初めて行った競輪場は京王閣か西武園か立川だった。
府中競馬場とは客種が瞭かに違ったし多摩川競艇場とも雰囲気が異なった。
三十五年前の競輪場は恐い場所だった。が、その異種の空間に俺は惹かれ抜けられなくなる。
競輪選手にではなく競輪場で車券を買う人間に憧れたのだろう。
俺は山松ゆうきちの漫画に登場する〈しりあす甚一〉や〈ポカ熊〉を穴場の列や売店前のベンチに探すようになった。
映画〈競輪上人行状記〉のラスト、小沢昭一扮する法衣を纏った予想屋・春道はこう叫び説く。
「車券はハズレルことを怖がっちゃイケナイ、取れる時は一本で取れ!」と。「競りは競輪の華、競輪は準決が一番オモシロイ」が口癖だった昨年物故の某先輩に本欄を捧げます。
竹林一彦 競輪専門紙〈アオケイ〉編集長、1958年生まれ
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