陽が射す走路に粉雪舞う広島競輪場に日が落ちる。
徳島-徳島の先行を徳島が捲り、広島-北海道が乗ったが北海道は蚊帳の外、その後ろにいた栃木の捲りがいいところまで迫った。
坂井洋の加速がすごかったから来ちゃったかもしれないと思ったが、結果は四分の一車輪だから大楽で松浦悠士が併せたと言えるのかしら。
つくづく持っている男だなあ――松浦には感服の至りである。
三十数年前、F先輩の「誘導」があやふやで、やっと到着した「お好み村」だったが、なんと改築中だった。
川沿いに建つ「リバーサイドホテル」に誰かが笑ったからみんな笑った。
百貨店から出てくる路線バス。そのバスに乗って行った宮島までがまぁ遠く感じたこと。手前の宮島競艇で降りようぜと言ったのは誰だったか。
市内の繁華街を歩く我らの頭には「仁義なき戦い」のテーマが流れていた。と書けばうそになるけど、そんな警戒心が解けた分、よく遊んだ。
広島での車券の記憶はほとんどないが、広島の街や道や川の景が薄らとだが頭の片隅に残っている。
あと数ヶ月で広島での生の競輪は当分お預けとなるらしい。地元ファンには寂しい限りだろう。
広島の比ではない雪が舞い散り人気の先行屋がばたばたになる、そんな久留米競輪場の中継を見ながら記す。
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