前橋競輪場データ集(2025/10/20)

競輪場データ集、第十三弾は前橋競輪場じゃ。

基本的な情報は以下の通りになっておるぞ。

【場番号】#22

【地区】関東

【所在地】群馬県前橋市

また本ページの情報は 2025年5月1日時点のもので、※「開催データ」の項目を除き、集計期間は全て2020年10月~2025年5月となっておるぞ。

※「開催データ」の集計期間は"時間帯別の開催日数比率"と"クラス別のレース数比率"が2022年1月~2024年12月、"直近10年のGP・GI・GII開催"が2015年10月~2025年10月じゃ。

1. バンクデータ


項目前橋競輪場33バンク平均(参考)400バンク平均
周長335m333.3m
(前橋以外)
400m
みなし直線46.7m41.6m56.2m
カント36.00°33.97°32.03°

ホーム9.9m10.6m10.5m
バック9.9m9.1m9.4m
センター9.9m7.8m7.7m

現在のバンクは1990年に建設されたもので、日本で最初の屋内競輪場じゃ。

当初の周長は333mじゃったが、2001年に退避スペースを拡張するために内帯線位置を外側へ広げ、現在の335mとなったんじゃ。

見なし直線46.7mは、全41場の中で8番目に短いが、33バンクの中では1番長いんじゃな。

カント36.00°は、全41場の中で最もきついぞ。

走路幅員はホーム・バンク・センターがすべて9.9m。ホーム幅としては全41場の中で3番目に狭いが、センター幅としては最も広いんじゃ。

※ 250バンクの千葉と、現在休止中でリニューアル後は周長が変更となる向日町競輪場を除いた41場

2. 開催データ


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時間帯別の開催日数比率 (2022年~2024年)
 モーニング昼間開催ナイターミッドナイト
開催日数
(比率)
0日
(0%)
51日
(23%)
56日
(25%)
115日
(52%)
222日
(100%)
全場平均の比率16%32%23%29%100%
クラス別のレース数比率 (2022年~2024年)
 S級戦A12班戦チャレンジガールズ
レース数
(比率)
476
(21%)
1,090
(48%)
532
(23%)
182
(8%)
2,280
(100%)
全場平均の比率28%44%21%7%100%
直近10年のGP・GI・GII開催 (2015年10月~2025年10月)
開催年月GP・GI・GII
2016年10月第25回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2017年10月第26回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2018年10月第27回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2019年10月第28回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2020年10月第29回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2022年10月第31回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
2025年10月第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)

※ 2025年10月の開催は、現時点(2025.10.1)では予定じゃ。

2012年2月から小倉に次ぐ全国2場目としてミッドナイト競輪を実施しておるぞ。

現在モーニング競輪は開催されておらず、その分ミッドナイト競輪の開催が多いんじゃ。

クラス別のレース数比率は、全場平均の比率とそれほどの差はないのぉ。

「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」は、1990年に屋内型ドームバンクとして新設された前橋競輪場でアジア初の「世界選手権自転車競技大会」が開催されたことがきっかけとなって創設された大会であり、よってその多くが前橋競輪場で行われてきたんじゃ。

今年(2025年)10月にも、「第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が開催されるぞ。

3. 気象データ


雨レース率 (2020年10月~2025年5月)
競輪場雨レース率
年間
(3~5月)

(6~8月)

(9~11月)

(12~2月)
前橋競輪場0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
全場平均10.2%13.3%11.3%9.7%7.0%

※雨レース:雨天時のレース
※全場平均:ドーム競輪場(前橋・小倉)は除く

風レース率 (2020年10月~2025年5月)
競輪場風レース率(風速3m以上)
年間
(3~5月)

(6~8月)

(9~11月)

(12~2月)
前橋競輪場0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
全場平均6.1%7.2%4.6%4.0%7.9%

※風レース:風速3m以上時のレース(レースに影響が出てくる風の強さを風速3mと想定)
※全場平均:ドーム競輪場(前橋・小倉)は除く

前橋競輪場は屋内であり、雨の影響は受けないんじゃ。ちなみに屋外競輪場の年間の雨レース率は平均で10.2%じゃぞ。

前橋競輪場は屋内であり、風の影響も受けないぞ。ちなみに屋外競輪場の年間の風レース率は平均で6.1%じゃな。

4. 決まり手データ


決まり手比率 (2020年10月~2025年5月)
競輪場
クラス・車立て
1着決まり手比率(%)

S級戦・9車立て逃げ
19.0
捲り
38.7
差し
42.3
S級戦・7車立て逃げ
25.8
捲り
28.3
差し
45.5
A12班戦・7車立て逃げ
34.1
捲り
27.6
差し
38.3
チャレンジ・7車立て逃げ
47.1
捲り
22.8
差し
29.8
ガールズ・7車立て逃げ
34.9
捲り
42.9
差し
22.2
クラス平均値逃げ
33.9
捲り
28.8
差し
37.2
33バンク平均逃げ
30.9
捲り
31.9
差し
37.1
全場平均逃げ
25.0
捲り
29.5
差し
45.4

