皆様、おはようございます。
あと1日で週末ですね。そして、すっかり6月、既に西日本の方からは梅雨入りの報告も届いております。
そろそろ関東地方にも、梅雨の便りが届きそうです。
さて、本日は・・・
5月16日付の当コラムにアップさせて頂きました「Kazz流オートレース講座~数字で学ぶオートレース~」の中で、店長(座長)さんに頂いたコメントを受けまして、Kazz流オートレース講座の第2弾をお送りしたいと思います。
このコメントの中で、店長(座長)さんより、次回の講座のネタを頂戴しておりました。
即ち、「天候(走路状態)」について、です。
これがオートレースの1つの大きな特徴と申し上げても過言ではありません。
「なぜ、晴と雨では、予想(決まる車券)がまったく違うのか」・・・
普段、コラムで前予想を上げる時にも「良走路想定で・・・」とか「湿走路想定で・・・」というような前提を設けた上で予想を展開しているのですが、これまでその点について深く掘り下げてはおりませんでした。
ちょうど、これから梅雨時を迎え、湿走路でのレースの機会が多くなる季節・・・グッドタイミングという事で、某進学塾っぽく「梅雨直前講習スペシャル」と題し、「梅雨時を制する者が受験を制す!」という事でやってみたいと思います。何の受験かは分かりませんが。
ちなみに、これから述べさせて頂く見解は、CS中継、雑誌、ネット等の媒体における選手のインタビュー等で見聞きした点をベースにはしているものの、基本的に私個人の考え方に基づくものになります。それほどハズしてはいないとは思いますが、一応そういう前提で、サラッと軽く読んで頂ければ幸いです。
■なぜ良走路と湿走路で、予想のアプローチが変わるのか
まず、良走路における選手のタイムの分布ですが、試走タイムで3.2秒台(S級トップ)~3.5秒台(B級下位)、上がりタイムで3.3秒台(S級トップ)~3.6秒台(B級下位)というように、選手の実力、機力によって大きく分かれます。即ち、基本的には「速く走れるか、走れないか、エンジンを仕上げられるか、仕上げられないか」という点によって分かれる各選手の実力、機力をベースに予想をしていきます。
それに対し、現在の湿走路(普通に全面的に濡れている状態)では、どんなに頑張っても最速で3.6秒台(試走も上がりも)です。つまり、エンジン的には「B級下位でも出せるレベルのタイム」の中でレースが行われる事になります。という事は、「S級トップじゃなくても湿走路を乗りこなせれば、S級トップよりも成績が良くなる余地が生まれる」という事が言えます。そして、「湿走路を乗りこなす」とはどういう事か・・・ですが、これはもう10年以上前になりますか、山陽の小林啓二選手が湿走路で全国随一の成績を残し、無敵の強さを誇っていた頃、たぶん雑誌(「オートレースマガジン」だったと思います)のインタビューだったかと思うのですが、「なぜ啓二選手は湿走路で成績が良いのですか?」という問いに、「コーナーで人より奥に突っ込めるからじゃないかな」と答えていらっしゃいました。つまり、コーナーでも他の選手よりも速いスピードを保ったまま回る事が出来る、それだけの度胸を持っている、という事になります。走路が濡れていれば、それだけ滑る可能性が大きく(これは二輪のレースだけではなく、F1等の四輪のレースでも同様です)、普通はなるべく滑らせないよう、コーナーの手前で大きく減速したり、なるべくスピードを上げずに短い距離を走ろうと、内いっぱいを走ったりするものですが、湿走路を乗りこなせる選手というのは、スピードを殺さずに外目を回る事ができ、エンジン的には余力を一杯残したスピードの中で、他の選手より良いタイムを残す事が出来ます。つまりそれは、良走路で言うところの、エンジン的にはこれ以上無い世界の中での「実力」「機力」とは全く異なる要素となります。湿走路のそれは前述の通り「度胸」に基づいた「濡れた走路を乗りこなすテクニック」が最も重要な要素となります。必要な要素が異なるわけですから、良走路の成績と必ずしもイコールでは無い、という事になります。
ただ、最近の全国レベルの主力レーサーは「良走路も湿走路も乗りこなす」選手が割と多くなってきている印象です。その例外として最も想像しやすいところでは、飯塚の浦田選手でしょうか。良走路では安定度抜群の動きを見せるのですが、湿走路になった途端、その実力・機力が影を潜め、他の選手に「度胸」の部分で負けてしまう・・・という事になると考えています。
よって、一般的に湿走路では湿走路が上手い選手、好成績を残している選手を中心に買うというのがポイントになります・・・が、それはもう出走表や予想紙を見れば一目瞭然、人気もそこに集中してしまいます。従って、一般的に湿走路では良走路より配当が堅くなる傾向にあります。
という事で、とにかくオートレースは「良走路」と「湿走路」は別のアプローチで予想していくべき、という結論になります。特に予想紙を見ると必ず、湿走路成績はそれだけが抜粋されて別に纏められており、予想の印も「湿走路の場合」という事で別に付けられています。
■同じ二輪でも、競輪と違うのは?
