松戸オールガールズ戦は最終日、３つのトーナメントの決勝は106期の「３強」が完全制圧、それぞれしっかり人気に応えて優勝を飾った。

４Ｒはダイジェストでの観戦、後方はよく見えなかったが荒牧聖未→飯塚朋子→三輪梓乃→長澤彩→越田恵美子→奥井迪→石井寛子という初手、前を取りに行って失敗した越田を奥井が入れてやったように見える。

奥井が上がろうとすると長澤が先に動いていく。

ガールズはライン戦ではないが、内から荒牧→飯塚、長澤→三輪、奥井→石井→越田で３列並走の形、奥井と力勝負をする気満々の長澤はもちろんだが、長澤に斬られた上を奥井に行かれては終了の荒牧も突っ張るしかない。

久々に決勝で内枠を得たのに裏目に出てしまった形の荒牧だが、ここからがすごかった。

まずはコーナーワークで長澤を退けてからさらに奥井相手に猛抵抗、最後まで頑張ってあわやの場面を演出した。

最後は奥井が力の違いで飲み込んだがこれはどう見ても「逃げ」たのは荒牧、最終バックも荒牧が取っている。

ガールズの決まり手は男子の競輪の感覚だと違和感があるものが多いが、奥井に「逃げ」がついたこのレースもそのひとつである。

結局は奥井が人気に応えて優勝、これを初手からマークした石井が②着に流れ込み、大立ち回りを演じた荒牧は③着で堅い決着となった。

奥井は粘りに粘る荒牧を最後にようやくねじ伏せて実際は直線でやっと差し込むような形、最終バックこそ譲ってしまったが終わってみれば力の違いを示す結果になった。

次回のオールガールズ戦である小倉ではなんと小林優香と同グループ、この対決は目が離せない。

石井は初手から奥井マークも差せずに対奥井は３連敗、今日は荒牧の突っ張りで奥井がいつものような先行ではなかったのもあるが、いずれにしても完敗である。

荒牧は大健闘、突っ張らざるを得ない展開で苦しいところだが奥井相手に堂々の先行勝負で沸かせた。

何でもできる選手だが、先行でもここまで強いとは恐れ入る。

あとは案外だったのが長澤、自分のタイミングではなかったこともあるが連日相手が強かった。

５Ｒは石井貴子→中川諒子→山口菜津子→高木真備→青木美優→山路藍→中山麗敏、石井の出方が注目されたがやはり①番車を生かしてＳを取った。

中山の上昇を待って高木が外に出し、高木→中山で石井を抑えにいく。

いったんは高木に前に出られた石井は再び踏み込んで高木を突っ張る。

中山後位に切り替えて様子を見ていた中川も再度石井につけ直して内が石井→中川→山口→青木、外が高木→中山→山路で激しいモガキ合いとなる。

高木の番手から中山、さらに山路も捲りに出るが石井がこれらを突っ張り切って完封、中川をも寄せつけずに堂々の逃げ切り勝ちを収めた。

中川はまたも石井を捕らえられず②着、山口が外に出してガラあきになった内を突いた青木が③着に入った。

石井は完勝、後ろが中川になる可能性が高いことは承知でＳ取りから突っ張って他を寄せつけなかった。

前橋のガールズコレクションではやはり①番車で同じようなレースをして③着だっただけに、その借りを返したかったという負けん気の強さがいい。

やや予選での取りこぼしが増えてきた近況、初日はちょっとだらしなかったが残り二日間はしっかりと魅せた。

中川は連日石井を差せず、ともに展開は絶好で差してほしいところだったが石井が強かった。

青木は内がガラあきになり完全に恵まれた形だが大健闘、位置取りは課題だが脚そのものは戦えるレベルにある。

高木は枠順にも泣いた形、いったんは前に出たが内から石井に巻き返されてしまった。

６Ｒは三宅愛梨→田中まい→篠崎新純→門脇真由美→小林優香→猪子真実→白井美早子、５番手から小林が仕掛けると田中も飛び出して応戦する。

小林後位は篠崎、三宅は引いてその３番手に切り替える。

小林の楽勝と思われたレースだが田中がこれを突っ張って猛抵抗、４Ｒの荒牧同様こちらも見せ場を作った。

最後はやはり小林が力の違いを見せつけ圧勝、篠崎は離れてしまい田中を乗り越えられず、田中が②着に残り篠崎は③着に終わった。

小林は田中の予想外の抵抗もあったがこのメンバーで負けるわけにはいかない。

力でねじ伏せて完勝、最後は突き放した。

田中は小林相手に先行勝負で大健闘、そのまま②着に残ったのはほめられていい。

取りこぼしも多くてつかみどころがない選手だがやはり力はある。

篠崎は小林マークも最後は離されて③着、まとまってはいるがもうワンパンチほしい現状だ。

三宅は逃がされては話にならないし、どうせ引くのなら初手でＳを取るより先行してくれそうな田中の後ろのほうがよかったのではないだろうか。

予選二日間は組み立てもよかったが、Ｓ取りから小林に簡単に飛びつけると思っていたのなら甘い。

これで初のオールガールズ戦が幕を閉じたが、やはり力が接近してくる最終日は一番面白いし決勝はどれも好レースになった。

売上も三日間で２億９千万は上々のデキ、私の心配は杞憂に終わり大いに盛り上がった。

色々と改善すべき点はあると思うが、まずは成功といっていいだろう。

最後に初日を迎える松山記念「金亀杯争覇戦」も少し、いまひとつ小粒な組み合わせ、Ｓ級Ｓ班の平原康多と後閑信一は好調とは言えない状態だが、むしろこれらを使える「レジェンド」神山雄一郎がやたらに元気でここはＧＰ出走へ賞金を上積みしたいところか。

10/31
松山12RＳ級初日特選
[枠車 名 期県]
1①内藤　宣彦　 67秋△
2②友定　祐己　 82岡
3③神山　雄一郎 61栃◎
4④中村　一将　 86兵
4⑤平原　康多　 87埼○
5⑥前反　祐一　 81広
5⑦吉村　和之　 80岐
6⑧松岡　貴久　 90熊
6⑨飯野　祐太　 90島▲

並び
⑨１ ⑤３ ④７ ⑧２６

総合力で優る⑤平原は完調でなくても格好はつけるだろう。

それならば③神山の出番、今の調子ならよほど遅い仕掛けでない限り平原を抜きそうだ。

むしろ妙味は別線への車券、北両者を押さえておく。

二車単
③→①⑤⑨

さて、当コラムはついに区切りの300回に到達、ガールズのコラムとして認識されつつあるので、ちょうど初のオールガールズ戦の決勝を振り返ることができたのは喜ばしいことである。

駄作にもかかわらず閲覧数が増えつつあるのもいつも読者諸兄の皆様に「グッジョぶ～！」やコメントをいただいて賑やかに見えるおかげ、いつもありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。