何度でも観てしまう映画が何本かある。それがマニアック――というのか無名の佳作――に類するものだと見る機会は限られる――書棚からDVDを取り出し再生機で再生するしかない――わけだから、まあ自発的に観ることになる。うってかわってそれが知名度の高い人気作品であれば、契約している数局の映画チャンネルで放映されることも多々あり、出くわしそのまま最後まで観劇となったりもする。先日、テレビのリモコンをいじっていたら偶然『ゴッド・ファーザーⅢ』の後半部分が映った。風呂にはいるのも忘れラストまで見ることになるのだが、なんと、わたしの大好きな終幕場面――その数カットを見たいがために長尺を我慢するという部分も少なからずある――は無残にもカットされていた。わたしの記憶違いなのかしら? 逆に心配になり、夜遅くにごそごそ所有のゴッド・ファーザー三部作を棚から引っぱり出し確認したぐらい、吃驚したわけだ。そりゃないぜ某局!
若い頃は些細なことで、そりゃないぜ、を連発していたわたしだが、寄る年波に、ま、そういうこともあるわな、と、ちょっとだけおとなしくなったはずだけど、こと競輪に関しては口癖のように、そりゃないぜ、と独りごちる日々である。
今日から西武園で開幕したオールスター競輪、初日は二回ぶつぶつ発したかな。
第九競走、北津留翼から無理筋の岩本俊介の二着を買って見ていたら、なんと岩本の外をけん制する動作が二人の落車を誘発、その内の一人が北津留で、そりゃないぜ。
第十競走。脇本雄太の楽な押さえ先行を許しちゃう別線の思惑にそりゃないぜ。競輪の「そりゃないぜ」は車券も介した、公平性を欠く、私的な嘆きであるから、聞き流してもらいたいのだが、わたくしからすれば、とくに吉田拓矢、そりゃないぜ、である。
いけない、いけない。言霊という日本語もある。一度口から出た言葉にギャンブルが縛られる危惧をいだくわたしだが、もう遅い。縛りたきゃ勝手に縛っておくれ。。
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