南船橋駅のプラット・フォームの椅子に「サテライト船橋」の広告があった。船橋競馬場に仲間と連れ立って一度だけ行った記憶があるのだが、誰とだったのかはっきりしない。ともかくまだサテライト船橋など隣接していない大昔の船橋競馬場だ。
　松戸競輪の前検日の取材を手早くやっつけ（当時は全レース・インタビュー掲載など欠片もなく、まあァ日本一楽な半日仕事だった）駆けつけた、「船橋オート」はすでになく、夏場に行き翌日風邪を貰った人工スキー場の「ザウス」もとっくに閉鎖されている。記者席で会うとすぐに「船橋オートやってるけど間に合うかな――」と笑顔を向けたＹさんは元気にしているだろうか。ふと唯一残った船橋競馬場を再訪してみたい誘惑が起こったが……。
　二俣新町、市川塩浜、新浦安――、京葉線の車窓からは冷蔵会社の倉庫や流通大手のトラック基地が見えた。舞浜駅を下車する人々の足取りはスキップ気味で軽やかに映る。
　ディズニー・リゾート・ラインのつり革はミッキー、施設内で食べた杏仁豆腐もミッキーを型取ったものだった。ファスト・パス方式を理解せず、足早に移動する体力もない俺は、待ち時間の少ない＝人気のないアトラクションでお茶を濁すしかない。そして合間合間の珈琲休憩には携帯電話で競輪の結果チェックなのだから、同伴者は呆れ顔である。
　一ヶ月ちょっと前の絵日記よりーー。