皆様、おはようございます。

今日のコラムは２部構成。まず最初に、昨日行われたSGオールスターオートレース優勝戦を振り返ってみたいと思います。


[2017.05.03]　川口
SGオールスター・最終日
【12Ｒ】優勝戦（枠番選択）　5100m（10周）
良
△①高橋貢（伊）０　3.30
▲②永井大（川）０　3.29
○③松尾啓（山）０　3.29
　④新井恵（伊）０　3.34
注⑤青山周（伊）０　3.30
　⑥佐藤貴（浜）０　3.33
　⑦荒尾聡（飯）０　3.31
◎⑧鈴木圭（浜）０　3.28

＜VTR＞
トップスタートは中枠から⑤。内で①が続き、外から⑥、内に②が続いて２角へ。その後に続く⑦がやや外目に振られたのを見て⑧がその内へ潜る。後方は③④だが差は無い。１周BSでは、⑤①（②・⑥）⑧⑦③④の順。
１周４角で①が⑤の内に入り、２周１角では先頭を奪い取るも、２角立ち上がりから３角突っ込みにかけて再度⑤が①の内を突いて再逆転。その後②が３番手、⑧も４番手に浮上し、⑥が後退する。２周３角では③も⑥の内を突いて５番手に浮上する。
３周１角では⑧が②の内を突き、３番手に浮上。これに③も続く。その③は３周３角では②を逆転、更に⑧の内まで伸び掛け、４周１角ではこれを捌き逆転の３番手。４周BSでは←⑤①③⑧②⑦⑥④の態勢となる。
更に③は４周４角で①の内を突いて逆転、２番手まで車を押し上げ、アタマをも狙う勢いで追撃態勢に入る。後方では５周１～２角で⑦が②を逆転し５番手に浮上、②が完全にＶ戦線から脱落する。
中盤戦は③が機力活かして前を行く⑤に対し外から競りかけるも、⑤がコースを外さず抵抗。７周１角で⑧が①の内を突いて３番手に浮上する。
外々を使って捲りに行く③が⑤を捲り切れぬ間、空いた内を⑧が突き、８周１角でこれを逆転。一瞬、先頭・⑤青山周、２番手・⑧鈴木圭という、昨秋の全日本選抜（川口ナイター）そして昨年末のSS王座戦と同じ態勢となる。
しかし続く８周２角で⑤が少し流れたところを間髪入れずに⑧が切り返し先頭浮上。③も続いて⑤の内に潜り仕掛けるも、これは押さえ切る。
その後は、⑤が③を最後まで押さえ切り２番手確保。それを尻目に、堂々たる残り２周の逃走、⑧が前人未踏のSG４連続Ｖを成し遂げた。
⑧鈴木圭－⑤青山周－③松尾啓で決着。
上がりタイムは3.378。
２単：⑧－⑤　1,800円
３単：⑧－⑤－③　9,630円

＜総評＞
⑧鈴木圭にとって理想の展開は、大外からのカマシスタート決めて前団に取り付き、早めに抜け出す事・・・そのための「選択順１位としては前代未聞の」８枠選択であったわけですが、現実はそこまで甘くありませんでした。一応５番手の位置は確保したものの、そこからは捌きの腕を試される追い込みレースとなりました。機力で勝る③松尾啓に一度捌かれるシーンも有り、決して楽なレースでは無かったはずです。
それでも、自身の機力を信じ、腕を信じ、経験を信じて挑んだ10周回。これだけの歴戦の強者を相手に、キッチリ捌いて追い込んで掴んだ勝利だけに、この経験さえ更なる糧になり、いよいよ次回SG（8/11～15に伊勢崎ナイターで行われるSGオートレースグランプリ）で、５連続Ｖ・・・それは同時にSGグランドスラムをも意味します・・・に挑みます。

逆にこのレースで一番悔いが残ったのは③松尾啓でしょう。序盤戦、⑧鈴木圭よりも後ろの位置取りから、自身最高の仕上がりと言う機力を武器に攻め上げ、⑧鈴木圭をも逆転し、一時は⑤青山周に続く２番手。勢いそのものは、いつアタマに立ってもおかしくない状況でしたが、この⑤青山周をどう捌くか・・・選んだのは「外捲り」でした。⑤青山周がコースを外さずに周回していた事もあったかもしれませんが、結果的にはこれが裏目に出てしまいます。捲ろうにも捲り切れず、しかもそこでタイヤを酷使する事になり、そうこうしているうちに、空いた内を⑧鈴木圭に突かれ再逆転を許し、これが終盤戦に効いて来てしまったように思います。
レース後のコメントからも、ここが勝負の分かれ目であったという事が読み取れます。機力は最高であったが、常にSG戦線で上位を形成している選手との差、人間の方がまだまだであったと・・・。とは言え、これもまた大きな経験となるでしょう。近年、ビッグレースの優勝戦で時々見られるような、ロング展開の単調なレースにならず、後方からの追い込みで順位変動も激しかった今回の優勝戦。それを演出した、確実に今回の優勝戦を盛り上げた１車である事は間違い有りません。

