昨日も駄目で今日も駄目だった。だから明日当たるかもしれない。SIONの「光へ」の歌詞を頂戴してつまらない替え歌をつぶやいてみる(正しくは「♪昨日もダメで今日もダメだった/だから明日出来るかもしれないぜ」と唄われる)。
暇な時に引っぱり出して観る映画が数本ある。その中の一本「ボブ・ディランの頭のなか」なる邦題の影響だろう、私はしょっちゅう頭の中というフレーズを使うけど、いつも発しながらあまりクールじゃないなと思わなくもない。
選手の頭の中をのぞく(のぞいたつもりになる)のは競輪の「こく」のひとつだけど、碁や将棋と違って頭だけの勝負ではないところが難しく、また面白い。
低収入の私が一億稼ぐ選手の頭の中を推し量りああだこうだ言う。なんとも奇っ怪なギャンブルの種目を昔人は創造してくれたものだ。
準決一発目の第十レースは吉田拓矢の番手捲り。松浦悠士の頭の中――最上の競輪頭脳――に翻弄されることなく、しっかり番手「護持」しての快勝劇だった。が、それでもやっぱり、松浦の競輪は思慮深い。郡司浩平も浅井康太も松浦を計れない・読めない分やられてしまった。逆に敵方が苦労する松浦の後ろは何も考えなくていい位置、と記せば井上昌己に失礼だけど、よく述べることだが、松浦のうしろは後輪に集中できれば結果が付いてくる。
十一レース。前述の松浦と一緒で古性優作のうしろもまた「安心」の位置と言えよう。頼もしい後輩に食らい付いた稲川翔には久々の大舞台が待っていた。ちゃあんと三番手を取った古性はほんとしっかりしている。そのことによって逃げた吉田有希ラインはもちろんだが、古性-稲川より後方になった新田祐大以外の選手たちも平常心ではいられなかった? 新田の九秒四の捲りは「裸」になって古性が追っかけ「八分の一輪」抜いた。
第十二レース。「一、坂井洋が引っぱり平原康多-諸橋愛であっさり。二、誰かと誰かともうひとり誰かにスイッチが入って混沌。後者を採るとしてどこを買おう? ラインの先頭で一番機敏じゃない(失礼容赦)小松崎大地が最後に捲っちゃったりして。」なる拙稿を別紙に載せていた。思いのほか前団が烈しくやってる様相。小松崎-守澤太志ばかり見ていた。内心(出ちゃうかも)と期待を抱いた。「捲っちゃえ!」と声も出た。が、余裕で併せる平原康多に観念した。確定放送が流れたとき、三連複いくら付くんだろう? あいかわらず往生際の悪い男である。
【寛仁親王牌決勝戦】単純に年末のグランプリ出場のことだけを規準に各選手の頭の中をのぞく。新田祐大も小松崎大地も自分が獲りたい。新田にはグランドスラムも懸かっている。平原康多は吉田拓矢に獲らせたい。とは言わないけど、あたりまえだが吉田に捨て身を要望することはない(昨年は吉田の奮闘ゆえに平原が優勝したという経緯もある)。古性優作は稲川翔に獲らせたい。と思うのが人情であるが、立場上自分のスタイルを崩すことはない。松浦悠士も井上昌己を気にかけるだろうけれども、松浦の理想は本人優勝、井上二着であるはず。
ま、結局、ほんの浅~く、ちら見した程度のもので何ひとつ思い込めない。
腹括ってえいやと逃げた選手は厳しいのかなあ……っと言ってみたところで誰が逃げるのか決め打つ度胸もない。
正当な推理が大の苦手な愚者の苦肉の策は――笑わないでくださいね――駄目だこいつはと言われるだろうけど――今年開催済みの「GⅠ」――全日本選抜競輪、日本選手権競輪、高松宮記念杯競輪、オールスター競輪――の数字比較(やっぱりあまりにかっこ悪いかしら?)。
とりあえず列記します。
古性=四回とも優参で二回の優勝。平原=二回の優参。守澤=二回の優参でともに三着。小松崎=二回の優参。松浦=三回の優参の内二回の二着。井上、吉田、稲川の三人とも優参ゼロ。新田は優参一回のみも三着だった。
導かれるは「古性>松浦>守澤>平原・小松崎>新田>井上・吉田・稲川」では大括りに過ぎるか。選手の頭の中をのぞくのが競輪の楽しみなどと喋り始めたくせに、最後はただの陳腐なデータ主義とは忸怩たる思いもあるけど、「そのまんま」①⑤と⑤①の二車単、①⑤③と⑤①③の三連単を買います。
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