シャツをたくし上げ汗を拭くと見事な腹筋が覗く錦織圭がロック・シンガーのミック・ジャガーとダブる。今や絶大人気・好感度急上昇のスター錦織なのに、ボールやタオルを渡してくれる〈ボール・ガール〉への応対は意外なほどゾンザイだと知人にこぼしたら、お前の視点は変だと一蹴された。
　昔は選手紹介時に余分な動作でもしようものなら、外部へのサインと混同される恐れありと厳しかった競輪だが、時代は変わり、今では各々の個性的なアクションを楽しめる。
　深谷知広の発走直前の「構え」が素敵だと某女史が興奮していたが、奈良の三三バンクでズルズル九番手じゃァ、せっかくの「ポーズ」も褪せるぜ。負け際の悪いギャンブラーが呟いた。