番手の選手が先行屋を庇う・残そうとする画は、競輪の数ある魅力に於いても必須のものだが、その型は選手それぞれに特徴がある。前の先行屋にスッと並ぶか並ばないかの位置から微妙なさじ加減で差す、外を牽制・内を締めてのまさに寸チョンはやっとこさ差したようにも見えるがそうじゃない。昔もあったが最近の大ギヤ競走だと前との車間をけっこう空ける「残し」が一番使われるだろうか。いろんな「やり方」はプロフェッショナルゆえの技であろうが、見ていてがっかりするのは前を庇うがゆえに交わしの交わしを喰う場面である(もちろんそれを買っている場合は別です)。
昨日、十二月九日、向日町第十一競走、四角ハコで廻って来た志智俊夫は直線半ばすぎからゴールまでずっと外を目で殺していた。もちろん逃げてくれた神田龍を残したいがための「遅踏み」なのだが、それでも三番手にだけは・交わしの交わしだけは絶対に避けたい所作が恰好良かった。神田は微差四着で準決敗退となったが、またどこかで志智が後ろとなったら安心して逃げるのではないか。
そりゃ競輪だからミスもポカもある。俺みたいな素人の見た目からだけ判じるのは軽々だが、仮に四角ハコで楽差し展開ならば、あくまで自分の着は犠牲にしない・それでも援護は出来る限りが一流の仕事なのだと俺は考える。
ま、偉そうに長々と独善に陥ったが、何十年走っても援護の欠片も出来ない選手、タイトル何個もとっているのに前残しなぞ見たことがない、また四角一気なの――? そんな「性質」の「だけど一流」からズブズブを買うのも又競輪の魅力ではある。
さきほど知ったのだが、志智俊夫は向日町の決勝を当日欠場した。どうしたのだろう――。
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