長文またまた失礼致します。
　お盆期間中に行われたオートレースグランプリは、鈴木圭一郎選手のグランドスラムで幕を閉じました。いいレースで感動しました。というのも、鈴木圭一郎選手の意外な一面が垣間見ることができたというのが感想。
　優勝戦は途中からの雨で湿走路の中で行われることになりました。今回の雨で結構苦戦してる選手もいる中で、鈴木圭一郎選手は問題なかったようです。試走タイムも一番時計。まず普通なら勝てるはずなんですけれども、何せずっとこのグランプリが取れずにグランドスラムを逃してたという経緯があります。なので私は車券は非常にスケベ心発揮で笑鈴木圭一郎選手の二着三着付けを多めに買って一着はあくまでも抑えという形で購入をしておりました。
　さてレースを見ますと、やはり調子の良かった黒川選手（とはいえ８番時計）と鈴木圭一郎選手の一騎打ちの様相になり、途中のコーナーで交わした時点で完全に独走体制に入るかと思いましたが、かなり慎重に慎重に走っていたのが非常に印象に残っておりました。今までの圭一郎選手ですとああいうケースだと一気に抜いて、そのまま独走というケースだったと思いますが、このレースに限ってはかなり慎重に交わしに行った、そんな印象を持ちました。
　というわけで、私の車券自体はマイナスで終わってしまいました。その後ミッドナイト競輪でもやろうかというところで、CS放送を観るのを打ち切ろうかと思ってたんですけれども、その後トイレに行って戻ってきたら、ちょうど圭一郎選手はヘルメットを取る瞬間だったんです。その時にもう目が真っ赤で涙で濡れていることがわかりました。

　なるほど、この選手も普段クールでこういう熱いシーンなんてないと思っていましたがこういうところがあるんだというところに私自身妙な関心をしてしまいました。なので、チャンネルはそのままでその後もずっと見てました。
やがてオートレースグランプリ名物の優勝戦後の花火が上がりました。その花火を五番のユニフォームを着た選手が真一文字で立って、じーっとその場を見つめているその姿。大袈裟に言うと１枚の芸術写真と見間違うような素晴らしいシーンでした。やはり鈴木圭一郎選手はずっと取れなかったという、その忸怩たる思いがあったんでしょう。その花火が終わった後に豪雨と花火の煙で霞んだ中でスタンドを一周するというウイニングランに行ってました。
（なお、添付の画像はオートレース公式インスタから拝借しております。やっぱりこの画像は誰か撮りたくなるよねー）
最後インタビューの時にはもうすでに冷静な鈴木圭一郎選手に戻っておりまして、淡々と話をしているように見えました。但し最後の方でこの花火の話があった時に、一瞬言葉に詰まり、その後に発した言葉が非常に印象に残りました。

　「今までこの花火は見ることなく帰っていたのですが、やはりいいものですね」という一言。やはりそういう意味でもこの選手は非常に苦労してこのタイトルを取ったんだなということがよくわかりました。と同時に、私の車券の下手さとこういう感動的なシーンもあったのにも関わらず、とっととミッドナイト競輪の投票に行こうとしていた私の非常に恥ずかしい欲に塗れていたのが出ていたという気がしております。

　という事で。鈴木圭一郎選手、史上最年少のグランドスラマーおめでとうございます。私はこの日から鈴木圭一郎選手の大ファンになったと共に、あの大雨は「こんな所で泣いている場合ではないぞ」という天の声だと思っていますよ。