まずはコラム月間大賞佳作ありがとうございました。久々の受賞です。感想としては皆さんぜひ落語などの演芸を生で見てくださいということです。レースもそうですが生で見ると新たな発見があるものです。

さて、前回コラムで予告したことをやっておきたいと思います。敢えて受賞御礼のコラムにそのまま書くのは、それだけの問題だと思うからです。


皆さんは千葉のミニストップで成人雑誌撤去（販売中止）とそれに伴う千葉市長の一連の言動についてご存じでしょうか？
成人向けの雑誌や漫画は各地の青少年保護条例で何かしら規制がされていますが、当たり前ですが法律で販売規制はされてません。憲法に規定された表現の自由に抵触するからです。
各地の条例も青少年保護が目的で言論規制ではないように振る舞ってます。しかし現実は東京都の場合だと厳しいゾーニングをしないと成人向けは販売できないので、事実上の言論規制になってます。
とはいえ条例ですから地方議会が議決したもの、一応は民主主義のルールには従ってます。

ところが千葉市の件は、市長がTwitterで規制について触れたら、ミニストップを運営するイオンが呼応して千葉市内の店舗で撤去に踏み出しました。別に条例を制定したわけでもなければ、議会にかけたわけでもないわけです。

この件はかなり問題視する動きがある一方で、何が問題なのか理解されてないフシがあります。
実はいちばんの問題は条例制定ではなく市長の私的なつぶやきが法律と同じ効能を発揮してしまったことにあるのです。
こういう規制が事実上、市長の鶴の一声で決まることが問題なのです。

さて、ここで千葉市営の公営ギャンブルである千葉競輪について、あらためて触れることにしましょう。ご承知のように廃止をチラつかされながら民間全額負担による改修を条件に存続が決まりました。
ところが廃止の件も存続に転じたことも、市長のＳＮＳでの発言が端緒で議会での審議はどこまであったのやら。
そもそも市の施設を民間丸抱えで改修させるのもおかしなことです。いくら競輪場存続のためとはいえ、市営競技場が議会の審議も経ず（恐らくは後付けで議決はあるにしても）民間がいじるなんて、これが競輪場でなければ大問題になるのは必至でしょう。


この２つの事象には共通点があります。
・市長の言動先行で物事が進み、民主主義的プロセスをないがしろにしている
・にもかかわらず世間でほとんど問題視されていない
・問題視することそのものが反社会的と誤解されかねない
・これを前例として踏襲されると、深刻な事態を招きかねない

千葉競輪と同じように市の持ち物の競輪場を民間丸抱えで改修しないと廃止だよ、議会関係ないなんて他所でやられたら、どうなってしまうでしょう。同じやり方はもうできないのではないでしょうか。


千葉競輪の存続は、大変素晴らしいことです。存続に努力された皆さんには頭が下がる思いです。
しかしその背景にあった違和感を、あらためて認識させられたのが、かの成人雑誌の件だったのです。

こういう事態は繰り返しては絶対にいけません。