小松島競輪場のそばはもうすぐに海で、誘導員の待機所に釣り竿が立てかけてあったのを憶えている。
明日(六月三十日)から小松島記念競輪が開幕する。
第十一レース、予選のメインには犬伏湧也-阿竹智史の師弟コンビが組まれている。最近の犬伏を見ていて感心するのは、遮二無二すぎる突っぱり先行はしないという点だ。むろん消極的なわけではない。冷静沈着と表せばちょっと違うかもしれないけど、カマシに相当の自信を持っているのだろう。正直に申せば、(ここは突っぱり先行でしょう)と「助平な」裏目、「えいやっ」のストレート買いで、下げてカマシの圧勝劇を幾度も食らっている。裏目は論外、三番手は離れるは、下手すりゃ番手をもぶっちぎる。悪いのは捻ってばかりの俺で、「しっかり勝ってくれる犬伏」の競輪は賞賛に値すると思うが、さて、師匠と一緒、且つ地元記念のここはどう走るのだろう。実に深い興味が湧く。
第十二レースに直前の岸和田GⅠ高松宮記念杯競輪で準優勝の山田庸平が乗っている。荒井崇博-園田匠に任された決勝戦は、一旦前に出ようとしたが叶わず、組み立てとしては失敗に近かった。が、競輪の展開は生きものである。先行した小松崎大地の二三番手が烈しい競りとなり古性優作のひと捲り。気づいてみたら(ということもなかろうが)古性を追うかたちで山田-荒井-園田、失敗したかに見えた九州トリオが生き返り二着から四着までを占めたのであった。
棚ぼたの二着と記せば語弊があるが、ともかく結構な幸運をともない一千七百万余の賞金を手にした男の「中九日」が気になって仕方ない。
車券を買うのに役立つわけもない、どうでもいいことばかりを書き散らかしてしまった。
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