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ネタバレにも耐えうるドラマ

2020/07/13 11:31 閲覧数(478)
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 平競輪の「サマーナイトフェスティバル」が終幕した。
 松浦悠士がドカンと逃げ清水裕友のきれいな番手捲りとは行かずとも、拡大解釈すれば想定内の「派生」展開で清水の優勝だった。
 決勝戦二車単の確定オッズは、清水から岩津裕介のズブズブが640円、おなじく郡司浩平だと1,020円、新田祐大なら1,630円、松浦が残ると1,880円もついた(因みに松浦、清水だと4,430円、別線の新田-佐藤慎太郎は960円の二番人気)。三連単を見ても清水-岩津のズブズブを基にした車券が上位を占めているが(もちろん新田-佐藤慎太郎も四五番人気に支持されている)、松浦が三着に残る車券は九番目の評価であった。
 ここまで三百字近くを費やしてくどくど記したが、要はより多くの金子が「黄金連携」は番手捲り及びそれに近い展開という想により賭されたことになる。
 話は突然逸れるが、時折『砂の器』(監督・野村芳太郎版)という映画を無性に観たくなることがある。もう十回二十回と重ねただろうか。それでも毎回、ネタバレの上をゆく感動は褪せない。
「松浦と清水の連携は番手捲り」をネタバレと記せば語弊が生じよう。だいたい競輪は複数の他派と対する闘いだから、そう簡単に事が運ぶわけもない。
「また番手捲りだろう」――いかにも見飽きたという、斜に構えた競輪ファンが居たとしても、松浦と清水の競輪は、いつでも「ネタバレ」の上をゆく熱量を発するから「何回でも観られる」のだろう。
「また番手捲りだろう」のネタバレを選手側に当て嵌めると、わかっていてもトップクラスは苦戦している。となるわけだ。
 失礼にもネタバレという言葉を頻繁に使ったが、本来、松浦=清水が多種多様な連携のバリエーションを持つことは承知している。清水が優勝後のインタビューで「これからも中四国で……」と発言していた。松浦と清水を核とした中国四国連合対脇本雄太、対他地区の鬩ぎ合いが今後、どう展開してゆくのか興味は尽きない。



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