準決最後の第十二競走、私はどうも小松崎大地の競輪が苦手で、佐藤慎太郎から抜けを買って見ていた。車券はまったくのワヤなのだが、強烈カマシの深谷知広の後ろをドカして、小松崎ときめちゃうシンタロウには脱帽、間違いなく漢字の競輪の代表格である。
さて、決勝の面子と並びが判明した時点で小生のくたびれ気味の脳がゆるゆると作動しはじめた。「単騎の稲川翔」「岸和田競輪」「松浦悠士」「番手捲り」……。切れ切れのことばがポツン、ポツンと浮かんだり消えたりしながら繋がろうとしている。
そうだ。最近まるで記憶に自信のない初老の私だが、まだ今年のことなのでぎりぎり憶えていた。
一月、岸和田記念in和歌山競輪場、その決勝は才迫開-松浦悠士でブン回しの気配(広島-広島だ!)、もちろん本命は松浦だ。「地元」の稲川翔は孤軍の闘いを強いられ、コメントは「単騎」。が、本番は初手からずうっと広島両者の後ろに居た。レースは大方の予想どおり松浦の番手捲り、ピタリ追走(四角では別線を張る仕事も見せた)の稲川も直線で猛然と詰めたが……。
メンバーは異なるし、更に舞台も特別競輪と別物ではあるが、私の第一感は(似ているなぁ――)だった。
【岸和田高松宮記念杯決勝】申し訳ないが、それ以外の推理をする気が失せた。些末な記憶を辿り大発見でもした気分になってる愚者一人。
松浦悠士-清水裕友の後ろは単騎の稲川翔と決め打ち、ズブズブ若しくは番手捲りの⑦①を買います。
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