オートレースと同じJKA管轄の競輪は、そこまで顕著な傾向は表れません。その違いがどこにあるのか・・・ですが、これは前項で述べた事と重なる部分があると思いますが、「コーナーの加減速があるかどうか」、もっと言うと「バンクの斜度の違い」に尽きると思います。競輪の場合はその天候・走路状態に拠らず、一旦トップスピードに乗れば、コーナーと言っても急なバンクという事もあり、コーナーで殆ど減速すること無くゴールまで駆け抜ける事が出来ます。それも殆ど1周(但し赤板から駆ける猛者の場合は2周)の間のみです。これに対しオートレースは、コーナーのバンクの斜度は殆ど無く、コーナーでは加減速が必要となります。そして6周回なら6周回全てに言える事ですので、それだけ湿走路での技量がレース結果に大きく反映される事になります。
■湿走路予想はホント奥が深い
さて、そんな「良走路より配当が堅くなる傾向」にある湿走路ですが、ではそれだけ単純なレースになるのか、というと決してそうではありません。湿走路のレースを見れば見る程、いろいろ見えてくる事があります。配当面でも、あくまで一般的に堅くなる傾向にあるというだけであって、もちろん穴車券も飛び出します。ここからは、「湿走路でも穴車券をビシッと狙いにいくためのポイント」を私なりに挙げていきたいと思います。
まず、湿走路が得意な選手が何人出ているか、というのは大きなポイントです。例えば湿走路が得意な選手が1人、2人しか居なければ、その選手を中心に売れ、またその選手がキッチリ結果を出すので、概ね3連単でも3桁等、配当面では期待できません。
しかし、湿走路得意な選手が大挙出走するレースでは、ちょっとした違いによって着順が変わり、穴車券が飛び出す可能性を秘めています。もちろんそれだけ予想は難しいですが。
次に、「試走とレースで走路状態が変わる可能性がある場合」も、穴車券の宝庫であると考えています。
オートレースにおける走路状態は、公式発表レベルでは3種類あります。「良走路」「湿走路」、そしてその中間の状態を指す「斑(ぶち)走路」です。その名が示す通り、例えば少し雨が降った時、逆に雨が止んで乾き始めた時に、走路の所々が濡れている状態の事です。試走とレースまでの間には概ね30分程の間隔があり、その間に雨が降ったり、雨が止んで乾く事で、状態そのものが変わる事がよくあるのですが、前回の「数字で学ぶオートレース」の時にも述べた通り、オートレースはまず試走タイムの良し悪しでオッズが形成されていきますので、例えば良走路の試走タイムは良かったけど走路が濡れると得意ではない選手がレースで飛ぶパターンや、その逆(湿走路は得意だけど走路が乾いた事でそのアドバンテージが無くなり飛ぶパターン)によって穴車券の可能性が生まれます。例えば、現在、湿走路では全国トップレベルの成績を残している飯塚の竹谷隆選手ですが、斑走路では意外に飛んでいます。やはり「雨と言えば竹谷」というイメージがあるだけに、多少雨が引いても売れる部分があり、これが飛ぶ事で簡単に3連単万車券になったりします。
・・・と言っても、例えば試走直後に雨が降ったりして、お客さんが予想を変える時間が十分にある場合は、やはりオッズの傾向も変わっていきますので、そこまで穴になる事はありません。そのため、例えば「今にも雨が降りそうな天気」の場合は、走路の金網近くまで出て、雨が降ってくるかどうかを直前まで見極めてから車券を購入する、というようなテクニックが必要になったりします。
そして、ここまで述べたような「走路状態の変化による穴車券」に関しては、公式発表が変わるレベルまで違わなくても、つまり公式発表上では「湿走路」のままでも、走路上の水量の変化によってレース結果が変わる事があるように考えています。なので、これは以前のGambooコラムでもちょっと提唱した事があると思うのですが、個人的には、競馬で言うところの「重馬場」「不良馬場」のように、オートレースも「湿走路」で一括りにするでのはなく、少なくとも、「ただ全体的に表面が濡れている状態」と「水たまりが出来るような(走ると水しぶきが上がるような)状態」については異なる表現を用いた方が良いと考えています(現状はこの2つの状態は一括りで「湿走路」と表現されます)。そして、突き詰めていくと、おそらく湿走路の中でも「水たまりが出来るような状態の方が上手い選手」みたいな細かい傾向もあるように思います。この辺りまで行くと、公式発表レベルの数字には表れない部分ですので、選手1人1人の傾向を独学で細かく見ていく必要があり、これはもはや「試験には出ないから覚えなくても良いレベル」の話かもしれませんが。
