遠山競輪研究所

チャレンジレース分析(その2) -- 車券戦術( 2021/10/29 )

前回の分析結果で分かったチャレンジレースのメンバー構成の特徴は、「デビュー1年未満の新人と、概ね45歳以上のベテラン選手の比率が非常に高い」ということでした。
「チャレンジ戦の車券は他クラスより配当が低かったり、上位人気で決着する比率が高かったり」といった特徴も、新人選手の比率が高いということに起因するものと思われます。

今回は新人選手に注目して、チャレンジレースでの車券戦術について分析・検討していきます。

以下目次項目

◆ 調査対象レースと新人選手の定義

前回の分析「チャレンジレース分析(その1)」では直近1年のレースデータを調査対象としましたが、今回は車券戦術の分析を行なうため、信頼度の高い結論を得るにはデータ数は多いほうが好ましく、直近3年のレースを調査対象としました。

調査対象レース
期間クラス該当レース数出走選手数
2018年7月~2021年6月チャレンジレース15,114 個104,706 人

ただし次のレースは調査対象から除いています。

  • ・5~6月に開催のルーキーシリーズ--- 全員が新人であり、通常のチャレンジレースとはまったく違うレース内容となるため。
  • ・レインボーカップ・ファイナル戦--- 9車立てであり、通常のチャレンジレースとは車立て数が違うため。       
  • ・当日欠場があったレース    --- 出走表による予想時のメンバー構成と実レースのメンバー構成が違ってくるため。  

なお、ここでは デビュー後1年未満の選手を 新人選手 とします。

1. チャレンジレースにおける新人選手の成績

1-1. 新人選手と非新人選手の成績比較

表1-1 に調査期間中の新人選手と非新人選手(=新人以外)の全体としての成績比較の結果を示します。
なお表中の「単勝回収率」とは次のとおりで、対象選手を軸とした車券の有利・不利を示す指数となります。

単勝回収率
対象選手を1着とし、払い戻し額が均等となる資金配分で2着全流しの2車単車券を購入した場合の回収率。
(1レースの購入総額を例えば1,000円で統一とし、計算上の資金配分なので個別車券の購入額は 215円や58円等の1円単位での購入も可として計算しています)
つまり、対象選手の単勝車券を想定した回収率です。
競輪の払戻率は75%なので、これを超える場合に、対象選手からの車券は回収率的に有利な車券となります。
表1-1. 成績比較(新人選手 vs 非新人選手)
選手カテゴリー出走
レース数
出走選手数
(比率)
成績1着時配当(平均値)
勝率連対率単勝回収率2車単3連単
新人選手8,778 11,729 
(11.2%)
49.7%67.3%82.7%893円4,468円
非新人選手
(=新人以外)
15,114 92,977 
(88.8%)
10.0%24.1%55.0%3,095円15,499円

チャレンジレースでは、出走選手のうち約11%が新人選手です。成績は新人選手のほうが圧倒的に良く、勝率は非新人選手の約5倍となります。
特に注目すべきは新人選手の単勝回収率が82.7%という凄く高い値であることです。2着選手を上手く選択すれば、新人選手を軸とした2車単車券の回収率はさらに高く出来そうです。

1-2. 新人選手の能力値と成績の関係

表1-1 で新人選手全体の成績を示しましたが、もう少し突っ込んで新人選手の能力値と成績の関係を調べてみます。
対象選手のレース内での相対的な能力値として、次の式で計算される「レース内G指数」を用います。

レース内G指数 = 自分のG指数値 - 自分以外の出走選手のG指数値で最も高い値

値が正であれば対象選手はレース内でG指数値トップであり、値は2位選手とのG指数差を意味します。
値が負であれば対象選手はレース内でG指数値は2位以下であり、値はトップ選手とのG指数差を意味します。
例えば、「レース内G指数差 3 は、対象選手のG指数値がトップで、2番目の選手との差が 3点 ということ」です。

図1-2 は、レース内G指数差を横軸とし、新人選手の出走選手数を棒グラフ()、勝率と単勝回収率をそれぞれ赤丸()と緑丸()の折れ線としてプロットしたものです。 比較参考として、新人以外(=非新人)の選手の勝率(),単勝回収率()も付記しました。
(横軸のレース内G指数差「aa ~ bb」は、「aa以上、bb未満」を意味しています)

