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競輪場によって決まり手比率が違うのはなぜ?(その2)
2024/11/17 9:27 閲覧数(71)
前回はクラス別およびバンク周長別で決まり手比率がどう違うかを調査した。
今回は本題の競輪場による決まり手比率の違いをを調査し、その要因を分析する。
3. 競輪場別の決まり手比率
全競輪場の決まり手データについては、「『競輪場データ集』の決まり手データ」に記載しているので、そちらを参照いただきたい。(ここでの全場のデータ表記は省略する)
前回の調査で、バンク周長が決まり手比率に大きく影響していることを示した。
ここでは400バンクに限定して、2020年10月~2024年5月 の 1着決まり手のクラス平均値 で比較を行う。
(400バンク32場のうち、集計期間 休場中だった熊本を除いた31場が対象)
決まり手別に、比率が高い5場と低い5場を下表に挙げる。(場番号と比率を表記)
各決まり手の比率が高い5場(400バンク)
順位_|_____逃げ_____|_____捲り_____|_____差し____
1位 | #26 30.3% | #51 33.1% | #13 51.7%
2位 | #51 26.3% | #62 32.5% | #27 50.7%
3位 | #42 25.9% | #83 32.4% | #12 50.5%
4位 | #81 25.9% | #86 32.1% | #21 50.2%
5位 | #83 25.9% | #81 31.8% | #28 50.0%
各決まり手の比率が低い5場(400バンク)
順位_|_____逃げ_____|_____捲り_____|_____差し____
31位 | #62 19.8% | #13 25.3% | #51 40.6%
30位 | #84 20.7% | #27 25.9% | #83 41.7%
29位 | #55 21.7% | #28 26.0% | #81 42.3%
28位 | #21 22.5% | #11 26.1% | #86 42.6%
27位 | #45 22.8% | #12 26.4% | #42 42.6%
各決まり手について、比率が高い5場を「決まりやすい」とし、比率が低い5場を「決まりにくい」とすると、
決まり手比率に特徴がある400バンクの競輪場は次のとおりとなる。
・#26 西武園は、「逃げ」がとても決まりやすい。
・#51 福井は、 「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#81 小倉は、 「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#83 久留米は、「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#42 名古屋は、「逃げ」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#62 広島は、 「捲り」が決まりやすく、「逃げ」が決まりにくい。
・#86 別府は、 「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#13 いわき平は「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#27 京王閣は、「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#12 青森は、 「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#28 立川は、 「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#21 弥彦は、 「差し」が決まりやすく、「逃げ」が決まりにくい。
・#84 武雄は、 「逃げ」が決まりにくい。
・#55 和歌山は、「逃げ」が決まりにくい。
・#45 豊橋は、 「逃げ」が決まりにくい。
・#11 函館は、 「捲り」が決まりにくい。
4. バンク特性と決まり手の関係を分析
上で示したように、同じバンク周長であっても競輪場によって決まり手比率には差があることがわかった。
その要因を分析するために、「競輪場のバンク特性(バンクデータおよび気象データ)」と「クラス平均の1着決まり手比率」の相関係数を調べてみた。
4-1.バンク周長と決まり手比率の相関係数
まずはバンク周長と決まり手比率(1着決まり手のクラス平均値)の相関係数を調べた。
_____バンク周長_
逃げ -0.69
捲り -0.59
差し 0.77
どの決まり手もバンク周長との強い相関(絶対値でおおよそ0.6以上)があり、決まり手比率はバンク周長に大きく影響を受けることがわかる。
・「逃げ」と「捲り」はバンク周長が短いほうが比率は高くなる。
・「差し」はバンク周長が長いほうが比率は高くなる。
4-2.他のバンク特性と決まり手比率の相関係数
400バンクに限定して、周長以外のバンクデータと気象データ(雨レース率と風レース率)と決まり手比率(1着決まり手のクラス平均値)の相関係数を調べた。
注)雨レース率、風レース率 : 調査期間(2020年10月~2024年5月)の 雨天レースの比率、風速3m以上レースの比率
注)全競輪場のバンクデータおよび雨レース率、風レース率は、遠山競輪研究所の「競輪場データ集」を参照いただきたい
_______直線長__カント__ホーム幅員__雨レース率__風レース率_
逃げ -0.40* -0.19* 0.19* 0.05 -0.21*
捲り -0.07 0.18* -0.03 -0.01 -0.39*
差し 0.31* -0.01 -0.11 -0.04 0.43*
注)相関係数の絶対値が0.18以上の部分に因果関係が認められるとし、* を付加している。
バンク周長ほど大きな相関係数をもつ項目はないが、ある程度 決まり手比率との因果関係が見られるようだ。
因果関係がある部分( * を付加した部分)だけを拾うと、次のことがわかる。
・「逃げ」は、「直線が短い」、「カントが緩い」、「ホーム幅員が広い」、「風が弱い」ほうが比率が高くなる。
・「捲り」は、「カントがきつい」、「風が弱い」ほうが比率が高くなる。
・「差し」は、「直線が長い」、「風が強い」ほうが比率が高くなる。
これらのバンク特性の違いが、競輪場によって決まり手比率が違う要因となっているようだ。
