シーナが逝ってしまった。
　定番の５、４、３、２、１、ＧＯ！　発射されたロケットの映写にダブりながら鮎川、奈良、川嶋が現れる。「バッドマンのテーマ」「ホラフキ・イナズマ」「ビールス・カプセル」を三人セットが奏でたあとシーナを呼び込むのだが、「クイーン・オブ・ロックンロール・ハート、シーナぁ！」の「ナぁ！」のイントネーションが何とも素敵なのだ。
　最初にシーナ＆ロケッツを観たのは三十年以上前の大晦日、ニュー・イヤー・ロックフェスティバル（主催する内田裕也とは後年、立川競輪場の廊下で擦れ違うのだが、緊張興奮で声も掛けられなかった）だった。吉井秀仁の西宮オールスター優勝が一九八四年だから、俺が競輪に手を染めはじめた時期に合致するかも知れない。最後は昨年九月の野音、末期癌を告知され二ヶ月後のライヴだったことは死後に知った。そんな決死の演奏だったというのに俺は風邪気味か何かでアンコールを待たずに帰ってしまった。いつまでたっても、肝腎な時に間抜けこの上ない俺だ。
　合掌。