取手ガールズケイリンは最終日、決勝戦はステファニー・モートン（オーストラリア）が捲って優勝、アナスタシア・ボイノワ（ロシア）は③着に終わった。

レースは太田美穂→荒牧聖未→中村由香里→荒川ひかり→モートン→石井貴子（千葉）→ボイノワという初手の隊列、このまま打鐘となり美穂が敢然と先行態勢に入る。

連日早めに仕掛けていたモートンだが今日は後ろにボイノワがいるのでじっくり脚をためて２角でボイノワが捲ってくるとそれに併せて５番手から捲っていく。

前団では荒牧が美穂の番手から発進もモートンがこれを捕らえて４角先頭、貴子がしっかり続いてボイノワはその外に浮いてしまう。

モートンは貴子を余裕で振り切って圧巻の完全優勝、貴子が好マークの②着となりボイノワは③着に敗れた。

モートンは絶妙な仕掛けでボイノワを封じて見事な優勝、ぶっちぎって勝つような派手さはないがボイノワと比べるとこちらのほうが前々に運べていい意味での素軽さというか自在性を感じる。

今日はその差が出た一戦、日本勢が相手だとレベルが違いすぎるので分かりにくいが、脚力が拮抗した相手と走って初めて位置取りなどそれ以外の部分が問われる。

貴子は初手からモートンをマークにせよ強力外国勢に割って入る大健闘、こちらも五輪を目指して二足の草鞋で頑張っていた選手だし完調ではないなかでもそれなりのレースで意地は見せられたか。

横の動きが少なく道中の出入りも少ないガールズケイリンではやはり初手からマークというのは極めて重要、こういう組み合わせで「前々」などと考えていては間に合わないし絶対に最初から決め打ったほうがいい。

これは普段の予選にも当てはまること、力差のある相手に対して飛びつく脚などないのに「前々」とか「取れた位置から」などと言っているようでは甘い。

ボイノワは日本勢が相手なら何番手だろうと脚力の違いでねじ伏せてしまうだろうが、モートンが相手で位置取りの淡白さが致命傷になってしまった。

思えば予選から外をブン回す大味なレースだったのでこういう形は予想できたこと、ぶっちぎりの圧勝という見た目の派手さで安易にこちらを上位に取ってしまったと反省せざるを得ない。

それでも脚力自体は互角以上、これで勝負づけが済んだとは思わないし滞在中にリベンジを狙ってくるだろう。

あとは外国人選手が強すぎて目立たなかったが美穂が結局番手捲りを放った荒牧を交わさせなかったのは評価していい。

今回は実は三日間外国人とそれをマークした貴子以外には先着を許していないのだからたいしたもので勝ったも同然の内容だ。

青森ミッドナイト二日目は長澤彩と石井寛子がともに連勝、以下はちょっと差があり両者の優勝争いか。

１Ｒは６車立てで山口菜津子→長澤→山口優衣→坂口楓華→明珍裕子→田中真彩という初手、このまま打鐘を迎えてまず坂口が踏み込むと明珍は離れてしまうが長澤が坂口の後ろに切り替えると優衣はもう追走しようとせず下がってしまう。

