※文中選手名敬称略
初代女王は佐藤水菜‼︎
松戸で行われたガールズケイリン新設G1第1回「オールガールズクラシック」決勝は今やナショナルチームのエースに君臨する佐藤水菜が人気に応える完全V、これで水菜は年末のグランプリの出走権も獲得した。
レースは尾方真生が前日に続いて前受けして以下吉川美穂→久米詩→太田りゆ→児玉碧衣→水菜→石井寛子という初手の隊列、打鐘前から児玉が一気に飛び出すと久米がすかさず切り替える。5番手になったりゆが捲っていくがこれは不発、しかしこれを追った水菜がその上からものすごいスピードで捲って一気に前団を飲み込む。この時に吉川は俊敏に車群を縫ってうまく外に出すと久米の後ろにスイッチする。水菜はそのまま突き抜けて圧勝、早めに仕掛けた児玉を久米が交わそうというところをさらに後ろからよく伸びた吉川が②着に突っ込んで久米は③着となった。
水菜はここも圧倒的な強さで大楽勝の完全V、むしろ準決勝のほうがやや厳しい展開で当面の相手となる児玉やりゆがかえって引き出してしまった感もある。今回はアジア大会でスプリントとケイリンの二冠を達成したばかり、世界選手権帰りだった前回ドリームレースで児玉に敗れているだけに調整面だけが心配だったが全くの杞憂に終わった。これ一発でグランプリ出走も確定、順調にいけばもちろん大本命になるだろう。その先はもちろんパリ五輪でのメダル獲得へと夢は広がるばかりだ。
吉川は前を取って尾方を迎え入れる作戦、尾方がまた突っ張ってくれるとよかったが児玉がかなり早く叩きに出て尾方が下げたので苦しい位置になってしまう。しかし最終バックからの動きが凄まじくどこから来たの?というレベルであっという間に児玉→久米の後ろに取りつくと最後はこれらを交わして②着に浮上した。サマーナイト決勝に続いての②着でもう完全にトップクラスの選手、そもそも期は新しいがデビューが遅くなっただけでキャリアは豊富でありこちらもナショナルチームに所属していたこともある。年齢的にここからさらに脚力が飛躍的に伸びるというのはちょっと考えづらいが運行センスは抜群で何でもできるのが強味、あとはタイトル獲得となると運も必要だが今の力を維持できればどこかでチャンスはあるはずだ。
久米は奇襲と言っていい児玉の早めの仕掛けにいち早く反応、二日目も素晴らしい動きだったがここもまた児玉に切り替えて絶好の展開になった。二日目は同着になったがあとは差すだけ、しかし相手は児玉だけではない。りゆの捲りは何とか止まったがその上から水菜がすっ飛んできてはもうどうしようもなかった。最後は児玉は交わしたものの後ろから吉川にも抜かれてしまったが立ち回り自体は三日間文句のつけようがないレベル、これは上位の2車をほめるしかないだろう。今年は快進撃が続いて賞金額はすでに2000万を超えておりグランプリも当確だ。結局はサマーナイトの①②着がここでも②③着、吉川も久米も一連の成績は紛れもなく実力ということだ。
児玉は結局④着、いくらなんでも普段より仕掛けが早すぎたしまともに飛び出してしまっては末が持たない。じっくり構えて一気に踏み上げるレースが一番得意なパターンなのだからそうなりにくいこのバンクは明らかに不得手だし今日は「重馬場」だったこともこの選手やりゆ・尾方あたりの瞬発力タイプにとってはよくなかったと思う。サマーナイトの決勝もやはり早仕掛けでズブズブになっており調子云々でなく本質的に持久力はいまひとつだ。舞台設定や番組ひとつでレースの質もガラッと変わるし実力そのものが上位であることは間違いないので得意な形になればまたあっさり巻き返すだろう。
寛子は⑦番車ということもあるが水菜後位に決め打って最後方の初手、しかし水菜の踏み出しにあっさり離れてしまった。二日目にも児玉に簡単に離れておりちょっと深刻だ。さすがに年齢的なものもあるのだろうか。それにやはり普段からもっと厳しいレースをやらないとこういうところで動けない。
尾方は吉川に入れてもらって二日目に続いて前受け、二日目は突っ張り先行で山原を撃破して②着に残ったが今日は児玉が仕掛けてくるとあっさり下げてしまった。児玉だけならこれでもいいが久米もきたのでまた下げる。こうやって安全圏まで下げているうちにどんどん後ろが仕掛けてきてもう手遅れになってしまう。何回も書いているがとにかくガールズケイリンで前団から下げるという行為は無駄、出入りが少なく巻き返しが効きにくいからで33なら尚更だ。