図1-2. レース内G指数差と勝率・単勝回収率の関係
図1-2. レース内G指数差と勝率・単勝回収率の関係

すべてのG指数帯において、新人選手の勝率は非新人選手の勝率を上回っています。
それにともなって、新人以外の場合は単勝回収率が75%を上回るのは G指数差帯が5~6点と7点以上の場合だけですが、新人選手の単勝回収率G指数差が −6点以上の全てで 75%を上回っていますし、逆にレース内G指数差が適度に低いほう(−6 ~ −2)が単勝回収率が高くなるという傾向にあるようです。
G指数差 −8 ~ −7 の部分で新人選手の単勝回収率が大きく跳ねてますが、データ数(=出走選手数)が少なく、前後の単勝回収率が低めであることから、偶発的な高額配当的中による高値と推測され、信頼度は低いものと思われます。

1-3. レース内新人選手数と新人成績の関係

次にレース内の新人選手数によって、新人選手の成績に差があるのかを調べたのが 表1-3 です。

表1-3. 新人成績(レース内の新人選手数別)
レース条件
(新人選手数)
該当レース数
(比率)
レース内の
対象新人
該当
新人数
新人成績1着時配当(平均値)
勝率連対率単勝回収率2車単3連単
新人1人6,770(44.8%)唯一の新人6,77061.3%76.8%82.8%744円3,752円
新人2人1,375( 9.1%)G指数上位側の新人1,37563.2%80.2%84.8%716円3,391円
G指数下位側の新人1,37518.0%42.3%80.0%2,538円13,834円
新人3人以上633( 4.2%)G指数最上位の新人63348.5%71.3%77.5%785円3,418円
G指数次位の新人63323.7%50.9%77.2%1,597円8,146円
G指数3位の新人63312.9%29.5%76.9%2,831円15,053円

勝率・連対率も高く、単勝回収率が高くなるのは、「新人1人レースの新人」および「新人2人レースのG指数上位側の新人」に該当するケースのようです。軸とする新人選手をこの2ケースに限定しても出現率はそれほどの低下もないため、次項で検討する2車単・3連単車券の軸とするのはこの2ケースの新人選手に限定します。

 出現率 =該当新人が出現するレース数 / 全チャレンジレース数。

一方で、新人が3人以上のレース(主に決勝レースがこれに該当)では、G指数最上位の新人でも勝率は50%を割り、単勝回収率も70%台となってきます。

1-4. ライン上の位置と新人成績の関係

表1-4. は並び予想における「ライン上の位置」別に新人選手の成績を集計した表です。

表1-4. 「ライン上の位置」別の新人成績
ライン上の
位置
該当
レース数
該当選手数
(比率)
新人成績1着時配当(平均値)
勝率連対率単勝回収率2車単3連単
ライン先頭8,72110,850 (92.5%)52.0%69.4%82.1%853円4,286円
ライン2番手194206 ( 1.8%)34.0%60.2%83.4%959円4,830円
ライン3番手以降33 (0.03%)0.0%33.3%0.0%----
単騎454670 ( 5.7%)18.1%35.8%91.9%2,719円12,711円

 ライン先頭 --- 2車以上のラインの先頭位置。単騎は含まない。

新人選手はライン先頭で走るケースがほとんどで、全体の92.5%に昇ります。
この場合の新人の勝率は52.0%で大変高いものです。単勝回収率も82%を超えており、典型的な新人選手のレースになります。
次項で検討する2車単・3連単車券の軸とするのは、ライン先頭位置の新人選手に限定します。(軸選手の位置を固定することで車券検討がしやすくなります)

新人が2番手を廻ったのは調査期間の3年間で206回でした(全体の1.8%)。このうち187回は先頭-2番手が「新人-新人」のラインで、他の19回の先頭選手は「期は新人より古いが年齢は番手の新人選手より年下」というパターンでした。
この場合、番手新人選手の勝率は表中にも記載の 34.0%でしたが、先頭選手の勝率は 23.8%でした。先頭→番手のワンツーが 34回(16.5%)、番手→先頭のワンツーが30回(14.6%)でした。

新人が3番手を廻ったのは調査期間の3年間で3回だけでした。いずれもチャレンジ決勝レースで、同地区の新人3人がラインを組んだケースでした。

新人が単騎だったのは670回で全体の5.7%でした。この場合、勝率は先頭時(52.0%)や2番手時(34.0%)より劣って18.1%でしたが、的中時の配当が高くなるため単勝回収率は91.9%もの高さとなりました。
データ数(=出走選手数の670)が少ないので、偶発的に高い単勝回収率となった可能性もあるのですが、単騎の新人選手からの車券も悪くないようです。

