脇本雄太が赤板から新山響平を突っ張った岸和田「高松宮記念杯」決勝から、まだ一週間も経っていないのにまた二人の再戦とは、興趣をもよおすことこの上ない。明日(二十四日)から始まる久留米記念の初日、最終レースに二人の名前があった。
新山は六日前のあの悔しさを忘れてはいないだろう。むしろ引き摺っているくらいの方が面白い。見ている方としては、車券を買う方としては。
新山-新田祐大-成田和也が遮二無二逃げる。後ろも見ずに(見てもいっこうにかまわないが)新田-成田で番手捲りだ。それでも脇本がその上を行っちゃうのかどうか……。
先日こんなことがあった。前の晩に競馬新聞を買い求めたのはいいが、翌日になると、府中は遠い、後楽園もなんだかなあ……出かけるのが億劫になった。歩いて行ける川口オートにもかったるいからやめ。頭痛がするからやめ。
二十年以上前にこんな拙文を記したことがある。爺さんになって気楽な身分になったら銀行で千円札を何枚かぜんぶ百円玉に両替して競輪場に通うのだ、と。伊集院静氏が記したエッセイの内容に感化されて書いたのだったと思う(ほとんどそのままいただいたのかもしれない)。
〈あっという間に30年も過ぎてしまいました。時を経るにつれ、シュガー・ベイブという名前は、当時の実相よりもかなり美化あるいは誇張されてきたように思えます。(中略)そんな中で、ひとつだけ変わらずに30年の時をつないでくれるもの、それはロックンロールへの忠誠心です。シュガー・ベイブのアルバムがどこからか流れてくるたびに、私は昔の自分から「おまえの中のロックンロールはまだ生きているか」と聞かれているような気になります。そのたびに私は「だいじょうぶ、まだ生きているよ」と答えるのです。〉――アルバム『ソングス シュガー・ベイブ 30 th Anniversary』に封入されている歌詞カード中の、「シュガー・ベイブ『SONGS』30周年を迎えて」に山下達郎が寄せた文章である。身につまされる、と言葉にすれば笑われそうだけど、私の中の競輪はまだ生きているのだろうか。
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