば次の日は後方から追い込みというようになかなかスタイルも固まってこない。
それでももうこのところはずっと決勝に乗っているのだから能力は確か、秘かにずっと期待していた1車で来年は必ず優勝すると思う。
新鋭④樹里は取手で完全Vの初優勝、予選で連勝した和歌山もその取手もかなり相手が軽かったのは否めないがようやく慣れてきて真価を発揮しつつある。
あとは⑤貴子(東京)が久々の前走取手で初日こそ⑦着と叩いたが後は③①着とまずまず、33向きの機動力もあるし上積みに期待していい。
三連単
⑦→①=④⑤
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僧侶
ガールズグランプリは5お貴さんに期待してみます。
三連単 5-2,3-2,3,1,4。
松戸
6R:1関口を三着で。
三連単 4-2,5-1。
7R:3藤谷はるなを三着で。
三連単 7-1,4-3。
よろしくお願いいたします。