琵琶湖宮杯の決勝に乗った関谷敏彦(58期・山口)はスターで、取材の輪の外から遠巻きに話を聞こうとする新米記者の俺はダストだった。
その関谷が大怪我をして二年間バンクを去り、奇跡の復帰を遂げてから更に数年後の話である。
スペインに行きたいのに行けないカップルが選んだチープな旅行が伊勢志摩スペイン村だった。その二泊三日の最後の朝、近鉄の駅の売店で買ったスポーツ新聞の競輪欄を読みながら俺は興奮して言った。松阪に関谷が乗っている! 連れ合いは不思議な顔をして此方を見たが、ちょっとだけ寄っていいだろう、一レース見るだけだから。半ば強制して帰りの旅程を変えた。車中で俺は彼女に関谷敏彦がどのくらい凄かったかを喋り続けたが、通じたかどうか。最寄駅を降りガラガラの無料バスに乗って競輪場に着いたのは関谷が走る五分前だった。普通開催の第九競走、A級の準決勝だったと思う。まだ関谷が先行で通していたか、もう自在っぽくなっていたかは忘れた。決勝には進んだと思うが車券を払い戻した記憶がないから、一着じゃなかったか、それとも俺が相手を間違えたか。慌ただしく車券を買い金網越しにレースを見、すぐまた無料バスで引き返す。何とも不思議な小一時間だった。最後部の座席で車窓を見やり黙る俺に、彼女は少し戸惑ったかもしれない。良い映画を観た後の暫く喋りたくない気分に似る妙な感慨があった。
四日市記念なのに松阪競輪場の話になったが、おなじ三重県だし御容赦を。
四日市記念競輪・三日目
〈第九競走〉大昔の雨中の立川ダービー決勝、海田和-大竹慎で的中!と喜んだら二着失格で俺はどん底に落ちた。一本人気の根田空-鈴木誠に「その」大竹慎を絡ませ①②⑤の三連単。
〈第十競走〉金子貴-坂口晃で番手捲りと読む。似た様な構成で藤田竜が三着を拾うのを見た記憶があり①⑦⑤の三連単。
〈第十一競走〉浅井康と柴崎淳は西徹のことまでは気にしていられない! 三着には並びより別線だが誰にしよう? まだ足りないかもしれないが小田倉勇の意外性を買って①⑤⑧の三連単。
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