基本中の基本編 予想の仕方編

競輪予想イロハのイ


基本中の基本編

レースの流れ

競輪は、スタートを知らせる号砲でレースが始まります。号砲が鳴ると、各車が発走台から一斉に飛び出します。そして激しい首位争いが繰り広げられます…かと思いきや、そんな事は、まったくありません。発走台から飛び出しはするもののレースが残り600mくらいになるまでは、一列棒状に並んだまま、のたりのたりと周回を重ねていくのであります。なぜなら、先頭を走る選手が大きな風圧を受けるのに対し、番手(列の先頭を走る選手の真後ろの位置)を走る選手は風圧を受けずに脚力を温存することができるからです。
もし、9人の選手が一列棒状に並んだまま2000m程度をハイペースで走ったとしたら、二番手の選手は大楽勝です。温存しておいた脚力をゴール直前で一気に放出することで、疲れきった先頭選手のことを、涼しい顔で抜かすことができるのです。だから、トップスピードを維持したままゴールまでもがききれるぐらいの距離になるまでは、誰も列の先頭を走りたくはないのです(ある選手が全速力で走り続けることができる距離を「もがける距離」と言います。もがける距離は人によって違います。)。そこで競輪は誘導員なるものを生み出しました。誘導員は隊列の先頭を走り、風(空気抵抗)を受けます。誘導員はレースに参加しているわけではないので、いくら風をうけてもレースに影響はありません。誘導員は、遅すぎず速すぎずの一定のペースを保ちながら、レースが残り600mぐらいになるまで、選手たちを誘導するのです。その間に選手たちは並ぶ順番を整え、これからの戦いに備えるのです。

さて、レースが残り一周半(残り600m)になると打鐘(ジャン)と呼ばれる鐘が鳴ります。選手と観客に戦いの幕開けを告げる鐘であります。このあたりで誘導員はバンクから外れ、レースは高速状態へと移行して行きます。なぜなら、残り400mほどになれば、ゴールまでもがき続けることができる選手が現れるからであります。こういった選手は番手選手にも差させずにゴールまで逃げ切るつもりでいます(最後の直線で、マークした選手を抜かすことを「差す」と言います)。あるいは、「番手選手には差されるかもしれないが3着以内には粘ってやるぞ」、という気構えでいます。彼らは、列の先頭で空気抵抗を受けながらも、自分の力で走っているので自力選手と呼ばれています。後続の選手から逃げるように列の先頭を走っているので、「逃げ屋」とも呼ばれます。このように列の先頭で空気抵抗を受けながらも、根性でゴールまでもがききろうとする戦法が自力です。自力という戦法は仕掛けどころ(もがき始めるタイミング)によって「逃げ(先行)」「捲り(まくり)」に分類されます。前述の例のような、残り400m辺りからの仕掛けは「逃げ(先行)」と言います。また、とりあえず誰かに逃げさせておいて、残り200~300mになってから、先頭選手を一気に抜かそうとする仕掛けを「捲り」と言います。最終周回では、自力選手同士による激しい首位争いが繰り広げられます。

自力選手(逃げ屋)は、「逃げ(先行)」と「捲り」を使い分けて戦います。「捲り」を狙っている選手であっても、自力選手でありさえすれば、「逃げ屋」と呼びます。下の図から「逃げ(先行)」と「捲り」の違いを大まかにつかんでくんなまし。

1が残り一周で仕掛けて先行しようとしている状態 あと一周くらい逃げ切ってやるぞー! 最後は差したるゾー。
Hから逃げている1のことを、4が残り200m地点から捲ろうとしている状態 1を一気に追い抜いて、そのままゴールまで突っ走るでー! あと半周くらい逃げ切ったるゾー!

このような過程を経て、9人の選手は、クライマックスである最終直線を迎えます。ここまで来ればゴールまでの距離はあとわずかです。残った脚力を使い切るべく全ての選手が全力でゴールを目指します。

2角 1=逃げ屋 2=追い込み(番手) 3=追い込み(3番手)

さて、話は戻りますが、最終直線に入るまでは、自力選手の後ろに番手選手がひっついています。更にその後ろには大抵3番手の選手がひっついています(右図)。自力選手の後ろに並んでいるこれらの選手は、他人の力を利用していると言えるので、ここでは便宜上、他力選手と呼ぶことにします。最終直線に入ってからが、いよいよ他力選手の出番です。他力選手の戦法は、空気抵抗を受けないように誰かの後ろを走り、最後の最後、ラスト50mで自力を発揮して、上位の着を目指す戦法です。と言いますか、「50mくらいしか自力で走れないのでそうするしかない」という選手も少なくありません。とにかく最終直線に入ったら怒涛のごとく追い込みをかけるのが他力選手です。この戦法を「追い込み」と呼びます。また、自力(逃げ、捲り)と追い込みの中間の戦法を「自在」と呼びます。自在選手は意表をつく作戦が得意なので穴を開けることもしばしばです。「自力なのか、追い込みなのか?」、客と選手の頭を悩ませる悩ましい男、それが自在屋です。

戦法表
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