武田豊樹がS級に上がって最初の競走は西武園競輪場で、俺は取材に行っていた。インタビューの初っ端、S級戦の意気込みを問うと、――もう負けても怒られないンでしょうかねえ? 言葉は正確ではないかもしれないが、そんな冗句を返した武田豊樹を憶えている。結果は1⑦1とほろ苦いS級デビューとなり、最終日の敗者戦は同県の大井崇と一緒の番組だった。お互いに呼び捨てだったかタメ口で、2人の年齢が同じだということを少し奇異に(73期と88期の差からくるものだろう)感じたことが頭の隅に残っている。逃げ切り-マークか捲り-マークか、先行屋と先行屋の線がしっかりワンツーでゴールしたのだが、俺は別線に分断される車券を買っていたはずだ、おそらく。
俺がグランプリは武田を買うと吐けば嘲笑されるのが落ちだろう。もしかしたら地上波の中継がある大レースだけは競輪観戦をしている俺の母親にまで、武田はやめときなさいとたしなめられるだろうか。(この項つづく)
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