今晩(九月二十二日)の伊東ナイター競輪・第十一レース、目標の居ない準決となった坂口晃輔(三重・95期)は、――格上の金子貴志(愛知・75期)に任されたこともあるのだろう――まぁ、阿修羅のごとき闘走で、魅せた。しっかりインをきり、悠然とスローに落とし、蕗澤鴻太朗(群馬・111期)-片折亮太(埼玉・92期)の仕かけを待つのだが、片折など内心(こりゃオレのとこだな)と粘られるのを察知したのではなかろうか。ちょっと離れ、ちょっと振られ、あっという間に蕗沢-坂口-金子に隊列は変化した。が、終向では満を持した菅田壱道(宮城・91期)の捲りだ。パッと見、スピードがちがう、捲っちゃうな、とおもいきや、キョーレツなブロックで止めてしまった。坂口のヘルメットが菅田のヘルメットにヒットし、消音にしているのにもかかわらず、テレビからはガツンという音がした(ような気がした)。
「おもしろ激場」。ふと、山松ゆうきちの単行本のタイトルをおもいだした。
まさに、坂口「劇場」ならぬ、坂口「激場」であった。
附記。キツいブロックを喰いながらも二着にがんばった菅田が、ゴール後に見せた、しきりに顎の附近に手をやり、ズレたヘルメットをなおす仕草は、い~いドラマに更なる余韻をあたえていた。
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