「雨がふらなければ虹は出ない」

朝日新聞 天声人語で、ソチ五輪にてメダルの期待を背負いながらショートプログラムで16位となり、失意のどん底から翌日フリーでの素晴らしい演技を魅せた浅田真央に対してこのように表現していた。

うまいことをいうものだ。

人生において失敗を経験したことがない人と経験したことがある人では後者の方がより成長するとよく言われている。

静岡記念で二人の選手がそれにあたるのだろうか。


武田豊樹。

彼は昨年の高知記念決勝で過度牽制による追走義務違反で長期あっせん停止処分を受けていた。その処分が終わりはじめての記念開催。

ここまで大きな処分になるとは本人も想像していなかっただろう。
見た感じあまり反省もしていなかったんだろう。だからSS11のような同じ騒ぎを起こす。

確かに練習ばかりしてきたんだろうというのは処分解除となった年明けからの武田の走りをみていても伝わってくる。

とはいえ雨がふったのではなく、自分でふらせたので、浅田真央のような全国民を味方につけるようなものではない。とんでもない。
武田はヒールであってこそ競輪界は盛り上がる。

武田の優勝間違いなしと言われているがヒールは盛り上げて盛り上げて最後はヒーローにもっていかれてこそ映える。

11レース決勝

2-9,3-9

武田が敗れる所が見たい。
でも勝つだろう。ヒールは常に裏切ってくれるから。



深谷知広。

本来ヒーローとなる側の方。
今開催は未勝利。

グランプリ王者の金子を復活させたのは弟子である深谷。
金子さんのためにと必死に走る姿に例え勝てなくても深谷ここにありをみせていたが今回はあきらかに違う。かみ合ってない。迷いだらけだ。
配当も深谷が勝たなくても解説もファンも大波乱とは言ってくれなくなっている。
失意のどん底だ。

浅田真央のように大きなプレッシャーに押しつぶされている訳ではない。
単に練習不足なのだろう。

でもそんな状態でも単騎でも和田真久留の後ろに林雄一がいようと、深谷は勝って虹を出して欲しい。

10レース

9-2,9-7,9-1

深谷に期待じゃなくて最後ぐらい頼むよと。
ただ、ここまできたらどうした深谷！と叩かれるぐらい負けてダービーで虹を見せるというシナリオもみてみたいが。


レース展開以外でも色々なストーリーが楽しめる。
これが競輪の楽しみだ。

自分の車券は、静岡記念は雨がふってやまない。
明日こそは虹を出したいものだ。