朝から外には白い雪が舞っている。適度に音量を絞ったスピーカーから細野晴臣の音楽を暖房の効いた部屋に流し、完全に音を消したテレビで競輪中継を見ているのだが、まともに車券を買っていないせいか、度々おこる睡魔に負けソファ上で“半寝落ち”をくりかえす。
バンク内でおこなわれたガールズ・コレクションを走る七人のインタビュー中継、おなじくウィナーズ・カップ出場九人の画をそれぞれ寝ぼけ気味に見ていた。この手の映像に必須ともおもえる「車番」「氏名」「県別」「期別」のテロップが皆無なのにものたりなさを感じる。ま、きっとインタビューアーの口から紹介はされているだろうから、消音観戦の変人が抱いた取るに足らない不満にすぎないものの、雑な制作である――が正直な感想だ。
福井G2ウィナーズ・カップの決勝は清水裕友がぶったたいて松浦悠士の番手捲りだった。
昨日の当欄に掲載した拙文より「◎松浦から〇清水の残りは切る。かといって柏野智典のズブズブは……」の掴みだけは正解なるも、「四角では対高橋晋也-守沢太志に勝利している仮定ゆえ」北の二人をバッサリ捨てた時点で俺の予想は的を大きくはずしていた。参考までに結論部分を再録しておくと、単騎四選手の取捨で「一番不器用だけど一番タテがある」原田研太朗を選んだのだが、「一番不器用」の部分だけは当たっていたわけだ。
アンチ竹林一彦なら当たるのではないか――? いつもの愚考が浮かんだりする。
俺が俺のアンチになって車券を買い足すことは可能なのだろうか――? などと馬鹿なことを考える。
しかし――待てよ。
普段はここぞという競走でハラケンを頼ることなどまずしない俺が、松浦から一本の相手に“不器用”を承知で選んだこと自体、予想者の俺が俺自身の予想を信じられないアンチ俺の状態にあったのかもしれない。はなからアンチに“重心を移す”ことを意識した予想が昨日の雑な予想であったとすれば、更に反する行動はアンチのアンチというややこしい“迷界”を彷徨うこととなり……。
幾度も幾度も完膚なきまでズタズタにやられながら未だ、あゝすればよかった・こうすれば買えたかもしれない――孤独で馬鹿な反省会は阿呆の脳内を混雑させる。
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