新田祐大が車間を大きく空けながら中石湊を抜けなかった第七レースといい、松本貴治が車間を切って後ろを見い見い石原颯を抜けなかった第十レースといい、どちらも差しっぱぐれと言われても仕方のない所だろう。ま、そこに悪意があるはずもなく、差し損じは競輪につきものでもあるのだけれど、やっぱり大舞台の本命選手がやると嘆声も大きく響く。もちろん新田も松本も差せる気で残しにかけているのだろうが、中石も石原も日々成長の若者である。思ったよりも強かったというのはありうる話だ。
売り出し中の若手がもがきにもがいている。が、ゴール寸前すっと番手が差した。若手は顔をちょっと右に向け、差されたかあという表情をする、もしくはそう見える時がある。ガマンの車券を持っている私も、差されちゃうかあ、とぽつり口からこぼれる。若手と番手の優勢が何時の日か逆転するかも知れないししないかも知れない。
話を戻す。中石も石原も言うだろう、後ろのお陰で勝てました、と。もちろん謙虚にそう思うのはよろしい。だけど競輪は、「抜かせなかった」という厳然たる事実だけが濃く残り、先に繋がってゆくのだと私は思っている。
最終のドリームレースは郡司浩平が失格でお帰りとなった。
失格は即帰郷という規則になってからかなり経つと思うが、むかしは初日の特選で失格しても翌日の準決に乗れたから、そこから優勝という例も少なからずあった。「一着失格、一着、優勝」の裏ピンピンピン(表現が穏当ではないがご寛恕を)なんてのも見た記憶がある。たしかにあると思うのだけれども、もう遙かむかしの事だから自信は無い。
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