明日から始まる伊東は周年記念ではなく、施設整備等協賛競輪なる冠がつくGⅢである。数日をおかずに大レースがはじまることもあり、メンバーが少々、いやだいぶ小粒なのは致し方ないことだろう。賞金も平常の記念競輪よりはやや安いけど、それでもFⅠ優勝三回分に近い額が支給されるのだし、それよりなにより、いつもの記念レースで対戦する、こりゃ敵わんという選手がごそっと抜けている開催なのだから、みな目の色も変わろうというものだ。
つい二時間前に走った名古屋の第五レースは五人対二人の二分戦だった。赤板で支線の二人が申しわけ程度に上昇するも、すぐにあきらめ、戻って、あとはずうっと一本棒、並んだまんまのゴールだった。見た目だれも前を抜いていないのが視認できた。わたしは妙におかしくてくすり笑った。ま、これも競輪だ。本線を打った人はさぞかし安心して見ていられたことだろう、などと書いてはいけない。やっぱり車券は、どんなに「できた」と思ってもゴールするまで、いや確定するまで心配は尽きないから。
何も起こらない七車立を見たせいもあるのかしら、多少メンバーがわるかろうと、九車立が十二個の伊東GⅢにぐっと楽しみをおぼえるわたしである。
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