一時期、ジカ競り宣言のマーカーばかりを意地になって買っていたが、あまりの回収率の悪さに俺はすぐ宗旨替えしてしまう。それほどに現在の競輪に於いて「競り」は間尺に合わない戦法なのだろう。
名古屋記念の第六競走は◎久米康平の番手が競り合うコメント。選手紹介でも小野俊之と石丸寛之でビシッと併走していた。
ほぼ全選手のコメントが公となる今の競輪と、コメントなどほとんどない昔の競輪では、地乗り=選手紹介の重要性は格段に違ってくる。
もう想い出すのもむずかしくなったが、地乗りでA-B-Cの本線の四番手にマーク屋のDが廻った。金網の此方側が各人各様それをどう解釈するかだが、絶対の少数派はDが四番手で我慢するで、一車上がって三番手を競るか、番手まで追い上げるか。その二択の推理が大半だったと記憶する。明確にはせずともヒントを与えてくれる地乗りであったわけだ。ま、二分戦主流の時代の話だから、現在の選手紹介に当て嵌まるわけもないのだが、時折、似たような意思表示をするベテランのマーク屋を見ると嬉しくなってしまう。
コメント「前々――」で競ったら怒られ、選手紹介フラフラで番手やったら怒られる――。コメント「先行!」で捲りになり野次られた某選手は、次からコメントを「自在」に変えた。
車券の対象なのだから、なるべく言ったり見せたりしなさい――は理解するが、競る競らない、逃げるか捲るかを全部教えてくれる――、そんな「暢気」なギャンブルではないぜ、俺が病みついた競輪は。
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