伊東Ｇ２「サマーナイトフェスティバル」二日目準決勝はいずれもラインでの決着、今の競輪ではむしろ珍しいが33バンクらしいとも言えるか。

注目の「ガールズケイリンフェスティバル」は高木真備・児玉碧衣・小林優香がそれぞれ連勝で勝ち上がり決勝で激突する。

１Ｒは長澤彩→高木→奈良岡彩子→石井貴子（東京）→荒牧　聖未→尾崎睦→細田愛未という初手、残り２周の手前から尾崎→細田が上がっていく。

さらに荒牧も切り替えてその後ろ、打鐘で尾崎が斬ったところを細田が叩いて主導権という意外な展開になる。

荒牧がこの後位に追い上げて尾崎は３番手、高木は残り１周からその外を一気に仕掛けていく。

２角では荒牧も発進、しかし高木がこれをねじ伏せて先頭に立つ。

高木はそのまま押し切って連勝、切り替えた尾崎が②着に届き荒牧は③着となった。

高木圧倒的な強さで連勝、荒牧の番手捲りを楽々ねじ伏せて追走の尾崎も全く問題にしなかった。

昨年後半から春先はあまりよく見えなかったが目下絶好調、完全に仕上がっているしもちろん決勝でも好勝負は間違いない。

尾崎は組み立てとしては十分、最低②着が必要なところでしっかりテーマ通りのレースができた。

しかしもう少し高木を追い詰めたかったところ、逆に突き放されてしまったのはいただけない。

パワーは申し分ないが俊敏さという点で高木や児玉と比べてしまうとやや落ちる印象で消耗戦に持ち込みたい。

荒牧は細田を追って高木に併せて番手捲り、真っ向勝負に出たが高木にねじ伏せられてしまった。

このメンバーになると力勝負では苦しいがギリギリで決勝進出、立ち回りのうまさでなんとか間隙を突きたい。

長澤は連日の大敗、やはりこちらもここに入ると俊敏さに欠ける部分が出てしまった。

２Ｒは石井貴子（千葉）→児玉→石井寛子→奥井迪→中川諒子→田中まい→佐藤亜貴子、打鐘で児玉が斬って貴子→寛子となったところに奥井→中川で仕掛けていく。

児玉は残り１周から軽々突っ張って奥井を完封、奥井は最終バックで失速する。

突っ張り切った児玉を貴子→寛子が追走、これは高松ガールズコレクションと全く同じ展開だ。

違ったのは結果だけ、高松では貴子が児玉を差し切ったが今日は児玉が圧巻の逃げ切りで貴子・寛子を寄せつけなかった。

②着が児玉マークの貴子、その後ろの寛子が③着でともに流れ込んだだけになってしまった。

児玉は決定的な勝利、着差以上の圧勝と言っていいだろう。

①番車から先に斬って奥井を迎え撃つ形、スピード・瞬発力では奥井を大きく上回っているだけにこれでは奥井も仕掛けづらいし、強引に叩いても番手に入られるか今日のように軽く突っ張られてしまう。

