一昨日の富山競輪で小嶋敬二(石川・74期)が通算800勝を記録した。現役では神山雄一郎(栃木・61期)と二人だけだという。ともにS級在籍での偉業達成。たいしたものだ。頭が下がる。
往時の小嶋の競輪なら青森の寛仁親王牌(調べて見たら2005年)が記憶に濃い。山口富生(岐阜・68期)と「逃げ・マーク」で決まったやつだが、まさにエラヅヨの小嶋がそこに居た。そうだ神山も一緒の番組だった。
そんなえらく強いはずの小嶋なのに、山田裕仁(岐阜・61期・引退)に簡単に抜かれる小嶋という画も忘れられない。あの決勝は――と言ってもどの決勝かすぐ出てこないが、とにかく大レースの決勝だ――運転中のラジオで中継を聴いていた(その経緯も思いだせない)。準決までの小嶋がまぁ強かった。そろそろ小嶋だろう。山田には差されても二着には粘る。表裏を案分して買った。さすがラジオの実況で展開してゆく競輪を音だけで見事に伝える。山田が一気に抜いたのも小嶋がまるで残っていないのもはっきりとわかった。
小嶋の800勝めの決まり手はなんとマーク、先行車の一着失格による繰り上がりだった。いつもユーモアを忘れない小嶋だからこの珍事も妙に似合う、と記せば𠮟られるかもしれないけれど、競輪では滅多に生まれない「決まり手マークの一勝」が、めでたいメモリアルを一層目立たせるとするならば、やはり小嶋敬二は「持っている男」なのである。
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