皆様、改めまして、おはようございます。
仕事の関係で現在は東京に住んでいる私ですが、生まれや育ちは静岡県。そして、今やライフワークとも言えるオートレースとの出会いは、浜松オートレース場という事になります。
1998年、当時浜松市内の大学に通っていた私が、眠い目こすりながら受けていた昼間の講義中、約30分おきに聞こえてくる爆音の何かに気になり始め、友人と誘い合って向かったのが、浜松オートレース場でした。
それ以降、静岡県内の企業に就職し、社会人になってからも通い続け、その中から生まれた観戦仲間と車券を買っては一喜一憂する日々の中で、1人の選手を追い続ける事になっていきます。
その選手は、諸先輩や同期、果ては後輩までが続々とその職を辞していく中、そして自身の体力や成績に陰りが見えていく中でも、決して諦めず、齢七十を優に超えた今でも現役を貫き通しています。
元々は、度々穴券を提供してくれる車券の相性の良さから好きになり、追いかけ始めましたが、今では別次元の・・・人間的な部分に大いなる尊敬の念へと変わりつつあります。
『おらが地元のココがチャンピオン!』・・・胸を張って言いたい、浜松オートが誇る公営競技最高齢現役選手、谷口武彦大先生です。
公営競技最高齢勝利(1着)選手の記録更新について囁かれるようになった此処数年、TVを含め各種メディアにも取り上げられるようになり、その人となりについては、普段オートレースを見ていない人にも認識されるようになってきたと思います。
常に危険と隣り合わせ、命を張っている・・・そのような感じを決して外に見せる事無く、常にマイペース。愛車の後ろに付けられた「もみじマーク」含め、屈託のない笑顔、その愛くるしさがグッと胸に来ます。谷口武彦大先生・・・というよりは、私や家内も含め、レース観戦仲間との間では、敬愛の念も込めて「じぃじ」と呼ばせて頂いております。
浜松オート2017年の開幕戦となった、1月13日。
昨年6月の落車(左足骨折)によりしばらく戦列を離れていた「じぃじ」が、半年ぶりにバンクに戻ってきました。
3日間開催で、最終日の良走路こそ試走3.4秒台まで持って行きましたが、本走では3.6秒を切れず、初日・最終日の良走路では共に8着。さすがにこのレベルでは、何がどうなろうと車券云々言える状況ではありませんが、無事に節間を走り切りました。
度々メディアでも口にする格言、「無事是名馬」を体現し、開催の無い日にも筋トレに精を出しています。
危険な落車にも耐えてきた鋼鉄の肉体は、とても、今年11月に御年76を迎えるとは思えません。
・・・しかし、それをレース場で見られるのも、もしかしたらあと僅か、なのかもしれません。
現在、筑波の養成所では、今年7月予定のデビューを目指して33期生が訓練を続けていますが・・・オートレース業界では、新人のデビューに伴って、新陳代謝制度による成績下位選手への引退勧告が行われる事になります。
ここしばらく、2級車(新人)を除き、ハンデの幅は最大40mに固定されていました(どんなに成績が悪い選手でも、最大で主力の40m前が限度であった)が、この1月から「じぃじ」を含む成績下位の何人かが、10m更に軽化し、主力の50m前のハンデに置かれるようになりました。
(これは全くウラが取れていないので、あくまで個人の感覚でしか無いのですが・・・)この措置が、引退勧告への布石のひとつになっているのではないか・・・という気がしてならないのです。
1966(昭和41)年、第4期生としてデビューして以来、半世紀(!)もの間、オートレーサーとして活躍してきた「じぃじ」ですが、実はまだ「チャンピオン」になった事が有りません。築き上げてきた1着の数は、今日現在で実に「627」に上るのですが、「優勝」の2文字に辿り着いた事は(おそらく勝ち上がり制度発足以降の記録上)只の一度も無いのです。そして・・・恐らくはもう・・・そこに辿り着く事は無いでしょう。
ただ、とにかくオートレースが好きで、これまでも落車による身の危険を負いながらも不死鳥の如くバンクに戻ってきた「じぃじ」。ご自身が納得のいく引き際を迎えるまで、とにかく「無事是名馬」を貫き通して欲しいと願って止みません。
そして・・・これまで何度も何度も穴券を提供してくれて、車券相性がホントに良かった(それで好きになった)選手なのですが・・・あくまで「ギャンブルの駒」という側面に徹すれば、もはや「車券の対象ではない」という考え方にしか行き着きません。唯でさえ体力の衰えは否めず、更にはオートレースで最も重要な左足の骨折明けという御身。何かしらの周りのアクシデントが無ければ車券には絡まないでしょう・・・。
だからこそ、この選手だけは「別次元」の・・・人間的な部分への大いなる尊敬の念であり、車券度外視で、とにかく懸命に走り続けるその姿を、可能な限り見ていたいという次元での「応援」となるのです。
そして、成績度外視だからこそ逆に胸を張って言える、「じぃじ」こそ、浜松オートが誇る「無事是名馬」のチャンピオンなのだと、私は思っています。
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浜松オートが誇る「無事是名馬」のチャンピオン!
2017/01/22 9:34 閲覧数(2753)募集テーマ:飯塚キャンペーンコラボ!『おらが地元のココがチャンピオン!』
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