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竹林の休憩場

2016/04/01 8:22 閲覧数(1536)
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 『エデンの東』『ローマの休日』『道』『太陽がいっぱい』『シェーン』『街の灯』『俺たちに明日はない』『明日に向って撃て!』……。懐かしい洋画の絵看板を見歩きながら着いたのは、「竹林」の屋号がある休憩場だった。おそらく十数年ぶりの江戸川競艇場だ。
 激しい斬り返しで艇と艇が絡み、上位隊形が一変し、あれでもセーフなのか? 訝る俺に隣の友人は大丈夫だと一言。何ごともなかったように到着順どおり払い戻されたが、数分後、一着でも当該選手は権利喪失で決勝には進めない旨の場内アナウンスが流れた。反則行為は選手だけが責任を取る・眼前の一着二着三着はイジらないという潔さ。競艇はギャンブルの興業として一流である。
 準決がメインの五日目は、十二個レース中、十個レースが“一”の頭だった。帰路、やはり江戸川は一号艇だよなァ……と俺が呟くと、俺の競艇の師匠でもあるO君が云った。
 ――だけど競艇は“一”から買うのが一番むずかしいンですよ。
 瞠目の箴言に、己のギャンブルの女々しさを羞じる俺がいた。
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