※決まり手比率はバンクの周長によって違いが出るので、ここでは比較対象を33バンク平均と全場平均としたぞ。

1着選手の決まり手比率(クラス平均値)は、全場平均と比較して「逃げ」の比率が高く、「差し」の比率が低くなっておる。この傾向は33バンク全体に共通して見られるが、前橋競輪場の「逃げ」比率33.9%は、全競輪場の中でも最も高い数値となっとるんじゃ。その反面、33バンクとしては「捲り」の比率が相対的に低く、全場平均をも下回っておるぞ。

2着選手の決まり手比率(クラス平均値)は、全場平均と比較して「逃げ」と「マーク」の比率が高く、「捲り」と「差し」の比率が低い。この傾向は33バンク共通じゃが、前橋競輪場では特にその傾向が顕著であり、「逃げ」23.6%、および「マーク」47.2%はいずれも全場中で最も高い数値じゃ。一方で、「捲り」10.9%、および「差し」18.3%は、いずれも全場中で最も低い水準となっておるのぉ。

1・2着選手の決まり手(クラス平均値)上位5パターンは、「逃マ」「差逃」「捲マ」「捲差」「差捲」であり、これは33バンク平均と一致しておる。特に「逃マ」26.8%および「差逃」18.8%は、いずれも全競輪場の中で最も高い数値であり、先行有利な前橋競輪場の顕著な特徴といえるじゃろう。

【memo】

決まり手比率はクラスによって差がある。1着決まり手は、新人選手が先行で勝負するチャレンジでは「逃げ」の比率が高いが、A12班戦・S級戦とクラスが上がると「捲り」や「差し」の比率が高くなる。またガールズでは「捲り」の比率がかなり高い。これらの傾向は全競輪場で同じである。

5. 上がりタイム


最高上がりタイム
タイム記録日記録選手
8.8秒2014年9月13日中川 誠一郎  選手(85期)
平均上がりタイム (2020年10月~2025年5月)
競輪場クラス
平均値
S級戦A12班戦チャレンジガールズ
前橋競輪場9.98秒9.73秒10.00秒10.16秒10.33秒
33バンク平均10.11秒9.87秒10.12秒10.29秒10.44秒

前橋競輪場の記録8.8秒は、33バンクの中では速い部類で、小田原競輪場の8.7秒に次ぐタイムじゃ(防府・富山とはタイ記録じゃな)。

2014年9月13日のオールスター(GI)・二次予選で、中川誠一郎選手(85期)がホーム8番手からの捲りで作った記録じゃぞ。

以降、2018年10月の寛仁親王牌(GI)で、脇本雄太選手(94期)がタイ記録を出しておる。

前橋競輪場は周長335mで、ラスト半周は他の33バンクよりも約0.8m長い。じゃが、平均上がりタイム(クラス平均)は9.98秒と、33バンク7場の中で最も速いんじゃ。

その理由として、屋内であるため雨や風の影響を受けないことに加え、国内で最もカントがきつい小回りバンクでスピードに乗りやすい点が挙げられるぞ。

6. 配当データ


2車単の配当額・人気車券比率・万車券比率 (2020年10月~2025年5月)
競輪場
クラス・車立て
配当額人気車券比率万車券比率
中央値平均値1番人気2番人気3番人気1万以上3万以上

S級戦・9車立て1,750円3,901円20.3%13.5%6.0%9.3%1.4%
S級戦・7車立て990円2,412円23.7%16.3%9.5%4.3%0.4%
A12班戦・7車立て810円2,314円29.9%15.5%9.6%4.7%0.4%
チャレンジ・7車立て490円2,206円37.7%16.7%10.1%3.9%0.9%
ガールズ・7車立て530円2,451円28.8%19.5%11.0%7.2%0.8%
クラス平均値841円2,457円29.4%16.0%9.5%5.0%0.6%
33バンク平均900円2,571円28.5%15.5%9.0%5.2%0.7%
全場平均976円2,617円26.6%15.4%9.1%5.1%0.7%

※人気車券比率の'1番人気'は、的中車券が1番人気だった比率(2番人気、3番人気も同様)

周長が短い33バンクの配当中央値および平均値は400・500バンクより低い傾向にあるのじゃが前橋競輪場の2車単配当(中央値 841円・平均値 2,457円)は33バンクの中でも低いほうじゃな。

万車券比率は全場平均とそれほど差がないが、人気車券比率、特に1番人気比率は全場平均よりだいぶ高くなっており、これが配当中央値および平均値を押し下げている要因のようじゃ。

※ ただし、ガールズでは競輪場の周長の違いによる配当中央値・平均値の差はみられないぞ。

周長が短い33バンクの配当中央値および平均値は400・500バンクより低い傾向にあるのじゃが前橋競輪場の3連単配当(中央値 3,487円・平均値 12,879円)は33バンクの中でも低いほうじゃ。

