花粉の気配は気になるものの昨日と一転した暖かさに今日こそ立川競輪場に行こう――!
シネマ通りにある昔からの金魚屋さんの店名が「多摩水族館」だということを本日はじめて知った。関東圏の狭い範囲をあちらこちらただほっつき歩いてきただけの六十年なのに、茫とした散歩では頭に何も残らない。
青空のもと立川競輪場、二センターからの観戦は逆光で見にくいが、三十数年前の俺の「指定席」には数人の男性が居た。直線を追って見る位置になるのでゴールは正確に視認できないし、オーロラ・ビジョンも見にくいのだが、実況放送がまるで聞こえてこないのが心地よい。「カナダグース」のアーミー・グリーンのコートを着た長髪の男が金網越しに「地乗り」を見ていた。男が三十年前の俺なら、俺は三十年前の俺がひとからげに見ていた爺さん連中のひとりだろう。
十一レースまで観戦して帰路に就いた。往きの道とちょっとだけコースを変えてシネマ通りを歩く。折りたたんだスポーツ新聞を見ながら歩くアンチャンと擦れ違った。「最終」だけでも買いたくて急ぎ競輪場へむかう三十年前の俺みたいだ。
車券の成績に関しては何も語るべきことなしだが、「番手ジカの潔さ」を常々口にしている俺だから、大石崇晴と田村真広の1290円は取らなきゃいかんよなァ――。
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