人づてに聞いた話だから発言者の特定は避けるけれど、その選手曰くグランプリで先行することは皆が考えるより過酷である。
大観衆、夕の寒さ、静けさが響めきに変ずる、グランプリ特有のボルテージ。たしかに想像するだけでも大変そうだ。ましてや初出場の新山響平にとってはその苦労推して知るべし、肉体の疲労も精神の消耗もまだ癒えぬかのように新山は早々と二次予選で敗退した。と解けばお前に何がわかると返されるだけか。
準決の一発めは新田祐大と北津留翼の同期車券できれいに?入った。野口裕史がいつものように馬車馬のごとく(真にほめ言葉です)逃げた。それを四番手から森田優弥-雨谷一樹が捲ると、更にその上を新田-佐藤慎太郎の六番手捲りだ。そのまま福島ワンツーかに八番手捲りの北津留が佐藤を四分の一車輪とらえた。新田も北津留もお得意の――ピッチが上がった上を更なる加速で抜き去る――展開には違いないけど、やっぱり強い凄い。シンタローのハコ3着も仕方なしだ。
二発めは北井佑季に大名マークの郡司浩平で頭鉄板、見ている方は(走っている方も?)そんな感じだった。郡司は北井を残すことは叶わぬも、高橋雅之を決勝に乗せる(三着)ことには成功した。佐々木悠葵は四番手で清水裕友は七番手、その差が素直に出て、佐々木が二着を確保した。
三発めはどっちが本線でどっちが第二ラインだがわからない競輪になった。正攻法の松井宏佑-和田健太郎-岡村潤が突っ張りつつ絶妙ペースで先行、すんなり中団の吉田拓矢-平原康多を完封の南関ワンツースリーで終幕だ。数日前に吉田-平原の連携に前ほどの魅力を感じないと記したことは記したが……。平原は昨日(二次予選)佐々木悠葵の番手で差しっぱくれている。決勝で佐々木-平原ならやっぱり平原からかしら……などと余計な心配をしながら観戦していた。おっと、それどころじゃない、南関は何人乗ったんだ?
【立川記念競輪決勝】昨年末十二月三十日の平塚競輪場、第十競走のS級決勝は北井佑季がブン回して松井宏佑-和田健太郎の番手捲りだった。つづく第十一競走は大一番のグランプリだ。松井から「地元のバトン」を受け継いだ郡司浩平は孤軍奮闘も惜敗の三着に終わった。ここまで書き連ねればおわかりでしょう。番手捲りを思い込んだ竹林は誰も止められない。新田祐大が最近攻め幅を広げるための模索をしているのは承知だ。佐々木悠葵だって、もしかすると北津留翼とて「引けない」状況なら車を下げまい。だけど、だけど、南関ラインの「どこ」でやっても、やったひとの優勝確率はがくんと下がると思うけど。ま、そんなことを怖がっていては、S班が三人もいる競輪で二段駆けは買えんでしょうよ。
新田も強い、北津留も強いけど、郡司の方が強いと思っている。その郡司が五人結束の南関の番手回りなのだから大丈夫、大丈夫、思い込んだら吉日である。
新春一発めの記念は一番人気の二車単②⑨を買います。
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