これまでの特別レースでは奥井をやっつけても他派に漁夫の利をさらわれていたが今日は奥井を退けたうえでの完勝、脚力も抜けているうえに組み立ても完璧で隙がない。

念願のタイトル奪取に王手、これは現時点では間違いなく一番強い。

貴子は高松で勝った時と全く同じ展開、これ以上ない形になったが今日は全く詰め寄れなかった。

児玉が強いのは確かだがこの展開で差せないのはやはり自身のデキがいまひとつのように思える。

寛子は打鐘のところで児玉を追わず３番手、安全運転なのでこういうメンバーに入るとどうしても位置が取れない。

それでも児玉が突っ張ってくれたので外が全滅して③着で決勝進出、二日間ともに内に詰まってもおかしくなかったが流れがいい。

奥井は児玉に突っ張られて大敗、児玉に前で十分な形で待たれてしまって今日はどうしようもなかった。

逆の形でも簡単に叩き切られてしまうだろうし勝負づけが済んでしまった印象、年齢的にもこれから再逆転となるとかなり難しい。

３Ｒは鈴木奈央→中村由香里→山原さくら→優香→梶田舞→加瀬加奈子→増茂るるこ、残り２周から加瀬→増茂が上がっていく。

これを優香→梶田も追走、打鐘で増茂が斬って主導権を取る。

奈央がスンナリ番手に入り３番手はなんと中村と加瀬の大御所両者が並走、以下優香→梶田となり山原は梶田の内で動けない。

増茂が後続を突き放して残り１周、優香は下がってきた加瀬をやり過ごして１角からスパートする。

車間を切っていた奈央も発進するが優香が楽々ねじ伏せて最終バックでは先頭、梶田もしっかり続いて以下はやや離れて先に捲った奈央とその後ろにいた中村が続く。

直線は完全に一騎打ち、梶田も差を詰めてくるが優香がきっちり残して連勝を飾った。

初手から優香マークの梶田が②着、前々から番手捲りの奈央が中村の追撃を退けて③着となった。

優香は力通りの快勝、奈央の番手捲りをあっさりねじ伏せると追走の梶田もしっかり退けた。

いつもぶっちぎるわけではないが本当に勝負強い選手、児玉・高木は瞬発力に秀でるがこちらにはスピードとパワーがバランスよく備わっている。

梶田は⑦番車ということもあり珍しく初手は後方、とはいっても優香マークなら悪くないし最低②着がほしい場面なのでむしろこれは良手だ。

実際に最後までしっかり優香を追走、差せなかったが狙い通りのレースだろう。

昨年も予選は連敗で決勝だけ①着、本来のデキには見えないが初日も先行争いをして③着なら悪くないし底力は怖い。

奈央はいい形は作ったものの優香にねじ伏せられて完敗、それでも初日は何もできなかったのが今日はしっかり勝負できたのはよかった。

常々申し上げているようにスピード・瞬発力が課題、33バンクでこういうメンバーで走るとそれが如実に表れるが今日は好枠がそれを補っていいレースができた。

山原は結局何もできず、ただ回ってきただけになってしまった。

こちらも動きたい時にサッと動ける速い脚がないのがネック、今回はこのタイプは軒並み苦戦したようにやはりこのバンクでは俊敏さがものをいう。

それでも本当に強い優香や好調の尾崎はしっかり決勝に乗っているわけでいくら舞台設定が向いていなくても⑦⑤着は負けすぎ、これは言い訳なしで力不足以外の何物でもない。

今年の一連のレースから力をつけているのは間違いないしまず勝ち負けと思っていたがまだまだということ、また１からやり直して必ずリベンジしてほしい。

「喝！」

7/17
伊東1Rガールズ選抜
[車 名 期県]
①加瀬　加奈子 102新▲
②鈴木　奈央　 110静◎
③石井　貴子　 104東
④田中　まい　 104千
⑤中川　諒子　 102熊△
⑥増茂　るるこ 102東
⑦長澤　彩　 　106愛○

新鋭②奈央を先物買い、２戦目でしっかり変わり身を見せたし最後に１勝を挙げて次回以降の特別レースにつなげたい。

本線は⑦長澤、今回は奮わなかったがこのメンバーなら瞬発力勝負にはならないので普通に近況の成績を評価して逆転まで期待したい。

初日②着で面目を保った①加瀬、うまく脚をためられれば⑤中川にもチャンスはある。

三連単
②＝⑦→①⑤
②→①⑤→⑦

7/17
伊東2Rガールズ選抜
[車 名 期県]
①細田　愛未　 108埼
②佐藤　亜貴子 108神
③奈良岡　彩子 104青△
④奥井　迪　　 106東○
⑤石井　貴子　 106千▲
⑥山原　さくら 104高◎
⑦中村　由香里 102東

今日は不発に終わった④奥井がなんとしても主導権でグイグイ引っ張るはず、こういう時は得てしてオーバーペースになってしまうものだ。

その流れなら⑥山原の捲り炸裂、二日間全く力を発揮できていないが最後にしっかり弾けてほしい。

一応奥井が相手だが⑤貴子と③奈良岡へズブズブも。

三連単
⑥→③④⑤

7/17
伊東9Rガールズ決勝
[車 名 期県]
①高木　真備　 106東▲
②小林　優香 　106福○
③尾崎　睦　　 108神
④石井　寛子　 104東
⑤荒牧　聖未　 102栃
⑥梶田　舞　　 104栃△
⑦児玉　碧衣　 108福◎

それぞれ連勝で勝ち上がった①高木・②優香・⑦児玉はいずれも文句なしに好気配、甲乙つけ難いが最もスケールを感じる児玉の特別レース初優勝を見たい。

スンナリと流れるはずもないし大外枠は包まれないと考えればむしろ好都合、前団がもつれたところを得意の捲り一閃で戴冠だ。

強敵はまず②優香、もちろん底力は一番だし逆転も十分だが、この舞台でこのメンバーだと立ち遅れる可能性があり一瞬のミスが致命的になりかねない。

①高木ももちろん互角、好枠だし33バンクの適性という点では一番だ。

器用さもありどんな組み立てで臨んでくるか注目したい。

最後に⑥梶田、現状では印を回すのが精一杯だが昨年も予選では全然デキが悪かったのに決勝だけ持っていったように勝負強さがある。

このメンバーであれもこれも買っていては埒があかないので児玉の頭で優香が②③着にはくるという４点に絞って勝負したい。

三連単
⑦→②＝①⑥

7/17
伊東12R Ｓ級決勝
[車 名 期県]
①村上　義弘　 73京
②渡邉　一成　 88島○
③深谷　知広　 96愛▲
④園田　匠　　 87福
⑤浅井　康太　 90三△
⑥岡村　潤　　 86静
⑦新田　祐大　 90島◎
⑧原田　研太朗 98徳
⑨三谷　竜生　101奈

並び
⑦2 ⑨1 ③5 ⑥ ⑧4

準決勝の⑦新田は前と離れすぎたことで長い距離を踏んだので②渡邉に差されたが調子に不安はなし、これを追走するだけでも大変なのに差した渡邉をほめるしかない。

③深谷と⑨三谷でやり合うか、そうならなくてもスンナリ一本棒のような展開にはならないのでやはり最後は新田の捲りが飛んでくる。

相手はやはりまず渡邉、あとは深谷が復調気配だけに後ろの⑤浅井と共に押さえたい。

二車単
⑦→②③⑤
③＝⑤

※ガールズケイリン前橋・奈良ミッドナイト（決勝回顧）は「其の千二百九十六」をご覧ください。