ガールズケイリンについて 人気順と車番,および競走得点差に注目して分析を行い、 その結果をもとに期待値100円越えの車券購入方法を模索しました。 今回はその前編です。
2016年7月1日 ~ 2018年6月30日 の 2年間のガールズレース。 2,169レース。
対象 2,169レースの平均配当は次のとおり。
2車単 平均配当 |
1,894円 | (平均売上枚数: 15,389枚) |
3連単 平均配当 |
10,053円 | (平均売上枚数:140,136枚) |
同期間・同条件の7車立てチャレンジレースの平均配当は、 2車単:2,575円,3連単:13,123円ですので、比較すると かなり低くなっています。
各レースの人気を2車単オッズから求め、以降 次の印で人気順を表現します。
◎ | 2車単オッズの1着支持率が | 1位の選手。 |
○ | 〃 | 2位の選手。 |
▲ | 〃 | 3位の選手。 |
△ | 〃 | 4位の選手。 |
× | 〃 | 5位の選手。 |
注 | 〃 | 6位の選手。 |
_ | 〃 | 7位の選手。 |
今回はオッズ値から人気順を求めましたが、ラインがないガールズケイリンにおいては、ご利用の予想紙における 本命・対抗・単穴・連穴… の印とみなして良いです。
(無印選手が複数の場合は競走得点によって順位を判断してください。また人気順の印は予想紙によって異なりますのでご注意ください。)
対象 2,169レースの人気別 1着率・2着率は次のとおりです。
人気 | ◎ | ○ | ▲ | △ | × | 注 | _ |
1着率 | 70.45 | 18.12 | 5.53 | 2.86 | 1.66 | 1.06 | 0.51 |
2着率 | 15.12 | 35.32 | 21.21 | 12.45 | 8.34 | 4.79 | 2.63 |
1番人気選手の勝率は7割を超えています。同期間のチャレンジ7車立てでは約54%なので、比較するととても高い値となっています。
対象 2,169レースの車番別 1着率・2着率は次のとおりです。
車番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
1着率 | 15.00 | 13.16 | 14.63 | 15.05 | 13.25 | 14.22 | 14.68 |
2着率 | 16.99 | 15.51 | 16.71 | 12.79 | 12.97 | 12.14 | 12.88 |
男子のレースでは 6番車の 1着率・2着率は極端に低かったりするのですが、一見するとガールズではそれは無いようです。
では、ガールズでは力や人気に関係なく車番配置されるのでしょうか? 下の表4-2 に人気別の車番配置率をまとめてみました。
人 気 |
◎ | ○ | ▲ | △ | × | 注 | _ |
1 番 車 |
14.48 | 15.12 | *16.78 | *16.46 | 15.12 | *12.03 | *10.00 |
2 番 車 |
13.60 | 14.52 | 13.00 | 14.66 | *16.23 | *16.27 | *11.71 |
3 番 車 |
15.63 | 15.40 | 15.12 | 14.25 | 15.40 | 13.69 | *10.51 |
4 番 車 |
14.34 | 14.43 | 13.83 | 13.74 | 12.45 | 15.17 | 16.04 |
5 番 車 |
13.05 | 14.29 | 15.44 | 14.34 | 14.75 | 16.04 | *12.08 |
6 番 車 |
13.97 | *12.08 | 12.91 | 12.91 | *11.57 | 13.28 | *23.28 |
7 番 車 |
14.94 | 14.15 | 12.91 | 13.65 | 14.48 | 13.51 | *16.37 |
選手がランダムに車番配置されると上表の各マスの値は14.29% (=1/7)に近い値となるはずです。
◎選手が各車番に均等に配置されているか、同様に ○,▲,△,×,注,_ の選手が均等に配置されているかを 統計的に検証(有意水準5%でカイ二乗検定)してみると、◎,○,△選手は均等配置されていると言えるのですが、▲,×,注,_選手の配置には偏りがあります。
(表中の * 印の値は 個別に有意水準5%で二項検定しても 均等配置の誤差の範囲外となります。)
特に_選手の6番車への偏りは大きく、「弱い選手は6番車」という男子競輪の慣習はガールズケイリンにも ある程度残っているようです。
表3-1 と 表4-2 のデータで、表4-1 の値を補正して、車番による1着率,2着率への影響を調べてみます。
例えば、1番車の1着率,2着率の期待値は それぞれ、
(◎選手の1番車への配置率 × ◎選手の1着率)+(○選手の1番車への配置率 × ;○選手の1着率)+ … 以降_選手まで
(◎選手の1番車への配置率 × ◎選手の2着率)+(○選手の1番車への配置率 × ;○選手の2着率)+ … 以降_選手まで
で計算できます。同様にして2~7番車の1着率,2着率についての期待値を計算して表にまとめると、
車 番 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
1 着 率 |
14.74 | 13.83 | 15.47 | 14.30 | 13.50 | 13.54 | 14.63 |
2 着 率 |
15.26 | 14.23 | 15.02 | 14.12 | 14.42 | 12.96 | 14.00 |
となります。表4-1 の値(実際の出現率)を表4-3 の値(期待値)で割ってパーセント表示すると、
車 番 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
1 着 率 |
101.78 | 95.19 | 94.60 | 105.26 | 98.20 | 105.03 | 100.33 |
2 着 率 |
*111.33 | 109.01 | *111.26 | 90.60 | 89.97 | 93.72 | 92.01 |
です。100% を超えている場合は 期待値以上の出現率があるということです。この出現率と期待値の差を統計的に検定(有意水準5%でカイ二乗検定)すると、 1着の出現率は誤差の範囲内なのですが、2着の出現率は車番との関係性がある と判断できます。
車番別に検定(有意水準5%で二項検定)しても、1番車と3番車の2着数は 有意的に高い と判断できます。 範囲内ですが2番車の2着率も高くなっており、「内枠(1~3番車)は、外枠(4~7番車)に比べて2着率が高い」 と言えます。
参考までに、対象期間のガールズ決まり手の比率を示します。
1着決まり手:
逃げ:26.65% 捲り:47.45% 差し:25.91%
2着決まり手:
逃げ:17.54% 捲り:19.58% 差し:14.64% マーク:48.25%
2着はマークの決まり手が高くなっています。「イン待ちから強い自力選手の番手への飛び付き」が有効な戦法となっていて、そのために内枠の2着率が高くなっているのかも知れません。
以上の分析で、
ということがわかりました。
これをもとに、次回は 車券シミュレーションで 期待値100円越えの車券購入方法を模索します。