準決三番を軽くおさらい。
第十レース。郡司浩平-和田真久留の同県同期コンビは連携相性抜群。とくに最近はワンツー連発、和田が差す場面も何度か見ているけど、十秒九の超速捲りじゃあ抜けない。そういえば青森記念は郡司-和田でいい態勢になったが吉田拓矢が内からすくって優勝したのだった。「困ったときには内?」が染みついているわけじゃなかろうが、「空いてない」内側から三着の吉田は失格、柏野智典が繰り上がった。柏野は初日が松浦悠士、二日目は太田竜馬と目標に恵まれ、準決も島川将貴が果敢に逃げてくれた。つきがある、人徳もあるのかな。
第十一レース。森田優弥は覚悟の牽引役で、平原康多-神山拓弥に単騎の南修二が乗り、その後ろ五番手が新田祐大と太田竜馬の競りじゃあ……平原は番手捲りの必要もなかった。四角一気のズブズブで三着は横一線となったが、最後方から八番車が中割り気味に届いた、八番車って誰だったけ? 一瞬わからなかった。ああ、内藤秀久だ。いつも闘っているご褒美だなと祝し、また八番車の三着だ(九、十、十一と続いた)とつぶやき、十二レースの八番車を確認した。
この時点で神奈川三人、関東二人、あと柏野だ。
十二レース。松浦悠士の瞬時の判断、佐藤慎太郎の刹那の運行はやはり凄味が違う。ただただ感心して見ていた。直線でガチャンと音がして数人が落車、避けるように外側を来たのは八番車だった。前述したとおり事前に確認していたので武藤龍生だと知っていた。が、買ってはいない。というか佐藤も松浦も買っていないのだから話にならない。
これで神奈川三人、関東三人、中国二人となってシンタローがどうするか。
【共同通信社杯決勝戦】数日前、船橋法典駅から中山競馬場の正門まで歩いた。非開催日の平日に競馬場に用があると記せば、「払い戻しですか?」と真っ先に訊かれそうだが、忘れ物を取りに行くというなんとも冴えない理由である。車の往来がけっこう激しい国道の脇の歩道をてくてく。見覚えなどないのだが、四十数年前、競馬がはねて、車をよけるように暗い道を歩いた記憶がよみがえった。あの頃は街灯もすくなく、ちょっと道を入れば砂利道ばかりだった。ちゃんと区切られた歩行者道路ではなかった気がする。船橋法典駅などまだあるはずもなく、どこに向かって歩いていたのか。うんと遠い駐車場に車をとめていたのかもしれない。
競輪をやり始めたとき、競馬の枠連に慣れたていたから、枠単という車券にとまどったが、博打度が上がったような気もしてなんだか得意気だった。今やどちらの種目も三連単だ。時は流れた。
一、小田原記念決勝の郡司浩平は立ち遅れて二着がやっと。和田真久留はマークのまま三着だった。青森記念は前掲の通りで和田が先着こそしているが、ここも郡司はきれいに捲ったわけではない。二例から導かれる結論は、三度和田と一緒の決勝なら郡司は主導権にこだわる。神奈川トリオが展開を支配したときには佐藤慎太郎が乗っている画で、
⑤③⑦と⑤⑦③。
二、富山記念も岐阜記念も決勝が終わった瞬間に口から出た。やっぱり競輪は平原と松浦の表裏買ってればいいんだよ、と。
①②と②①。
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