皆様、おはようございます。

2015年もあっという間に暮れ行こうとしています。いよいよ明日より、スーパースターフェスタ開幕となり、シリーズ戦含め大晦日までの５日間、メッカ川口で激しい戦いが繰り広げられます。

さて、今日のコラムのテーマですが、おそらく１年で最も客足が多いと思われる大晦日の川口オート・スーパースター王座決定戦当日、オートレース観戦デビューされる方を対象に、私の経験を基に、オートレース観戦ガイドなるものをご紹介してみたいと思います。昨年もちょうどSSフェスタ開幕前日の12/26にアップした記事を、2015年版として再編集したものになります。
今年もあくまで「Kazz流」ですので、一部私見にまみれた部分もあるかもしれませんが、その点はご容赦ください。

まず、現地への行き方です。これは、自家用車が良いか、公共交通機関か良いか、という事ですが、川口に関しては後者かな、と思っています。自家用車でも行けない事はないですが、日の出前から第30回スーパースター駐車場争奪戦が展開される可能性が否定できません。川口オートレース場の公式サイトによれば、王座戦当日は、第１駐車場の朝６時40分開場を皮切りに、軒並み７時台の開場、となればそれに合わせて早朝からのご出勤のファンも自ずと増えるわけで、逆算してかなり早い時間から出発しなければならないと思われます。また、レース終了後も周辺道路は大混雑が予想されますので、個人的にはやはり公共交通機関がお勧めかな・・・と考えております。
公共交通機関を利用する場合、私はいつも西川口駅から無料バスを利用しています。無料バスと言うと、あまり本数が無いようなイメージもあるかもしれませんが、西川口からレース場に向かう無料バスはかなり充実しています。朝の時間帯であれば、仮に乗り遅れてしまってもすぐに次のバスが来るぐらいの勢いです（５～10分位の間隔）。全国のオートレース場（６場）の中でも、ここまで無料バスの本数があるのは川口くらいです。街を挙げてのサービスですので、是非享受したいところです。
バスの乗り場は、西川口駅東口から伸びている前の道を少し行った左側です。・・・と、なかなか場所を言葉で表すのは難しいのですが、大丈夫です。１Ｒ前の時間帯とかであれば、確実にバス待ちの列が出来ています。スーパースター当日ともなると、その列はかなり伸びて、パチンコ屋の前をぐるっと回り、小さな横断歩道を越え、西川口が誇る"Japanese Standing Bar"「やきとり次郎」（要は立ち飲み居酒屋）の前あたりまで伸びていると思われます。・・・と昨年のコラムには書きましたが、時間帯によってはそこまででは無いかもしれません。ただ、もしかしたら指定席発売開始時間である８時～開門（９時）あたりは、本数も若干少ない上、指定席争奪戦に参戦するファンの皆さんによる長蛇の列が出来ているかもしれません（近年私は、最初から指定席は諦めており、１Ｒの試走に間に合えばいいか・・・ぐらいの時間設定のため、バス待ちのピークは過ぎているものと推測しています）。
なお、このバス待ちの列のところで予想紙を購入する事も出来ます。新聞やらペンやらいろいろなものを売り歩いている方が居ると思います。現在売られているのは「ニュース」「タイムス」「研究」の３紙。このうち、「研究」は一般的に玄人好みの印象で、他の２紙には無いような、玄人が好きそうなデータが掲載されていたりしています。それはあくまでもう少し経験を積まれてからというところで、とりあえずオートレース観戦デビューという意味でしたら、先の２紙、このうち「見やすさ」を取るのでしたら、個人的には「ニュース」がオススメです。以前は、「ニュース」の方が見にくかったので（近況成績のうち、試走だけが別枠で載っていたという紙面構成だったので）ずっと「タイムス」を買っていたのですが、最近は予想に必要なデータが全て同じところに書かれるようになり、むしろ「ニュース」の方が見やすくなったかな、と思っていて、最近はそちらにシフトしています。

さて、バスに乗り込んだら、ものの10分程度でレース場に到着です。その間、周囲のオートレースプロのおじさま方の会話にそっと耳を傾けてみるのも、知識を植え付ける為にはいいかもしれません。ただ、その会話の半分以上が「昨日の○○、あれはひどかったよなぁ」とか「あのレースの配当は取れねぇわ」とか、朝から前日の愚痴大会と化している事が多く、植え付けるような知識の種すら得ぬまま、レース場に到着してしまうかもしれません。
レース場に着いたら、早速中に入りましょう（開門していたら）。現在は入場無料です。そのまま進んで、まずはやはりバンクのところまで出てみましょう。１Ｒ前の時間帯であれば、もしかしたら朝練習を見る事が出来るかもしれません。朝練習をやっているかどうかは、おそらくバスを降りた時点で分かります。爆音がこだましていれば、「あ、練習やってるな」という感じです。
朝練習は、思い思いに走っているため、まずは「あ、こんなコース取りで走るんだ」とか「コーナーではこんなに内側にバイクを傾けるんだ」というような感想を持たれるかと思います。運が良ければ、２車による抜きつ抜かれつの練習走行を見る事も出来ます。