万車券比率も全場平均よりやや低めじゃが、人気車券比率、特に1番人気比率は全場平均よりだいぶ高くなっており、これが配当中央値および平均値を押し下げている要因のようじゃな。

※ ただし、ガールズでは競輪場の周長の違いによる配当中央値・平均値の差はみられないぞ。

7. スジ車券率と力車券率


スジ車券率と力車券率 (2020年10月~2025年5月)
競輪場
クラス・車立て
スジ車券率力車券率

S級戦・9車立て49.6%18.9%
S級戦・7車立て56.5%23.6%
A12班戦・7車立て59.7%24.4%
チャレンジ・7車立て59.2%32.6%
ガールズ・7車立て--36.6%
クラス平均値58.0%26.3%
33バンク平均55.3%27.3%
全場平均53.4%27.1%

※スジ車券率:並び予想で前後に並んだ選手で1⇔2着となったレースの比率。
※力車券率:脚力上位の2人(G指数が上位の2人)で1⇔2着となったレースの比率。

スジ車券率はバンク周長と相関があり、周長の短い33バンクでは400バンクに比べて高い傾向があるんじゃ。

その中でも前橋競輪場のスジ車券率58.0%は全42場で最も高く、日本一スジ車券が決まりやすい競輪場といえるじゃろう。

力車券率はバンク周長が短い方がやや高い傾向はあるものの、統計的に有意な差があるとは言えんのぉ。前橋競輪場の力車券率26.3%は全場平均を少し下回り、全42場の中で11番目に低い数値で、33バンクでは最も低いんじゃ。

8. 1着・2着選手のライン上の位置


1着選手の予想並び上の位置 (2020年10月~2025年5月)
競輪場
クラス・車立て
1着選手の並び位置比率
先頭2番手3番手4番手
以降
単騎

S級戦・9車立て48.8%46.1%1.7%0.0%3.4%
S級戦・7車立て50.9%41.7%2.8%0.0%4.6%
A12班戦・7車立て59.1%34.6%2.7%0.1%3.5%
チャレンジ・7車立て71.7%23.1%2.4%0.1%2.8%
クラス平均値59.2%34.6%2.6%0.1%3.5%
33バンク平均58.7%34.7%2.3%0.1%4.2%
全場平均値55.3%37.8%3.0%0.1%3.9%

※予想並びにおけるライン上の位置を以下の5種類に定義↓
「先頭(2車以上のラインの先頭)」「2番手」「3番手」「4番手以降」「単騎」
(2番手が競りの場合は、両方の選手を「2番手」と定義)

1着選手の並び位置は、33バンクでは400バンクと比べてライン先頭の比率が高く、2番手・3番手の比率が低くなる傾向がある。

前橋競輪場の1着選手の並び位置比率も、クラス平均値でライン先頭が59.2%と高く、全42場中3番目(33バンク7場中でも3番目)じゃ。
その結果、2番手・3番手・単騎の比率はいずれも全場平均を下回っておる。特に2番手は全42場中3番目に低いぞ。

2着選手の並び位置は、33バンクでは400バンクと比べてライン2番手の比率が高く、先頭および3番手の比率が低くなる傾向があるんじゃ。

前橋競輪場の2着選手の並び位置比率も、クラス平均値でライン2番手が49.3%と高く、全42場中4番目(33バンク7場中でも4番目)じゃな。
一方、ライン先頭は39.2%で全場平均並みじゃが、3番手および単騎は全場平均を下回り、特に3番手は全42場中3番目に低いのぉ。

9. 前橋競輪場の特徴


  • 日本初のドームバンクとして1990年に新設され、同年アジア初の世界選手権も開催された
  • 2012年2月に小倉に次ぐ全国2場目としてミッドナイトを開始。現在もモーニングは開催していない
  • 日本一急なカントの小回り走路でスピードに乗りやすく、雨風の影響も受けない高速バンク
  • 「逃げ」の決まり手比率が全場トップで、2着「マーク」の比率も高い。先行有利が顕著
  • 人気車券で決まる比率が高く、配当額(中央値・平均値)は2車単・3連単とも全場中でも極めて低い
  • スジ車券率が全場最高の58.0%で突出して高く、反面、力車券率は33バンク7場中で最も低い
  • 1着はライン先頭、2着は2番手にある比率が非常に高く、33バンク特有の傾向がみられる

※ 250バンクは除く


...以上が、前橋競輪場の特徴じゃ!

クラス平均値について


クラス平均値は、次の比率で加重平均を取った値じゃ。

クラスS級戦
9車立
S級戦
7車立
A12班戦
7車立
チャレンジ
7車立
ガールズ
7車立
比率8.619.544.420.57.0

この比率は、集計期間(2020年10月~2025年5月)に全競輪場で行われたレース数の比率である。

個々の競輪場のレース比率はこの値とは違うのじゃが、公平な比較とするために、全競輪場でこの比率で加重平均した値をその競輪場のクラス平均値(代表値)としておる。


◀前回「#51 福井競輪場」

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