競輪は人間がやる競技で、一応は全員が一着を目指す、という名目がある。

しかし、グランプリの深谷のように、師匠を引き出す（後ろが勝ってくれれば良い）という競争もある。
長く競輪をやっているファンは、深谷のグランプリのような走りをする先行選手を何度も目にしているだろうし、あの展開を予想する事はそれほど難しくはないと思う。グランプリで無ければ。


もし、新たに競輪を始めようと、一番有名なレース、グランプリを見た、競輪初心者の人はどう思うでしょう。
ましてや、お金を賭けている訳で。
深谷から買ったら暴走気味に逃げて、バックでは車券は外れてしまったのが確定。これでは、またやろうとは思わない筈。

深谷のような競争（後ろが勝てばいい）も、競輪の醍醐味であると思うし、人間臭くて良いと思う。そうなると問題は、一番最初に書いた「全員が一着を目指す」という建前。

準決勝等で「三着までに入れると思って駆けた」等という選手も居るし、建前は建前で良いので、新聞記者等は取材をキチンとし、そして後ろを引き出す競争をしそうな選手は、コメントはさておき、キチンと購買層にその事を伝えて欲しい。

高松全日本選抜二日目、スタールビー賞で、平原康多が池田勇人の前を回り後ろを引き出す先行をしたが、あのレースは池田以下関東勢の１２３が決まり三連単で一番人気だった。（ベテランの）ファンはよく知っている。日刊スポーツの記者は「平原はただ引き出す競争はしない」と本命を打っていた。その記者には猛省して欲しい。