年頭からスランプに陥り、レース前の評価は決して高くなかった⑤青山周。この優勝戦が、再び自信を取り戻すきっかけになるのではないかと感じさせた１車です。自慢のスタート速攻が鮮やかに決まり、トップスタート。序盤、①高橋貢に逆転される場面がありましたが、すぐ半周後には冷静にこれを捌き返し、あとはコースを守りながら豪快な逃げを披露。これもまた、８周２角で少し流れたところで相手にチャンスを渡してしまった格好となりますが、再びのSG制覇も十分狙える事を証明してくれたと思います。

・・・そして、やはりこの男は、この若武者は、これからのオートレース業界を担う、唯一無二の存在でした。前代未聞の８枠選択に始まり、諸先輩の必死の抵抗を、決してスムーズでは無かったものの掻い潜り、掴んだ４つめの頂上タイトル。正直、文句のつけようが有りません。逆に、理想通りにスタートだけである程度好位置につけ、序盤でアタマに立って後はハイペースで千切るのみ、というレースであったら、「混戦になった場合にちゃんと勝てるのか」等、見えない不安が（自身にも、車券を買う側にも）残っていたかもしれませんが、決して楽な展開では無い中でも冷静に対処し、10周回をキッチリ使って掴んだ勝利・・・これで掴んだ自信の度合いは計り知れません。

改めて申し上げます。これからも、オートレース業界はこの男を中心に回る事になるでしょう。それでも、その包囲網は一段と大きくなっていきます。この勢いを誰が止めるのか、興味は尽きません。今回は優出を逸しましたが、浦田信も居ます。中村雅も居ます。木村武も、そして今は欠場を余儀なくされている金子大も居ます。今後も、胸を熱くさせる戦いが繰り広げられていく事になるでしょう。



・・・そして、その興奮冷めやらぬ今日から、伊勢崎・浜松の２場にてそれぞれ４日間の普通開催がスタートします。SG明けて翌日の開催ですので、共にＳ級不在。絶対的な存在が居ない中、車券戦略もなかなか難しいところですが、今日からは、後半に現地参戦予定を控えている私の準地元・浜松開催にフォーカスを当て、また連日何らかのレースを展望するコラムを展開してみたいと思います。

まず初日は、最終12Ｒの前予想で、皆様のご機嫌を伺います。

年に一度の大祭真っ只中の現地・浜松地方は１日晴天の予報。という事で今日は、良走路想定の予想とします。


＜ハンデｍの後の印＞
　△：今節よりハンデ10ｍ軽化
　▼：今節よりハンデ10ｍ重化


[2017.05.04]　浜松
普通開催・初日
【12Ｒ】予選　　3100m（６周）
良
　①森下剛（浜）０
◎②橋本優（浜）10
△③岡本信（山）20△
注④青嶋裕（浜）20
○⑤川端孝（飯）20△
　⑥吉田幸（川）30▼
　⑦畑吉広（山）30
▲⑧柴田健（浜）30△

今節はハンデ変動が多数あり、それも重要な予想ファクターになりそう。
立場的にはシリーズリーダーであり、本来であれば中心視されるべき存在である⑧柴田健は、試走から他を圧倒する動きを見せたとしても、レースになると捌きにやや不安が有り、ここも抜け出してくるまでに時間はかかりそう。特に、内枠に⑥吉田幸、⑦畑吉広というスタート巧者（但し前を捌いて行くスピードはそれほど無い）が居並ぶ布陣であり、おそらくスタートは枠なり、そこから基本的に捲り主体のレースになると見ているが、その場合はとにかく「外からでも捲り切れるほど」の機力差が必要で、まずは試走の出来・タイム差に注目する必要が有る。一応届くかも、という想定を踏まえての３番手評価とした。
となると注目は軽ハン勢、但し本走3.50を切れていない状況の①森下剛ではややタイムが足りず、特に近況このハンデレベルの中では動き良い②橋本優が後ろに構えているだけに、早めの攻めを喰らう可能性が有る。
という事で、その②橋本優を中心に、10～20ｍの中ハンデ勢にびっしりと印を回してみる。

＜良走路＞
本線（３単）：２－５８－３４５８
押え（２単）：５－２８
一応（２単）：８－２５


以上です。
本日も、少しでも車券のお役に立てれば・・・と思います。