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悩める秀才レーサー・金子大輔選手

2014/05/10 4:14 閲覧数(8416)
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オートレーサーにとってのスランプとはどういうものでしょうか?
しばらく優勝ができない・・・、1着をなかなか取れない・・・などなど。
S級の選手とA・B級の選手では内容が違うでしょう。さらにレースの結果ではなくて整備にこだわる選手なら、思い描いたエンジン音がでなければ整備がスランプに入ってしまったと思うかもしれません。という具合にスランプを一概に表現するのは難しいと思います。


金子大輔選手はスランプなのでしょうか?

ここ数年の成績を振り返ると、とてもスランプと言える内容ではなく、むしろ輝かしいとさえ思えます。2011年に初のSGタイトル奪取(グランプリ)。2012年の後期にはS1にランクされました。一期で落ちましたがトップ10には絶えず入っている、誰もが認める29期の№1です。しかし2013年の内容を見てみると、あれっ?と思います。優勝は浜松一般開催と若獅子杯(湿走路)の2回のみ。特に後半は湿走路ではまずまずの成績ですが、良走路での結果が芳しくない。

金子選手が少しおかしいと、私が感じ始めたのは昨年の夏以降からでしょうか。何がおかしいと言えば、とにかく1着が取れなくなった。確かにほとんど8枠なので大変ですが、2013年の前半まではそれでも優出を何度もしていました。時折カマシが決まった時は1着を取るのですが、そうでない時は序盤にもたつくことが多い。捲りに行くのか、インから捌くのか、私には迷っているように見えるのです。

もちろんエンジン・タイヤなど色々な要素が含んでいるので、そう簡単に決めつけるわけではないですが、2011年から2012年に掛けての勢いはどこにいったのでしょうか。


金子選手に対する私の最初の印象は、もちろん1級車になってからですが、1車1車を丁寧に抜いてゆく、言うなれば教科書通りのレースをする選手という感じでした。スタートも含めて全てが平均点以上、しかし、これといったインパクトもあまり感じない。秀才レーサーと表現したのはそんな理由からです。

けれど彼は変貌を遂げました。

5・6年ぐらい前でしょうか、正確には覚えていないのですが、確かオールスターの準決勝戦だったと思います。岡部選手と2着争いを最後まで繰り広げて競り落とされたことがありました。

レース後のコメントを後で知る機会がありました。その内容は、
「今のままではSGを取るなんて夢のまた夢、と強く思い知らされた・・・」
言葉自体は正確ではありませんが、概ねこんな趣旨だったと思います。

その後の金子選手は目が見張るような走りをするようになりました。カマシスタートを連発するようになり、不発でも捲りに行きながらスピードを保ち、インに切り込めると感じたら強引にでも入ってゆく。簡単に言えば自在性を発揮するようになった、否、追求するようになったと表現した方が正しいでしょう。けれども絶えずギリギリのところを狙ってくるその走りは、一歩間違えば大事故に繫がってしまう。私はいつもハラハラしていました。過去、1つの壁を乗り越えようとして大怪我をしてしまった選手を何人も見てきたからです。

しかし、それは全くの杞憂でした。
やはり彼も、ある意味天才レーサーでした。

大きな事故も引き起こさず、大した怪我もなく乗り切った金子選手は2011年に念願のSGを取りました。湿走路だったことに意味があります。全天候型・総合力を併せ持った若手レーサーの誕生です。
その時、私は思いました。これからは年齢的にも金子大輔選手と中村雅人選手の時代になってゆくのだろうと・・・。


いったい金子選手に何が起きているのでしょう。
これからは私の勝手な推測です。まるっきり的外れかもしれませんが良かったら読んでください。


最大の原因は青山周平選手の出現だと私は考えています。
2013年の前半に何度か同じレースで出走していますが、良走路では全て金子大輔選手が負けました。周平クンのスピードに全く付いていけなかった。もっともそれは金子選手だけではありませんが。湿走路の若獅子杯は勝ちましたが、年齢的にも近い周平クンの存在は彼にとって色んな意味で衝撃的だったと思います。

