戦う者ならまずは『俺こそが一番だ』という巨大なエゴありきだ。
敗北や挫折や様々な経験でいずれそれは削られて形を整えていくだろう。
それが成熟ということ。
逆はない。
成熟してからエゴは身につかない。
お前はまだエゴイストでいい。
エゴを早くに畳んでしまった者に、勝敗を決する最後のプレイを託せない。

(リアル四巻から抜粋)


竹村達也選手に捧げたい。


まず、今年初記念
平原康多選手優勝おめでとうございます。
そして
四日市ナイターにて特別昇級
松本貴治選手おめでとうございます。

感慨深い一日。

光が有れば陰になる光も有る。

小川真太郎選手が小倉竜二選手を背負い果敢に先行し
四日市ナイター決勝では
廣田敦士選手が中部三車を背負い果敢に先行。
元Sで地元ホームの廣田選手を観ながら勝手に
『松本貴治と真っ向勝負したかったろうに。』
と、何の根拠も無い独り言をポツリと。

十数年前は、二段駆けや番手捲りに疑問を抱いていたが、今はその恩恵しか受けていないのではと思う程の適応能力の無さ。
二段駆けも番手捲りもいつの間にか好きになっている。

任務を全うする姿に感動すら覚える。
次は貴方の出番です。と素直に思う。

その中でも印象的だった
四日市ナイターの
竹村達也選手。
今期からA級チャレンジ戦。
前期A級戦から積極的に飛び付きを敢行し持ち味を磨き、今年一発目。

今の竹村選手を象徴する言葉
腹を括る。
何とも清々しい。

初日から心意気を感じる飛び付き予選6着。
中団から先捲りで良かったのでは。
素人は考える。
A級の動きを観ていたらチャレンジ戦では通用する。
素人は安易に思う。

初日追った選手は最終日迄追う。

二日目を観て思う。

腹を括った。
何の根拠も無い。
何の確証も無い。

松浦選手や東選手や三木選手がそうだった様に
やると決めたらトコトンやる。
買い手はウズウズする。

今日もやる。
いや
今日はやらなくても。
素人は思う。
でも
決めたらやってくれる。
人気している縦鋭い番手岡田大門選手に行く。
相手ラインが二車でも、三番手が獲れようが今日も行く。
まさかねぇ。
行ってくれた。
獲ってくれた。
そして、一着。

三日目も行った。
行くと決めたからやってくれた。
これが個性。
これでやって行く意思表示。
獲り切って一着を獲ってくれた。

これがエゴだ。
走り手と買い手のエゴの一致だ。

6.1.1

いや
期待に応えてくれた

1.1.1

完全飛び付き優勝。
腹を括った人間は強い。
任務を遂行して結果が一着だった。
それだけだ。
それが出来る人間は少ない。

競輪界を知り、自分を見詰め直し
丸く削られたかに思われた刀の斬れ味が増す。

強くなる。
強くなると信じたい。
繋がる。
番手、三番手の時に今が繋がる。
と、信じたい。

竹村達也選手27歳
ここから始まる兆しを三日間魅せて貰った。
自分が出来ない事に立ち向かっている人に憧れる。尊敬する。
心意気をレースで体現する。

そういう選手を応援したい。

次節も追わせて頂きます。


よし！
私は寝よう。
私が出来る心意気。
幸せを放棄した人間だけが代償として与えられる幸せ。
時間に縛られず只々眠る。
起きたら競輪を打つ。
寝て、起きて、打って、呑む。
底辺の人間には一般とは違う幸せが有る。
時間だけは平等に流れる。


おやすみなさい。




競輪小僧