私は古い男だから、はなしがどうも古い時代の話しになってしまう。
時代時代に色んな春の思い出はあるが2016年の春は異質に思い出深い。

そもそも、競輪ダービー(全日本選手権競輪)は3月末開催の特別競輪の王様的存在だ。その開催時期をGW終盤に変更したのは2016年である。観客も期末の多忙な3月末時期よりはぐっと増員見込めるからに他ならないだろうとは感じる。
一方、2011年日本中を恐怖、落胆に落とし入れた東日本大震災に続き、2015年にも火の国・熊本を中心とした熊本大震災に見舞われた。競輪ファンお馴染みの『滑走路』と呼ばれる500バンク熊本競輪場も大きな打撃を受けて開催できないほど破壊された。その熊本県復興を祈念して開催された2016年二回目の5月の大会はその熊本の中川誠一郎の特別競輪初制覇だった。
中川誠一郎は当時はその豪脚からオリンピック選手としてもエントリーされていた。
真っ直ぐ走れば、とにかく強い典型的スプリンター。但し、横の動きには滅法弱く、車体が当たりそうになるだけても位置を下げてしまう『横弱戦士』。
捲りと言う決まり手はどんな選手がやっても強く見えてしまうものだが、昭和56年から競輪を見てきた中でも中川は3指に入る捲りのスペシャリストと感じる。

この決勝は深谷－吉田敏－近藤龍の中部勢と新田－晴智－松坂英の北+地元南関の3車ラインと単騎に中川、イナショウ、牛山貴と言う面子。
新田と深谷の踏み合いでごちゃついたところを単騎でものの見事に捲って千切った形で押し切った優勝だった。
もちろん、タイミングはドンピシャでBSで浮いた深谷のあおりがあった中を持ち前の加速で乗り切った。
私の車券はと言うと、
地元3割り増しの晴智から、新田祐、吉田敏、深谷、中川のフォーメーションでの12点だけ。3着1着2着だった。
配当いい方を目指しての失敗。
中川買うなら頭からですよね。( ´∀`)

でも、同じ九州出身の私は
前々から力は抜群の評価の男がようやく挙げたG1タイトル初勝利を車券は外したものの素直に祝福出来た。
そして、熊本県の復興も速まればと願った。被災された熊本の方々も超タイムリーな豪脚・中川誠一郎の
優勝🏆️を明るいニュースとして心から喜んでくれたはずだ。

しかし、中川誠一郎の捲りってホントに、ほかが止まって見えてしまいますよね。