1-5. 車券の軸となる新人選手

上の1-4. と 1-5. の結果をまとめると、新人選手の中でも特に車券の軸として適するのは、
・「新人1人レースの新人」および「新人2人レースのG指数上位側の新人」
・並び予想において「ライン先頭」に位置する新人選手
となります。
表1-5 は、この条件に該当する新人選手の成績を集計した表です。

表1-5. 条件を絞った新人の成績
付加条件該当
新人数
出現率新人成績1着時配当(平均値)
勝率連対率単勝回収率2車単3連単
上指定の条件に
該当する新人選手
8,07753.4%61.8%77.6%82.9%736円3,681円

さらに上条件に該当する新人選手に限定して「レース内G指数差と勝率・単勝回収率の関係」をプロットしたのが図1-5 です。
今回は勝率および単勝回収率について、調査期間3年の実績値()に加えて、将来の予測値を信頼度95%で区間推定[ 1 ]して、その最高値と最低値を付記しました。

図1-5. ライン先頭の新人選手データ
図1-5. ライン先頭の新人選手データ

レース内G指数差が小さい(=相対的に弱い)選手の単勝回数率は信頼区間の幅が広く、今後大幅に上がる可能性もありますが、逆に大幅に下がる可能性もあります。単勝回収率が大きく下がるリスクを避けるため、軸とする新人選手には「レース内G指数差が−7点以上とする」の条件を付加することとします。
この条件を付加した、最終的な「チャレンジレースで車券の軸となる新人選手」の条件は次のとおりです。

表1-6. チャレンジレースで車券の軸となる新人選手の条件

  • ・「新人1人レースの新人」および「新人2人レースのG指数上位側の新人」
  • ・並び予想において「ライン先頭」に位置する
  • ・レース内G指数差が −7点以上

該当する新人選手の成績は次のとおりです

表1-7. 回収率有利な軸条件の新人選手成績
対象選手該当
新人数
出現率新人成績1着時配当(平均値)
勝率連対率単勝回収率2車単3連単
表1-6 の条件該当の
新人選手
7,90552.3%63.0%79.4%83.0%727円3,596円

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2. 新人選手を軸とした2車単車券

前項の 表1-6 の条件に該当する新人を今後は「軸新人」と呼ぶことにします。以降では軸新人を1着とした2車単車券および3連単車券について調べていきます。
チャレンジレースの車券検討時の参考にしていただければ幸いです。

2-1. 2車単車券のオッズ倍率と回収率の関係

表2-1 は調査対象レースのうち7車立てに限定して、軸新人を1着とした2車単車券をオッズ倍率帯別に回収率計算したものです。全体の回収率76.1%は軸新人が出走するレースで1着固定として2着全流しした場合の2車単回収率になります。軸新人の単勝回収率83.0%より劣りますが、同期間のチャレンジレースの2車単全購入の回収率は54.9%ですので、それよりはずいぶん高い値です。

表2-1 の該当車券数と回収率をグラフ化し、チャレンジレース全体の同データを付加したのが図2-1 です。
該当車券数はチャレンジ全体車券数に対する比率の棒グラフで表現しています( および )。
チャレンジ全体の2車単車券の回収率()はオッズ低倍率時が高く、高倍率時は低くなります。軸新人を1着とした2車単車券の回収率()は17.8倍~177.8倍の倍率帯でチャレンジ全体値よりずいぶん高くなっています。
軸新人を軸とすれば、ある程度高オッズ(~177.8倍)の車券でも回収率的には不利とならないようです。

表2-1. 軸新人を1着とした2車単車券
(オッズ倍率別の回収率)
2車単車券の
オッズ
該当
車券数
的中率回収率
1.0 ~ 1.71,81858.5 %85.1%
1.8 ~ 3.13,81935.6 %84.1%
3.2 ~ 5.65,33018.7 %79.1%
5.7 ~ 9.96,36810.1 %75.2%
10.0 ~ 17.77,1285.70%74.3%
17.8 ~ 31.67,1613.45%80.8%
31.7 ~ 56.26,4291.94%78.7%
56.3 ~ 99.94,7510.93%65.7%
100.0 ~ 177.82,5490.55%79.5%
177.9 ~   1,2850.16%35.2%
全体 46,63810.5% 76.1%
図2-1. 2車単車券のオッズ倍率と回収率の関係
図2-1. 2車単車券のオッズ倍率と回収率の関係
2-2. 2着候補選手の検討-1

