ガールズケイリンは松戸「ガールズドリームトーナメント」と青森で１日に８個レース、８打数２安打では厳しい(笑)。

まずは松戸最終日、決勝戦は細田愛未がグランプリ組を蹴散らして衝撃の完全優勝を飾った。

レースは高木真備→篠崎新純→坂口楓華→梶田舞→小林莉子→児玉碧衣→細田という初手の隊列、打鐘から児玉が一気に飛び出す。

細田がこれをしっかり追走、高木はやり合うと思っていたがスンナリ３番手に引いてこれでもう後ろは出番がなくなってしまった。

最終バック過ぎから高木が強引に捲るも全く車は出ず、後続を引き摺り回した児玉が先頭で直線に向かうが絶好の展開になった細田がグイグイ迫る。

最後は細田が渾身の差し切り、強敵を撃破して見事な完全優勝を飾った。

児玉はまたも惜敗の②着、捲り不発の高木は③着に終わった。

細田は鮮やかに差し切って完全Ｖ、ここ２場所でなんとグランプリ組７名のうち５名をまとめて面倒見ているのだから内容が濃い。

今日は児玉のカマシをしっかり追走、踏み出しでややもたつくところがあり33でこのメンバーの大外枠⑦番車では何もできずに終わってしまうかもしれないと思っていたが、スンナリ追走できたことでこれ以上ない展開になった。

自力でもある程度戦えるスピードに加えてパワーもありなんでもできるバランスのいい選手、ずっと当コラムをご覧いただいている方々にはお分かりと思うがデビュー当所から「これは走る」と言い続けてきただけに車券を抜きにしてこの優勝は嬉しい。

もうひとつ言い続けてきたのは「この選手は追い込み」ということ、ようやく形になりつつある。

来年はぜひタイトルを獲ってグランプリへ、こう書いてももう笑われないだろう(笑)。

ちなみに車券は本命に推し切れなかったがガールズケイリンホームページの優勝者当てクイズは二日目１Ｒが終わった時点で細田で申し込んだので的中、抽選で当たってほしい(笑)。

児玉は打鐘から豪快に仕掛けて主導権、完全にレースを支配したがそれがスンナリ追走の細田には絶好の展開になってしまった。

負けて強しでこれが一番強いのは明らかだが、さすがにこのメンバーで打鐘からぶっ飛ばしてはもたないし予選クラスとは違って誰かしらはついてくる。

競輪（ケイリン）ではなく一人で走っているような感じ、やはり相手があってこその「競走」でありただタイムを計っているのではないのだから相手の出方も考えていかないとこういうメンバーではなかなか勝てない。

高木は３番手に引いて捲り勝負も何もできず、屈辱の流れ込み③着になってしまった。

突っ張ってくれると思っていたのでアテがはずれたが、やはりこの選手は本質的には自在志向で外国人選手との対戦を見てもそれはよく表れていた。

これを悪いと言っているのではないし、むしろだからこそ特別レースでも勝てるようになったのだろう。

児玉も高木も今日は「負けてもいいレース」でありあくまでも前哨戦、早くからグランプリは決まっているのだからここがピークであるはずがないし言い訳が利く敗戦なのは確かだ。

それでももちろん実力的には勝ち負けだが、今日は細田の勢いがそれを上回った。

あとはレースにならなかったがただ一人目立ったのは坂口、最後に内を掬っていい脚で差のないところまで突っ込んできた。

今回は予選を連勝の勝ち上がり、これは敢闘賞もので厳しい条件をクリアしてこのメンバーで戦えたのは大収穫だ。

梶田・莉子は珍しく後方に置かれて全然ダメ、篠崎は高木と共倒れの形になってしまった。

一般戦３個レースは元砂七夕美・蓑田真璃・吉原菜那が快勝、吉原は嬉しい初勝利で三連単は32万円の大穴が飛び出した。

選抜戦２個レースは吉村早耶香と内村舞織が快勝、厳しい展開を大外から突き抜けた吉村も石井貴子（千葉）を差し切った内村も強かった。

６レース制のトーナメントでいつも以上に華やかで盛り上がった開催、全体的なレベルも上がって脚力も接近しつつあり、上位クラスは紙一重で「顔より太もも」のポスターばりに(笑)戦国時代に突入したなという印象だ。