りゆは完全に捲り不発で惨敗、脚力そのものは水菜と遜色ないレベルにあるがこちらは総合力がまだまだでこのクラスのレースだとどうしても一発狙いになってしまう。それでもいつそれがハマってもおかしくないだけの爆発力を秘めるのは確かだ。もっと若く見えるが来年はもう30歳、今の脚力をいつまでも維持できるわけではないので早く結果がほしいところだろう。
前座トーナメントは決勝が3つ、Aは地元の刈込奈那がまんまと逃げ切って涙の初優勝を飾った。トップスピードがないので最初から前にいて突っ張るしか作戦がない刈込が大外枠、明らかに苦しい展開なのに熊谷芽緯が簡単に出させてしまったのが大失敗で突っ張っていれば何でもなく大楽勝だった。刈込を生き返らせた挙げ句比嘉の追い上げで自身は内に詰まりっ放し、経験不足と言えばそれまでだが裏開催でもここまで低調な組み合わせはなかなかないのでここはしっかり初優勝を飾っておきたかった。結局熊谷と比嘉は最後まで並走のまま刈込の押し切り、かなり恵まれたのは間違いないが徹底先行を貫いてきた刈込に競輪の神様からご褒美が舞い降りたとでも言っておこう(笑)。成績に関係なくこういうやる事が決まっている選手というのは客にとっては展開を推理しやすくなるという点で貴重な存在であり、特にガールズケイリンでは徹底先行タイプが少ないだけに今後も時々こういう展開があるかもしれない。初優勝おめでとう‼︎
Bは新人の竹野百香が大楽勝の完全V、本デビュー後は初優勝となった。今回は3トーナメントともに新人の活躍がやたらに目立ったが主力勢はG1に出るのだから残っている既成勢力はどうしても手薄になる。それでもしっかり文句なしの結果を出したのはたいしたものだ。現状はまだまだ上位とは差があるが年齢的にもまだこれから伸びるはずだ。こちらも初優勝おめでとう‼︎あとはこれも地元浦部が②着に健闘、③着キャラだが今回は④②❷着でまとめてきた(笑)。先に仕掛けた中村美那を追った戸田瑞姫(③着)に対して浦部はこれは追わずに竹野が来るまで待って切り替えた判断が吉と出た。必ずしもどちらがいいとか悪いとかではなくその時々の結果で判断するしかないがとにかく千葉に復帰してからやけにデキがいい。
Cはまたまた地元で石井貴子(千葉)が貫禄の完全V、実績はここでは飛び抜けており本来ならG1を走っている選手だ。故障もあり近況はなかなか優勝できずにいたが今日は全盛期を思わせるような圧巻のカマシで悠々押し切った。もちろん相手関係がだいぶ楽なのでこれだけで復活というのは早計だが光は見えた。松井は今日は完敗、新人のなかでは完成度は高いが今のままではちょっと器用なだけの中途半端な選手になってしまう。どう見ても先行選手というよりは自在寄りでそちらを研いてほしい。あとは川路が貴子に離れながらも③着、マーク戦が主流になるのだからもっと位置取りは厳しくやってほしいが近況はよく頑張っている。
全体を通してはやはり週末にやってほしいというのと前座戦はひとつにまとめたほうが盛り上がるのかなと思う。細かいところでは色々あるが第1回としては大成功だったのではないだろうか。試行錯誤のうえ伝統と名誉のある大会になっていってほしい。
最終日は車券のほうは12打数3安打、相変わらず打率は芳しくなかったが最後に2本いいのが取れたのは大きい。ティアラカップの特大ホームランもありそこそこ面目は保てたか(笑)。
今回はこれでおしまい。また気が向いたら書くかもしれない。普段はつぶやきのほうで能書きを垂れているので興味のある方はご覧いただきたい。
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2023/10/05 5:21 閲覧数(548)コメント(6)
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田舎者
無事にガールズ初のG1も終わりましたが、決勝戦が4個レースにした意味が全く理解できませんでした。