軸新人を1着にした2車単車券の2着選手選択について検討します。
2着候補となる選手の位置を表2-2 に示す8とおりに分けて、2車単車券の的中率・回収率および配当値を調べてみました。
やはり競りなしで軸新人の番手をまわる選手への2車単は的中率(31.2%)も高く、回収率(85.8%)も最も高くなります。また別線ラインの先頭選手を2着とした2車単もほぼ同等の回収率(85.4%)が得られています。

表2-2. 軸新人を1着とした2車単車券-2 (2着候補の位置別)
2着候補の位置該当
車券数
的中率回収率的中車券の配当
平均値中央値最高値
軸新人の番手(競りなし)7,82431.2%85.8%275円190円6,090円
軸新人の番手(競りあり)16216.0%77.1%480円310円1,240円
軸新人ラインの3番手以降6,0314.1%73.1%1,793円1,215円16,290円
別線ラインの先頭12,56711.9%85.4%715円470円7,670円
別線ラインの番手(競りなし)12,5624.5%69.8%1,562円830円24,310円
別線ラインの番手(競りあり)1010.0%41.0%410円410円410円
別線ラインの3番手以降3,5881.2%56.8%4,742円3,800円17,650円
単騎4,5463.7%75.9%2,066円1,070円20,930円
全体47,29010.5%76.6%727円320円24,310円
2-3. 2着候補選手の検討-2

軸新人を1着にした2車単車券について、2着候補となる選手のG指数順位別に的中率・回収率を集計しました。
表2-3 の「2着候補のG指数順位」は、1着指定する軸新人を除いた選手でのレース内のG指数値の高さの順位です。
やはり上位順位の選手(=G指数が高い選手)を2着としたほうが的中率は高いのですが、回収率もそのようです。2着候補のG指数順位が1位および2位の場合と、3位以下との場合では回収率に大きな差が出ています。

表2-3. 2車単車券成績(G指数順位別)
2着候補の
G指数順位
該当
車券数
的中率回収率的中車券の配当
平均値中央値最高値
17,90526.2%87.0%332円215円9,520円
27,90515.0%86.3%573円340円16,060円
37,9059.5%71.3%751円450円17,670円
47,9056.3%74.2%1,171円690円24,310円
57,8974.0%74.3%1,863円1,150円17,650円
67,7732.0%66.4%3,267円2,150円20,930円
全体47,29010.5%76.6%727円320円24,310円
2-4. 2着候補選手の検討-3

ここでは、表2-2 の「2着候補選手の位置」のうち、該当車券数が極端に少なかった「軸新人の番手(競りあり)」と「別線ラインの番手(競りあり)」を除く6とおりについて、さらに「2着候補のG指数順位」別で的中率・回収率を調べてみました。
ここまで細かく分類するとデータ数(=該当車券数)が少なくなって、的中率・回収率の信頼度が低くなってしまいます。信頼度の目安として、該当車券数の背景色で的中率・回収率が含む誤差[ 2 ]の度合いを表現しました。

  • ・該当車券数の背景色が  oo  の行の的中率・回収率は、その値の10%未満の誤差を含む。
  • ・該当車券数の背景色が  oo  の行の的中率・回収率は、その値の10~20%の誤差を含む。
  • ・該当車券数の背景色が  oo  の行の的中率・回収率は、その値の20~50%の誤差を含む。
  • ・該当車券数の背景色が  oo  の行の的中率・回収率は、その値の50%以上の誤差を含む。
    (50%以上の誤差となると、ほとんど信頼出来ない値となります)

信頼度が低い項目が多いので判断は難しいのですが、例えば「2着候補を軸新人の番手(競りなし)とした場合、G指数順位が1位・2位より3位・4位のほうが回収率は高い」といったことは 言えるのではないでしょうか。また、誤差がある程度大きい部分ではあるのですが、2着候補が単騎の場合にG指数順位が1~3位で回収率が高くなっているのも気になります。

