負けてアツくなっている客を穴場までマークして、そいつの買った車券をはずす――。そんな場面を阿佐田哲也がエッセイだか短編で記している。名づけて「マーク作戦」だったか。
昔の競輪場には派手な大銭打ちが居て、◎〇を百万買ったなど聞こえてきたりすると、零細な俺は本命を買う気が失せ、裏目や抜けの車券に「宗旨替え」するのだが、人間とは馬鹿にならないもので、ふるえる手でポケットから一万札を取り出し、豪傑者に同調する俺もたまに現れるのだった。
ボン(一本)だろ――! が、口癖の本命党の先輩が居た。二回続けて一本買いの本命車券がちょっとずつ崩れ(いかにもアツいハズレ方だった)最終競走。駒を上げて打った先輩の車券を俺はこころで応援しつつ、記者席総崩れを避けるべく、それた目を二点選んで買ったのでした。
最近では「二段駆け党」の某君だろうか。誰もがこれは番手捲りでしょうという競走があって、さァどう買うか? まずは某の買い目を訊いてみよう、などと不届きな奴が複数人居るということは、「惜敗の某」が皆に知れ渡っているからだ。
失礼な話ばかり記したが、大銭打ちも、本命党の先輩も、某君も、ギャンブル仲間にとって、愛すべき人物である。
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