それだけにレース運びの巧拙はこれまで以上に重要になってきて、常々申し上げているように「強い選手」ではなく「上手に走った選手」が勝つようになっていく。

時系列では逆になるが続いて青森初日、こちらは鈴木美教と荒牧聖未が順当に人気に応えた。

６Ｒは宮内愛→美教→佐藤友香→森美紀→梅田夕貴→荒川ひかり→日野友葵という初手、残り２周を通過して２角あたりから荒川が追い上げて美教後位に狙いを定める。

打鐘の２センターから美教が踏み込むと荒川が簡単に後位を確保、友香はせっかく地元で好枠をもらってこの場面であっさり引いてしまっては話にならない。

さらに日野も続いて最終バックへ、友香も内で粘って今度は３番手が並走になる。

２センターで友香が再度内から進出するがここまで、美教が楽々逃げ切って荒川→日野が②③着に流れ込んだ。

美教は勝って当然の大楽勝、前回武雄決勝では逃げて⑤着に沈んだがこのあたりならどう乗ろうがます問題ない。

前々回の川崎では失格、ちょっと流れが悪くなりつつあるので今回はしっかり締めてほしい。

荒川は追い上げてあっさり美教後位を確保、今日はやるべき事をしっかりやって結果を出した。

人気になった前回富山の一般戦はただ回ってきただけでガッカリ、位置取りは厳しくやらないといけない。

日野は終始荒川を追走、外並走を我慢してしのぎ切った。

意外と大敗は少なくそこそこの中間着にまとめるタイプだ。

７Ｒは齊藤由紀→荒牧→田中麻衣美→三宅玲奈→門脇真由美→高橋梨香→加藤恵、残り２周を通過して加藤がゆっくり上がっていく。

これを梨香が追走するが打鐘でペースが緩むと加藤を叩いて逃げてしまう。

これはもう論外、どれだけ売れていると思っているのか。

これを追走した門脇が２角過ぎに先に捲るとその後ろの荒牧がさらに捲ってあっさり先頭、打鐘で内を掬って荒牧後位に追い上げていた玲奈もしっかり続く。

門脇は３番手、後方からは齊藤も伸びてくる。

荒牧は余裕の押し切り、玲奈が好マークの②着となり③着は接戦となったが追い込んだ齊藤が門脇をわずかに交わした。

荒牧はただでさえ力が抜けているうえにイージーな展開で勝ってくださいになった。

久留米→西武園とここへ来て連続優勝、しかし予選を取りこぼしているので今回は完全優勝を狙いたい。

玲奈は打鐘で１車追い上げて荒牧後位を奪取、荒牧の捲りによく追走して②着に入った。

近況はすっかり目立たないがそれなりの実績はある選手、脚力的に全く足りないわけではないし無駄な動きを減らせば十分戦える。

齊藤はなかなか位置が取れないがしまいの脚はいいものがある。

今日もやはり後方から突っ込む形、荒牧が前を掃除してくれたので展開が向いた。

問題は梨香、いつも逃げている選手が同じ負け方をしても何も言わないが、こういう行き当たりばったりのレースで簡単に飛ばれてはたまらない。

荒牧→梨香の二車単は130円、オッズほどはアテにしていないがそれでももう少し考えて走ってくれないと困る。

11/6
青森6Rガールズ予選２
[車 名 期県]
①日野　友葵　 108媛▲
②門脇　真由美 102大
③宮内　愛　　 112香
④三宅　玲奈　 108岡○
⑤高橋　梨香　 106埼△
⑥鈴木　美教　 112静◎
⑦田中　麻衣美 102新

⑥美教の連勝、力が違う。

相手はマーク戦で④玲奈と①日野を抜擢、⑤梨香の初日のレースには激怒したので押さえまで。

⑥→①④→①④⑤

11/6
青森7Rガールズ予選２
[車 名 期県]
①荒牧　聖未　 102栃◎
②梅田　夕貴　 108井△
③佐藤　友香　 110青
④荒川　ひかり 110茨○
⑤加藤　恵　　 112青
⑥森　美紀　　 102福
⑦齊藤　由紀　 110愛▲

もちろん①荒牧、負けようがない。

相手は一応④荒川、妙味はないがホームページにあんなカワイイのを載せられては売れ過ぎるのもやむを得ない(笑)。

②梅田と⑦齊藤はどちらも荒牧が圧勝する展開で浮上、脚をためて末脚に懸けたい。

三連単
①→④＝②⑦

なお防府記念「周防国府杯争奪戦」決勝は和田真久留が捲って見事な優勝、「まくる」だけに捲りは強い(笑)。

「三段駆け」が見え見えの近畿後位を確保したのが勝因、前が着度外視でどんどん飛び出すし本人もさっさと踏むのだから「あの選手」の後ろは遠慮さえしなければいい位置だ。

単騎の新山響平が早めに仕掛けて近畿勢を飲み込んだことも真久留には利した形だが、上位戦では仕掛けを躊躇することが増えてきた新山が今日はしっかり仕掛けて見せ場十分の③着はこれはこれでよく頑張っている。

一方ガッカリしたのは太田竜馬、捲りになるのは全然構わないが打鐘前のところで内に色気を見せるのはまだ早い。

全体的には33バンクのスピードレースで若い機動力タイプの活躍が目立って面白い開催だったと思う。