大晦日ともなれば、やはり指定席を取って暖かいところで・・・という思いもあるかと思いますが、オートレースの魅力の１つは音とスピード、まずはそれを間近で体験して頂くのが一番かな、と思っております。そもそも指定席を取るためには早朝から来ないと厳しいという面もありますが、是非金網付近で観戦して頂くのが良いと考えています。服装には十分留意の上、寒くない格好でお越し頂ければと思います。

さて・・・そうこうしているうちに１Ｒが始まります。まずは、そのレースに出走する８選手が順番に走路に出てきます。選手紹介、および試走です。まず１周目はゆっくり観客側を走り、２周目に足慣らしをして、ゴール線の前で青旗が振られる３周目が試走となります。試走は、全力疾走が義務付けられています。ここで１周のタイムを計測します。それが終わると、選手たちは走路内にある待機所に向かいます。但し、この後もう１回試走に出ていく選手が居るかもしれません。これが「再試走」と呼ばれるものです。再試走を行う条件は２つのパターンがあり、近況の成績と比較しても著しく悪いので、もう１回行って来いと言われるパターンと、選手当人から「今のはちょっと納得いかないんで、もう１回やらせてください」と言うパターン（本人申し出）があります。再試走は、１回目の試走よりも改善されていなければならず、逆に悪くなってしまった場合は欠車（発走除外）となります。前売りで買ってしまった場合でも、欠車となった選手絡みの車券は払い戻しになります（当該レース確定後）。
さて、しばらく待っていると、「試走タイム」というものが発表されます。これは先ほどの試走時のタイムで、１周（500ｍ）の計測タイムを５で割った値、即ち100ｍの平均タイムが発表されます。例えば「3.40」であれば、100ｍ平均で3秒40、つまり１周を17秒ちょうどで走った事になります。全く濡れていない良走路であれば、この時期、上位選手であれば「3.40」ではむしろ遅い部類に入ります。王座決定戦メンバーであれば3.2秒台が出る事も少なくありません。「3.29」とかだと、かなり速い、という感じです。だいたい、上位選手は3.3秒台になる事が多いです。
なお、レースの時にもタイムを計測しており、それは「上がりタイム」という言い方で、出走表や予想紙に掲載されます。これも同じ考え方で、「100ｍの平均タイム」となります。試走タイムが小数点以下２桁までなのに対し、上がりタイムは３桁まで細かく発表されます。レースは一般的に６周回、3100ｍで行われます（記念の優勝戦やSGの準決勝は８周回、SGの優勝戦は10周回）。たいてい良走路であれば、６周回のレースタイムは１分45秒前後となりますが、０ｍからスタートする選手に関しては、その時間を31で割れば、上がりタイムが算出できます。（10ｍからスタートする選手については、31.1で割ります。）
実は、この「上がりタイム」の存在によって、先ほどの「試走タイム」が意味を持ってきます。全力疾走である事を示す指針として、「試走タイム」はそのレースの「上がりタイム」を上回っていなければなりません。１車ずつ単独で走る試走の方が、抜きつ抜かれつやるレースよりもタイムが良くなるのは当然ですので、逆に試走の方が悪かったとしたら「試走を全力でやっていなかった」と見なされ、レース後に罰則が付けられます（但しレースはその順位で確定する）。もちろんこの考え方は良走路のみに適用されます（雨絡みの走路の場合は、試走とレース時で走路の状態が変わっている可能性があるため、適用できない）。

さて、その試走タイムを参考にしつつ、近況の成績なんかも加味しながら、買い目を決めていきますが、オートレースの特徴としては、やはりハンデが付いているという事、これが予想にも影響していきます。あくまでハンデは普段の成績によって付けられた選手のランクによって決まりますので、普段は良いんだけど今節は調子が悪い、というような選手は、そのハンデがマイナスに働きますし、その逆（ハンデ軽いけど調子が良い）ならプラスに働きます。その点も見極めつつ、車券を予想します。
スーパースター当日は、やはり客足も良く、車券の発売所は割と長蛇の列になったりします（特に昼過ぎから）。なかなか難しいですが、早めの決断と早めの購入がお勧めです。

そして締め切られると、レースを迎えます。川口は、発売締切からレースの発走までが極端に短い（というか締め切ったのと同時に選手が走路上に出てくる）事で有名で、それもあってやはり余裕を持った購入が必要になります。発売締切ギリギリでようやく買えたかと思ったらもうレースが始まってしまいますので、バタバタになってしまい、なかなかレースを楽しめません。
レースが終わると、そこで勝者と敗者が生まれるわけですが、そのうちすぐに次のレースの試走が始まります。負けても落胆している暇はありません。もう次、次と頭を切り替えていきましょう。

・・・で、そうしているうちに、あっという間にスーパースター王座決定戦となります。今年はどんな熱戦になるのでしょうか。昨年の王座戦は、周回ごとに順位が入れ替わる、近年稀にみる大熱戦でした。どんなレースになるのか、それはまだ私にも分かりません。これから５日間、トライアルからの戦いをフォローしていく中で、最終日の朝、予想をアップしたいと思っております。

明日からは、いよいよトライアル戦の前予想コラムに入っていきます。