そして最後に・・・これは私のコラムでもよく出てくる話で、湿走路の場合に「利くコース」「利かないコース」というのがあり、その日の傾向を見定める事で、狙って取れる穴車券もある、という点も挙げておきたいと思います。
湿走路になると、概ね選手の通るコースが2通りに分かれます。即ち、それほどスピードは無いものの内線いっぱいの経済コースを回るパターンと、スピードを保ちながら外目のコース(捲りで使われるコース)を回るパターンの2通りですが、コース上の水量等によって、「今日は内が利く」「外が利く」みたいなハッキリとした傾向が生まれる事があります。湿走路でどちらのコースを回るのか、というのはこれも選手1人1人にタイプがあるのですが、その選手の特徴を知った上で、その日の傾向と照らし合わせながら予想してみると、意外に狙える穴車券も出てくる事があります。ただ、これは本当に「その日の傾向」であって、前もって分かるものではありません。雨量の違い、開催場の違いによっても変わりますので、レースが始まってみないと分からない部分となります。
更に、コース取りという話では、よく「試走とレースでコースを変えてくる選手」も居ますので要注意です。選手コメントを見てみると、「試走では内側を走ってみたけど、滑ってダメなのでレースでは外目を走ってみたらうまくいった」みたいな感じのコメントが出たりする事があります。この場合、概ね試走タイムが悪くなり、人気を落とし、レースでは車券に絡んで穴になる、みたいな感じになります。これも、普段からこの選手はどちらのコースを使うのか、というのを知っているかどうかで、これほどまでに難しい穴車券をあっさり取れる可能性にも繋がっていくと考えています。
・・・さて。
もう最後辺りは、勢いに任せて、どんどん深い奥底へ話を突き進めた感がありますね。ここまで行くともう経験談みたいな感じで、何と言いますか「頭の片隅に、うっすらとでも置いといてください」というような感じでもあります。
ただ、ここで1つ私が申し上げておきたいのは、もし、オートレースで湿走路は「堅いし、面白くない」というイメージをお持ちの方がいらっしゃいましたら、実はそうではないですよ、湿走路でも穴は出るし、しかもある程度傾向を知れば、「当てずっぽうではなく、狙って取れる穴車券もあるんですよ」という事です。
最近になってよく思うのですが、ホント、オートレースの湿走路は奥が深いです。
そんな私の、M岡S造並みの熱い気持ちを、このとりとめのないコラムから汲み取って頂ければ、これ以上の喜びはありません。
長文・駄文でしたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
次回の「Kazz流オートレース講座」もお楽しみに。ちなみにテーマは未定です。
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Kazz流オートレース講座(梅雨直前講習スペシャル)
2015/06/05 7:55 閲覧数(2404)コメント(4)
Kazz
>店長(座長)さん
コメントありがとうございます!お待ちしておりました(^^)
有難いお言葉を頂き、大変感謝しております。
おっしゃる通り、オートレースは天気にしろ機力にしろ、とにかく直前気配が重要な競技であり、その意味では確かに前売りには不向きですし、自己矛盾ではありますが「前予想」というのにも向いていない部分はあります(笑)
その中で、個人的に目指したい領域というのが「試走や直前気配によってもブレない予想」または「試走や直前気配によってブレる部分を予め想定した予想」でして(もちろん「良走路」「湿走路」の2通りの予想は必要ですが)、これが出来るようになり、前予想がズバズバ当たるようになったら、個人的には快挙かなと思って、小さくガッツポーズする感じになるでしょう(笑)
今後も精進いたします(^^;
コメントありがとうございます!お待ちしておりました(^^)
有難いお言葉を頂き、大変感謝しております。
おっしゃる通り、オートレースは天気にしろ機力にしろ、とにかく直前気配が重要な競技であり、その意味では確かに前売りには不向きですし、自己矛盾ではありますが「前予想」というのにも向いていない部分はあります(笑)
その中で、個人的に目指したい領域というのが「試走や直前気配によってもブレない予想」または「試走や直前気配によってブレる部分を予め想定した予想」でして(もちろん「良走路」「湿走路」の2通りの予想は必要ですが)、これが出来るようになり、前予想がズバズバ当たるようになったら、個人的には快挙かなと思って、小さくガッツポーズする感じになるでしょう(笑)
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しのっち
大変勉強になりました。