周平クンの出現は今のオート界にある種の化学反応を引き起こしました。その反応が良いベクトルとして現れたのが船橋の各選手です。特に中村雅人選手と永井選手。ここのところの船橋の強さは際立っています。

けれど金子選手は、どうも悪いベクトルとして出てしまったようです。

少し脱線しますが、全く影響を受けていないのが浦田選手と王者かな。まぁ当たり前と言えばそうなのですが、二人ともスタイルが完璧に確立されていますからね。


ここまで書きながらふと気が付いたのですが、浜松の代表的な選手はほとんど速攻型ですね。まず鈴木辰巳選手、単気筒時代の加茂選手、引退しましたが全盛期の頃はトライアンフと同ハンでも先行していました。そして須賀学・伊藤信・木村武選手と続きますが、他にも笠木選手と青島正樹選手など、みんな速攻型と言える人たちです。

そういう観点だと金子選手は異端と言えます。もちろんスタートが遅いわけではないですが、彼は典型的な追い上げ型であり、浜松では珍しい存在だと言えるでしょう。
しかし・・・。先輩レーサーたちの速攻で勝利してゆく姿は、きっと金子選手の心を揺さぶるはずです。ましてや自分より年下の、いくらロード出身とはいえ破壊的なスピードを持つ選手の出現は、彼の心を穏やかにするはずがありません。


今の金子選手は自分を見失っているように思えてなりません。それがレースに迷いとなって表れ、スランプの迷宮に入り込んでしまっている、と考えるのは言い過ぎでしょうか。マシンやタイヤなどの整備が原因にしては不調が長すぎます。
私が彼に望むことは、選手になって今までどういうレースをして結果を残してきたのか、その原点に立ち返って欲しいのです。そうすれば自ずと答えが見えてくるはずです。あなたが見習うべき選手は永井選手や周平クンではない。中村雅人選手であり浦田選手であり王者であるはずです。


中村雅人選手とてSGの準決勝・優勝戦の壁がしばらくありました。何よりもスタートがネックでした。彼のコメントを覚えています。
「オープンでの8番手は厳しい、4台抜くのがやっとです・・・。」
けれども彼は克服しましたね。6枠以内なら4番手スタートを死守するようになりました。しかも、ここぞという大事な場面で。
4台を抜く自信があるのなら結果は言うまでもありません。


総合力という点で考えたら、湿走路も乗りこなすようになった中村雅人選手が今は№1でしょう。しかし金子選手も決して負けていないと思っています。彼の武器は「これといった武器がないのが武器」であり、全てが平均点以上ということは、あらゆる状況に対応できるという意味でもあると思います。

確かに今のオートレースは速攻型が有利でしょう。冬場になると高速決着が多いのがそれを証明しています。けれども年間を通して見れば、きちんと調べたわけではありませんが、追い上げ型と速攻型の優勝回数はほぼ五分五分ではないでしょうか。だいたいエンジン・タイヤとも完璧などということ殆どあり得ないし、70%から80%の仕上がりでレースをするのが大半だと思うのです。だとすれば総合力を備えた選手の方が優位に思えてくるのです。


金子選手はもう34歳ですか。どうも私の中では未だに20代というイメージなのですが、そろそろ自分のスタイルを確立していなければいけない年齢であることは間違いないです。

どうか惑わされずにあなたの最大の武器である総合力に磨きを掛けてください。

もう一度覚醒した金子大輔選手を見ることができると信じています。


飯塚の優勝戦、恐れ入りました。誰に?永富選手です。いつも買うのに・・・。30Hなのでもしかしたら、とも思ったのですが、青島選手と佐藤裕選手がいるので良くても3番手と考えていました。上がり3.435、参りました。
今節の飯塚はオートレースらしいレースが多かったような気がします。インからきっちり捌くレースがそこそこあったのは嬉しかったです。収支的にはマイナスでしたが・・・。

さて伊勢崎ナイターで金子大輔選手、周平クン、王者が戦います。どんなレースをするのか興味深いですね。
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