意外にも、雨レース率は決まり手比率に影響しておらず、風レース率の影響が大きいという結果だった。
また、ホーム幅員が「逃げ」の決まり手比率に影響していることもやや驚きだ。
今回は本題の競輪場による決まり手比率の違いをを調査し、その要因を分析する。
3. 競輪場別の決まり手比率
全競輪場の決まり手データについては、「『競輪場データ集』の決まり手データ」に記載しているので、そちらを参照いただきたい。(ここでの全場のデータ表記は省略する)
前回の調査で、バンク周長が決まり手比率に大きく影響していることを示した。
ここでは400バンクに限定して、2020年10月~2024年5月 の 1着決まり手のクラス平均値 で比較を行う。
(400バンク32場のうち、集計期間 休場中だった熊本を除いた31場が対象)
決まり手別に、比率が高い5場と低い5場を下表に挙げる。(場番号と比率を表記)
各決まり手の比率が高い5場(400バンク)
順位_|_____逃げ_____|_____捲り_____|_____差し____
1位 | #26 30.3% | #51 33.1% | #13 51.7%
2位 | #51 26.3% | #62 32.5% | #27 50.7%
3位 | #42 25.9% | #83 32.4% | #12 50.5%
4位 | #81 25.9% | #86 32.1% | #21 50.2%
5位 | #83 25.9% | #81 31.8% | #28 50.0%
各決まり手の比率が低い5場(400バンク)
順位_|_____逃げ_____|_____捲り_____|_____差し____
31位 | #62 19.8% | #13 25.3% | #51 40.6%
30位 | #84 20.7% | #27 25.9% | #83 41.7%
29位 | #55 21.7% | #28 26.0% | #81 42.3%
28位 | #21 22.5% | #11 26.1% | #86 42.6%
27位 | #45 22.8% | #12 26.4% | #42 42.6%
各決まり手について、比率が高い5場を「決まりやすい」とし、比率が低い5場を「決まりにくい」とすると、
決まり手比率に特徴がある400バンクの競輪場は次のとおりとなる。
・#26 西武園は、「逃げ」がとても決まりやすい。
・#51 福井は、 「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#81 小倉は、 「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#83 久留米は、「逃げ」「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#42 名古屋は、「逃げ」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#62 広島は、 「捲り」が決まりやすく、「逃げ」が決まりにくい。
・#86 別府は、 「捲り」が決まりやすく、「差し」が決まりにくい。
・#13 いわき平は「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#27 京王閣は、「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#12 青森は、 「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#28 立川は、 「差し」が決まりやすく、「捲り」が決まりにくい。
・#21 弥彦は、 「差し」が決まりやすく、「逃げ」が決まりにくい。
・#84 武雄は、 「逃げ」が決まりにくい。
・#55 和歌山は、「逃げ」が決まりにくい。
・#45 豊橋は、 「逃げ」が決まりにくい。
・#11 函館は、 「捲り」が決まりにくい。
4. バンク特性と決まり手の関係を分析
上で示したように、同じバンク周長であっても競輪場によって決まり手比率には差があることがわかった。
その要因を分析するために、「競輪場のバンク特性(バンクデータおよび気象データ)」と「クラス平均の1着決まり手比率」の相関係数を調べてみた。
4-1.バンク周長と決まり手比率の相関係数
まずはバンク周長と決まり手比率(1着決まり手のクラス平均値)の相関係数を調べた。
_____バンク周長_
逃げ -0.69
捲り -0.59
差し 0.77
どの決まり手もバンク周長との強い相関(絶対値でおおよそ0.6以上)があり、決まり手比率はバンク周長に大きく影響を受けることがわかる。
・「逃げ」と「捲り」はバンク周長が短いほうが比率は高くなる。
・「差し」はバンク周長が長いほうが比率は高くなる。
4-2.他のバンク特性と決まり手比率の相関係数
400バンクに限定して、周長以外のバンクデータと気象データ(雨レース率と風レース率)と決まり手比率(1着決まり手のクラス平均値)の相関係数を調べた。
注)雨レース率、風レース率 : 調査期間(2020年10月~2024年5月)の 雨天レースの比率、風速3m以上レースの比率
注)全競輪場のバンクデータおよび雨レース率、風レース率は、遠山競輪研究所の「競輪場データ集」を参照いただきたい
_______直線長__カント__ホーム幅員__雨レース率__風レース率_
逃げ -0.40* -0.19* 0.19* 0.05 -0.21*
捲り -0.07 0.18* -0.03 -0.01 -0.39*
差し 0.31* -0.01 -0.11 -0.04 0.43*
注)相関係数の絶対値が0.18以上の部分に因果関係が認められるとし、* を付加している。
バンク周長ほど大きな相関係数をもつ項目はないが、ある程度 決まり手比率との因果関係が見られるようだ。
因果関係がある部分( * を付加した部分)だけを拾うと、次のことがわかる。
・「逃げ」は、「直線が短い」、「カントが緩い」、「ホーム幅員が広い」、「風が弱い」ほうが比率が高くなる。
・「捲り」は、「カントがきつい」、「風が弱い」ほうが比率が高くなる。
・「差し」は、「直線が長い」、「風が強い」ほうが比率が高くなる。
これらのバンク特性の違いが、競輪場によって決まり手比率が違う要因となっているようだ。
意外にも、雨レース率は決まり手比率に影響しておらず、風レース率の影響が大きいという結果だった。
また、ホーム幅員が「逃げ」の決まり手比率に影響していることもやや驚きだ。
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