表2-4-1. 軸新人の番手(競りなし)
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
12,39444.7%80.7%180円
21,77333.4%85.3%255円
31,46726.9%90.1%334円
41,04021.2%98.3%464円
573716.4%77.8%474円
641310.4%85.9%824円
全体7,82431.2%85.8%275円
表2-4-2. 軸新人ラインの3番手以降
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
120117.9%93.8%523円
24968.7%83.2%960円
38355.0%66.9%1,330円
41,1993.8%62.1%1,655円
51,4973.2%87.8%2,739円
61,8031.8%66.1%3,723円
全体6,0314.1%73.1%1,793円
表2-4-3. 単騎
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
125017.2%116.8%678円
23878.3%129.9%1,571円
35684.9%102.8%2,085円
47233.5%64.2%1,856円
51,0302.1%57.8%2,704円
61,5881.1%63.8%5,957円
全体4,5463.7%75.9%2,066円
表2-4-4. 別線ラインの先頭
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
13,62220.5%90.9%444円
22,89312.2%84.1%689円
32,1558.6%77.8%905円
41,8156.7%74.3%1,114円
51,3334.7%74.2%1,595円
67494.9%133.0%2,692円
全体12,56711.9%85.4%715円
表2-4-5. 別線ラインの番手(競りなし)
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
11,32512.3%73.5%597円
22,1797.1%81.3%1,142円
32,4673.8%51.8%1,374円
42,3953.3%77.5%2,380円
52,3112.2%73.2%3,383円
61,8851.2%63.2%5,416円
全体12,5624.5%69.8%1,562円
表2-4-6. 別線ラインの3番手以降
2着の
G順位
該当
車券数
的中率回収率平均配当
16810.3%249.1%2,420円
21384.3%114.1%2,625円
33851.0%52.3%5,032円
47051.3%58.2%4,560円
59691.1%71.5%6,295円
61,3230.5%30.9%6,803円
全体3,5881.2%56.8%4,742円

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3. 新人選手を軸とした3連単車券

3-1. 3連単車券のオッズ倍率と回収率の関係

2車単時と同様に、7車立てに限定して軸新人を1着とした3車単車券のオッズ倍率と回収率の関係を集計した結果を表3-1 および図3-1 に示します。
チャレンジレース全体の3連単全購入した場合の回収率は55.6%なのですが、軸新人を1着固定で2着・3着を全流しした場合の回収率は表3-1 の最下段に示すように75.8%となり、2車単同様にずいぶん高い値となります。
図3-1 を見ると、軸新人を1着とした3連単車券の回収率()は316.3~3162.2倍の倍率帯でチャレンジの全体値()よりかなり高くなっています。
2車単同様に3連単でも、軸新人を軸とすれば、ある程度高オッズ(~3162.2倍)の車券でも回収率的には不利とならないようです。

軸新人を1着にした3連単車券についても、2着選手の選択については2車単車券と同様に考えて良いと思います。
記事もだいぶ長くなってしまいましたし、今回は3着選手の選択についての具体的な検討は省略します。

表3-1. 軸新人を1着とした3連単車券
(オッズ倍率別の回収率)
3連単車券の
オッズ
該当
車券数
的中率回収率
1.0 ~ 1.75343.4 %68.7%
1.8 ~ 3.11,03133.5 %84.6%
3.2 ~ 5.64,15218.6 %81.8%
5.7 ~ 9.98,95610.5 %79.2%
10.0 ~ 17.714,8515.94%79.9%
17.8 ~ 31.621,7873.40%79.8%
31.7 ~ 56.228,6601.90%78.4%
56.3 ~ 99.932,9060.94%68.7%
100.0 ~ 177.834,1440.58%77.2%
177.9 ~ 316.231,2520.28%63.8%
316.3 ~ 562.325,8930.19%79.2%
562.4 ~ 999.917,2480.10%68.0%
1000.0 ~ 1778.28,4010.08%100.9%
1778.3 ~ 3162.22,9260.07%136.4%
3162.3 ~    9300.00%0.0%
全体233,1902.11%75.8%
図3-1. 3連単車券のオッズ倍率と回収率の関係
図3-1. 3連単車券のオッズ倍率と回収率の関係

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脚注

  1. 1. ^  勝率と単勝回収率の区間推定について
    ・勝率の信頼区間は、勝率を p、出走選手数を nとした場合に、p ±1.96 × √p(1−p) / n で計算しています。
    ・単勝回収率の信頼区間は、勝率 × 的中平均配当 の式に上式で区間推定した勝率を用いて計算しています。
     本来は、的中平均配当の信頼区間も検討する必要があるのですが、今回は簡易的に調査期間の3年間の実績値をそのまま使用しています。
  2. 2. ^  回収率(又は的中率)の誤差について
    回収率(又は的中率)を区間推定した結果、95%信頼区間で p± d となった場合、d が誤差となる。(表中には p のみの点表記となっている)

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