まずは準決三番の感想を。
第十レース。山口拳矢のひと捲り展開になったとも思う。でも冬場の十一秒四は快速に近いとも思った。中本匠栄はぴったりマークとも言えるしマーク一杯とも言える。まァ障害皆無の「単独線路」だったからはぐれることはない。取鳥雄吾は強引に叩き結果裸逃げになったのに残った。勇気が生んだ幸運と記せば情緒に寄りすぎか。
第十一レース。佐藤龍二はきっと、本命の番組も無印の番組も同じ勝負心で競走に臨んでいるのだろう。だからどんな状況においても、咄嗟にお得意のガッツポーズがすっと披露できる。平原康多は清水裕友しか見ていなかった。清水を着外にしたという一点では効果的な牽制だったけど、結果も見映えもよくない。
第十二レース。石原颯の逃げは別線がみんな怯んでしまうような早駆け。というか引っぱりだった。香川-広島-岡山の布陣だから石原も覚悟をきめていたのだろう。躊躇なく松浦悠士が番手捲りを打ち岩津裕介がズブリ。山田久徳は絶好位置をとったけど無理無理捲っていった。後ろが村上兄弟だとやっぱり京都の選手は仕掛けねばならない? そのお陰で村上博幸が決勝に乗った。ついでに四着の小岩大介に触れておく。しゃにむに一つでも上の着をとりに行く。いつ見ても地味だけどいい選手だなぁと思う。
【玉野記念決勝】中国三人は取鳥雄吾-松浦悠士-岩津裕介、「地元-広島-地元」の並びだ。取鳥は地元記念の勲章がほしい。それは山々だろうが、後ろS班の松浦で三番手に御大岩津だ。もろ自分の競走というわけにもいくまい。だいたい「一着取鳥に二着松浦」という画はどうにも浮かばない。やっぱりこの線を買うなら「松浦-岩津」になってしまう、私の覚わった競輪では。
平原康多が後ろのときの眞杉匠は八割方(数字はあやしいけどそのくらい高い確率で)逃げている印象をもつ。もちろんそれでも粘る。絶頂時の眞杉はそのくらい強いのだが現状はどうなのだろう。がんがん逃げた場合は平原から眞杉じゃないところ、といっても今日きれいなガッツポーズを見せた佐藤龍二とのズブズフには気がない。
山口拳矢のひと捲りは容易に想像できる。が、真逆の不発――たとえば器用さが裏目に出るとか、勝ちを意識して見すぎちゃうとか――も又おなじくらいの色濃さで想えるのである。山口-村上博幸-中本匠栄かぁ。後ろに村上弟というのは頼もしかろう。しかし別線で叩き合いがあろうとも、捲り専一ではあやうさが伴う。
三連単の①②④、①④②。②①④を買います。
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