好枠を生かしてせっかく初手で長澤後位にいて買う側もそのつもりなのにそれを簡単に手放してしまうのは萎える。

坂口に離れた明珍としては長澤が前に入ってくれて坂口についていくよりむしろいい形(笑)、これはラッキーだった。

長澤が最終バックで坂口を楽々捲って先頭、明珍も今度はしっかりついていく。

さらに後方から捲った真彩がその後ろに追いついて直線へ、長澤は全くの楽勝で余裕の連勝を飾った。

マークする形になった明珍が②着、捲り追い込んだ真彩が③着となった。

長澤は相手にも恵まれて順当勝ち、ここで負けていては話にならない。

やや優勝から遠ざかっているので今回こそはの気持ちだろう。

明珍は踏み出しが課題で坂口に離れたものの逆にそれが吉と出て長澤後位を確保した。

内容はともかく予選で③②着は大健闘、今回は流れがよかった。

真彩はやはり初手は後方で捲り追い込む形、位置取りをやるよりじっくり構えて縦の脚を伸ばしてくるタイプだ。

今後はレース運びが課題となるが今のところはこれでそこそこ結果が出ている。

坂口はまともに飛び出して後ろが長澤ではどうしようもない。

⑤⑤着でまさかの予選落ちとなった。

２Ｒは寛子→藤谷はるな→中西叶美→亀川史華→加藤恵→蓑田真璃→遠峯加奈、残り２周の手前から蓑田→遠峯が上がっていくと亀川も切り替える。

打鐘で蓑田が斬ったところを遠峯が叩くとさらに最終ホームで亀川がその上を叩いて主導権、寛子はこの後ろに切り替える。

これで万全かと思われたが亀川がペースを落としたこともあり今日は内の遠峯もよく粘ってさらに外からは加藤・中西も捲ってあわやの場面を演出する。

車群が密集して波乱ムードも漂ったが３角で亀川が加藤の捲りに併せて踏んだので自然に寛子も脱出、これはもう楽勝の形だ。

最後は寛子が亀川を差し切って連勝、亀川が逃げて②着となり寛子の後ろに入って車群を割った蓑田がゴール前で粘る遠峯を交わして③着に突っ込んだ。

寛子は終わってみれば楽勝だが狭くなる場面もあり、亀川を交わしてゴール前で流したところはホッとしていたように見えた。

得意ではないのは間違いないがだんだん接近戦もこなすようになっているし、予選クラスでは脚が違いすぎるのでどうやっても間に合う。

亀川は仕掛けを修正して②着でしっかり決勝進出、やはり力がある。

流しすぎて極端なヨーイドンにするのは自身によくないので３角から踏んで寛子には交わされたが、決勝進出のテーマに沿ったレースができていた。

蓑田は連日の健闘、余計な脚を使ってしまうことも多いが内に詰まってかえって脚がたまったか。

３角から直線にかけて寛子後位に切り替えて狭いところを突っ込んできた動きは評価できる。

結果は堅く収まったが伏兵陣も最終的な着は別としてそれぞれ見せ場があってレースとしては面白くなった。

9/10
青森1Rガールズ一般
[車 名 期県]
①加藤　恵　　 112青▲
②遠峯　加奈　 110群○
③黒河内　由実 110新△
④山口　菜津子 102高
⑤中西　叶美　 112愛
⑥坂口　楓華　 112京◎
⑦山口　優衣　 108佐

実績で大きく上回る⑥坂口の勝機、ここは負けられない。

相手は今日の動きがよかった②遠峯と二日目から補充の①加藤も一般戦は走る。

最終日のみ補充の③黒河内まで。

三連単
⑥→①②③

9/10
青森6Rガールズ決勝
[車 名 期県]
①石井　寛子　 104東◎
②田中　真彩　 112媛△
③亀川　史華　 110兵▲
④蓑田　真璃　 110千
⑤藤谷　はるな 110茨
⑥長澤　彩　 　106愛○
⑦明珍　裕子　 104島

今の①寛子には逆らえない。

相手も順当に⑥長澤からしぶとい③亀川が本線、捲り追い込む②真彩が特注だ。

三連単
①→⑥＝②③

岐阜記念「長良川鵜飼ｶｯﾌﾟ」三日目準決勝はやはりまともには収まらず、11Ｒだけは他派が何もしなかったのであっさり決まったが連日人気所が全くアテにならない。

平原康多にしても浅井康太にしてもこのところはウマつきのヌルい番組ばかり、これでは自力がなまってしまうというもので今回は平原が二日目から自力の番組になったらさっぱりだ。

浅井も勝ってくださいの展開になってようやく①着は取ったが怪しいかぎり、どちらも全然買う気にならないし来ても安いのだからバットを長く持って振り回したい。

9/10
岐阜12R Ｓ級決勝
[車 名 期県]
①竹内　雄作　99岐
②成清　貴之　73千△
③浅井　康太　90三
④友定　祐己　82岡○
⑤岡村　潤　　86静
⑥中井　太祐　97奈◎
⑦平原　康多　87埼▲
⑧野原　雅也 103井
⑨坂口　晃輔　95三

並び
⑦25 ①39 ⑧64

⑧野原は小田原では準決勝敗退も今回は総力戦で見事に決勝進出、決勝は地元で自分が勝ちたい①竹内と後ろが他人の⑦平原なら主導権は取りやすい。

それなら⑥中井には絶好の展開、準決勝はコメント通り竹内に完敗だが野原の番手があれば話は別で、三日間③着での決勝進出はラッキーボーイ的な匂いを感じる。

最後は自力に転じてあっと驚く記念制覇に期待してみたい。

相手はまず後ろの④友定、あとはやはり⑦平原とその後ろの②成清も好気配だ。

野原が先行なら中団はまず平原、竹内は後方になるので中部は思い切って消し。

二車単
⑥＝②④⑦