最終十二レースの脇本雄太はぶっちぎりの七番手捲り。稲垣裕之は文字どおり置き去りにされた。向日町だぜ、稲垣を面倒見てよ、なる声もあるのかもしれないが、こと脇本に限っては私にはそういう感情が起こらない。だいたい、これまで過去にさんざっぱら引っ張ってきたのだしね。
脇本に「逃げ」の決まり手が付いたのは八月二十二日の大宮FⅠ初日までさかのぼらなければいけないから、その翌日から本日までの八走すべてが捲りということになる。
今日は脇本の先行が見たい。などと気楽に外野が記したりするが、毎日が受けて立つ立場、かつ一番人気の重圧の中、九割以上の勝率を残している脇本にはそんなことば馬耳東風で構わない。
それより今私たちが目撃しているのは、最新型の競輪の必殺技なのではないのかという衝動に駆られるのは私だけだろうか。
八度捲りと記したが、その八回すべてが終向線を取っていない捲りなのだ。スパートの地点は展開によって変わるから一概には言えないが、中バンクを苦にしない・最高加速を最終二センター辺りに定める運行は、敵方にとって実に厄介であり、マークする味方にとっても勝機の薄いものとなる。世界の最高舞台を経験し、切り立つ二五〇バンクで培われた「心技体」と素人の私が記すのも気恥ずかしいが、ともかく、脇本雄太にしかできない「必殺技」に酔うのが快感になりつつある今日この頃だ。
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